タイヤ交換・セルフメンテナンスのいろは

タイヤ交換・
セルフメンテナンスのいろは

〜タイヤの基礎知識から最新トレンドまで〜

愛車を維持するにあたり、タイヤ交換は避けては通れないビッグイベント。
消耗品のなかでもとりわけ費用も高額ながら、そこで得られる恩恵もまた大きい。
それだけに、交換の見極めと銘柄選びはその後のカーライフを大きく左右する。
コンディション維持から交換まで、ここではタイヤ管理への向き合い方をおさらい!

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知っておきたいタイヤ劣化の見極め方

TOPIC 1

外見で分かるダメージのほか、運転席から感じる兆候もある

外見で分かるダメージのほか、運転席から感じる兆候もある

溝がなくなったら交換というのは多くの人が知るタイヤ交換の目安。ただ、要交換のサインはそれだけに留まらない。走行距離自体が限られたものであっても、装着期間が経過するごとにタイヤは内部からも劣化が進み、外見からでは判断しづらい場合もある。そんな時に頼りになるのが走行感覚。いつもと違う違和感を感じ取れるか否かが大事な点だ。

長期使用で硬化は避けられず、ヒビ割れを招く

長期使用で硬化は避けられず、ヒビ割れを招く

十分なタイヤ溝があっても、長期間使い続けているタイヤは、ゴム質の硬化に伴いヒビ割れが出る場合が多い。路面からの衝撃をいなす役割を持つタイヤは、走行時にたわんで伸びる運動を繰り返し、ヒビが一気に亀裂につながるリスクも高くなる。

大きな亀裂は接地面の剥離を招く重大リスク

大きな亀裂は接地面の剥離を招く重大リスク

たとえ一部分だけであっても、目に見える亀裂はもはや猶予の余地はない。時間を置いてもヒドくなる一方で、亀裂が広がり接地表面の剥離につながるとバーストにもつながる。もはやちょっとの距離でも自走をためらう非常事態とも言える。

振動や偏りにスリップと、車内にいながらも異常を察知

振動や偏りにスリップと、車内にいながらも異常を察知

周期的に振動がやってくる異変において、真っ先に疑うべきはタイヤの変形だ。見た目に分からないほどの変形でも、高速走行時などはタイヤも猛スピードで回るため、その振動が顕著に現れる。長期間乗らないクルマでも、間々見られる症状であるこの変形も、修理で直るものではなく、症状緩和には交換するほかない。

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タイヤセルフチェック&管理のツボ

TOPIC 2

空気圧を維持できているかどうかが重要。シビアに見るなら専用ツールも

空気圧を維持できているかどうかが重要。シビアに見るなら専用ツールも

より厳密にコンディションを管理するための専用ツールも一般向けに売られてはいるものの、よりよい状態でタイヤを維持する上で、何はなくとも肝心なのが適正な空気圧の管理。ここが崩れていると想定以上に劣化を進めてしまい、そして不意のタイヤトラブルをも招きかねない。定期的な圧力チェックを習慣にできれば、トラブルの予兆を発見する手がかりにもなる。

高すぎず低すぎない適性な空気圧管理

高すぎず低すぎない適性な空気圧管理

それぞれのクルマごとに、適正となるタイヤの空気圧は決められており、もっぱら運転席のドア内側かダッシュボード側面に表記される場合がほとんど。乗車期間の経過ごとに空気圧は変動し、1ヵ月で5%ほど低下すると言われるため、最低限月に1度は確認したい。特に季節の代わり目は変動幅も大きいために要注意。写真のようなゲージタイプなら1000円台の前半で、手頃に入手できる。

残り溝を正確に測定できれば安心

残り溝を正確に測定できれば安心

溝の深さは見た目にも比較的容易ながら、複雑なパターンなど、タイヤの種類によっては判別しづらい場合もある。車検可否の判定基準は1.6mm。残溝が心許ない状況では正確に測定しておきたい。こんな時に有効なのが、溝の深さを正確に計測してくれるゲージの存在。やや特殊なツールながら1000円台の後半で入手でき、正確な数値をもって残り溝を厳密に測定できる。

