近年、自動車業界でじわじわと注目を集めているのが「デジタルインナーミラー」だ。車体後方に設置したカメラの映像をルームミラーに設置されたモニターに表示するこのタイプのミラーは、荷物や同乗者で後方視界が遮られるシーンでも安定した後方確認を可能にする優れものだ。 実はこの手の「デジタルインナーミラー(デジタルミラーとも)」の歴史は意外と古く、1950年代後半に生まれたもの。しかし当時はバスやトラックといった大型車両の後方確認に利用するケースが殆どで、価格も高価であったことから我々一般ユーザーがマイカーに装着する例は稀であった。しかし、2014年頃から国産各社の普通自動車に純正採用されるケースも増え、だんだんと一般ユーザーにもデジタルインナーミラーという存在が浸透してきたという歴史がある。
中でもセルスター工業が発売する最新の『CS‑2000SM』では、デジタルミラー機能に加えて前後2カメラのドライブレコーダーとGPSユニットをセットにした高機能モデル。視界の確保と記録、どちらのニーズもこの1台で満たすことができる注目モデルだ。今回MOBILA編集部では実際に『CS-2000SM』を編集部員の愛車に取付けてインプレッションした。果たして最新のデジタルインナーミラーとはどのようなメリットがあるのだろうか。
本体、前後カメラ