劣化度合は硬度から計測できる

劣化度合は硬度から計測できる

タイヤの劣化状況を判断する上で、重要指針となるのがタイヤの硬さ。この硬化が進むと柔軟性が失われてタイヤのグリップ力も落ち、そしてヒビ割れも招きがち。適正な硬度は使用開始から4〜5年で交換時期を迎えるというのが一般的。正確にその度合を計るために、タイヤ硬度計というものもある。概ね5000円ほどと値は張るものの、ひとつ持っておくと仲間内からも重宝がられるかも!?

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タイヤ用語と規格の見方・読み方

TOPIC 3

数字とラベルからタイヤの能力と特性がわかる

数字とラベルからタイヤの能力と特性がわかる

外見からはなかなか窺いしれないタイヤごとの個性も、数字表記のスペックとアルファベットによるラベリングからある程度は推察できる。タイヤ側面に刻印されるサイズ表記からは、重さを支える能力と速度への対応力を知ることができ、またカタログ等に添えられるラベリングからは、転がり抵抗による低燃費性能、そして濡れた路面での安定性も等級別に類推することができる。

タイヤに刻印されるサイズと能力

195/

接地面の幅でmm表記。数字が大きくなるほどに接地面積が大きくなり走行安定性は増すものの、燃費面では不利になる。

65

厚み

数字が大きくなるほどタイヤ断面の厚みが増して乗り心地は増す方向に。小さくなると薄くなり、ダイレクト感が増す。

R

構造

Rは「ラジアル構造」を指す。一般車用の大半がコレのため略されることもある。

15

内径

タイヤ内径を表し、装着ホイールの外径にもあたる。

91

負荷能力

規定の条件下でタイヤ1本あたりが支えられる最大負荷能力を表す指数。この数字が大きいほどに重い車体を支えられる。

H

対応速度

対応可能な最高速度を示す記号。Hは210km/hで、Vなら240km/hまで許容する。

市販タイヤに交換する際は、かつて以上に純正タイヤを基準に考えるのが筋。昨今のクルマは衝突安全装備が発達し、タイヤを異サイズにすることでセンシング性能に影響が出る場合もあるためだ。スピードメーターとの誤差が生じるのもかつてと変わりなく、そのままでは車検にパスできないおそれも。と、こんな状況でこそ力になってくれるのがタイヤ販売店によるプロのアドバイスだ。

ラベリングから燃費と雨天性能の等級がわかる

ラベリングから燃費と雨天性能の等級がわかる

カタログ等でよく見掛けるようになったこのラベルでは、転がり抵抗性能をC〜AAAの5段階で、ウェットグリップ性能はd〜aの4段階で、等級として確認できる。ラベル上、左に行くほどに高レベル。よく転がることで燃費性能に優れ、ウェットグリップ力が上がれば雨天時もより安心して運転できる。

対応路面の幅広さをマークから識別

対応路面の幅広さをマークから識別

「M+S」の刻印は「マッド&スノー」を指し、ぬかるんだ路面や積雪路への対応も考慮された証。ただし公的な基準があるわけでもないため、冬タイヤ規制に対応するわけではない。片や、その左に添えられる山を模したものは「スノーフレークマーク」。こちらは規格設定機関による寒冷地性能試験をパスした証でもあるため、冬タイヤ規制時も走行可能。より上級の証と考えていい。

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令和のリプレイスタイヤ市場動向

TOPIC 4

全方位で能力を高めるマルチ性能の引き上げが顕著に

全方位で能力を高めるマルチ性能の引き上げが顕著に

ゴムを使ったシンプルな部品のようでいて、その実際は高度なシミュレーション技術によるミクロレベルの化学合成物でもあるのが昨今のタイヤだ。その点、快適性と走行性能、あるいは乾燥路面と雪上路面など、従来では両立しえなかった性能をいいとこ取りできるマルチ化がここ数年顕著に見られる。販売店オリジナルのプライベートブランドタイヤもその能力が底上げされ、カーメーカーによる認証タイヤも市場流通が増すなど、これまで以上にその選択肢も数多く出揃っていることに注目したい。

ロングセラーの名門銘柄も技術的にブレークスルー

ロングセラーの名門銘柄も技術的にブレークスルー

プレミアムコンフォートタイヤの代名詞とも言われるブリヂストン・レグノは『GR-XⅢ』に進化。本モデルより商品設計基盤技術である『ENLITEN』が搭載され、従来にない特性を備えていることに注目。販売店の店頭にも置かれる写真のカットモデルで一目瞭然の通り、従来モデルに比べて新モデルはその柔らかさが白眉。心地いいハンドリングと揺れの少ない快適性を両立させるに至っている。

オールシーズンタイヤにもプレミアムモデルが出現

オールシーズンタイヤにもプレミアムモデルが出現

単にオールシーズンに対応するだけでなく、質感も高めたプレミアムモデルも登場。先陣を切ったのはグッドイヤーの『ベクター フォーシーズンズ ジェンスリー』で、オールシーズンタイヤでは唯一となるウェットグリップ性能「a」も獲得。冬タイヤ規制にも対応し、なおかつライフについても従来品比にして30%もの向上を果たしている。選択肢の増加により、オールシーズンタイヤがさらに身近になったことは間違いない。

承認タイヤも量販店で入手しやすい環境に

承認タイヤも量販店で入手しやすい環境に

カーメーカーによる独自基準を満たしたタイヤは承認タイヤと称され、特に輸入車向けに数多い。そのタイヤが装着されることを前提に車両側も開発されているため、リプレイス用に承認タイヤを選ぶことで、まず間違いなくクルマ本来の性能を発揮しやすくなる。一部に搭載されるランフラットタイヤも同様に、量販店での在庫も増えているようだ。

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2025年・春、最新タイヤ売り場事情

TOPIC 5

値上がり傾向、待ったなし!いつか買うなら、すぐにでもお店へ!!

値上がり傾向、待ったなし!いつか買うなら、すぐにでもお店へ!!

毎年のようにアナウンスがあるように、今年2025年も6月以降の値上げが決定事項となっている。ここ数年の動向を長い目で見ても、さらなる値上げはあっても下がることは想像しづらい。いずれの買い替えを検討している人は、その決断を早めにしたほうがいい。値上げ前の最後のキャンペーンもカウントダウン状態であり、またオールシーズンタイヤによる通年使用で当座の出費を抑えることにもつながる。パンクを始めとする購入事後のアクシデントにも、補償プランの充実で今のうちに備えておくこともできる。

お得さを求めるなら、決断は少しでも早めに!

お得さを求めるなら、決断は少しでも早めに!

6月からの値上げを目前に控え、現状価格で入手できる最後のチャンスであるのはもちろん、ユーザーニーズの高まりを見据えて販売店でも最後のキャンペーンを用意している。とはいえ、一部のキャンペーンは5月末日を待たず、早めに終了の予定も。全国のオートバックス・スーパーオートバックスにおける「春のタイヤ大還元祭」は5月6日までとなっている。決断するなら今だ。

オールシーズンタイヤの周知浸透

オールシーズンタイヤの周知浸透

グッドイヤーによるプレミアムモデルのリリースに続き、氷上路面にまで対応するダンロップ『シンクロウェザー』が耳目を集めるなど、量販店全体でもオールシーズンタイヤの売り上げが増しているようだ。その分、お店側も力が入り、選択肢が広がった分手頃な価格でも入手しやすくなっている。

値上げに備えて、購入後も安心なタイヤ補償

値上げに備えて、購入後も安心なタイヤ補償

自らの過失はなくても、不意のパンクなどは往々にして起こり得る。こんな時に安心なのが各販売店ごとに設けられるタイヤ補償制度。パンクの場合、1本だけ新調することによるバランス悪化も気になるところだが、補償適用なら4本交換に応じてもらえる場合もあり、しかも2年以上にも渡る長期補償も用意され、次回交換までの維持期間を通じ、安心が続くことにもつながる。

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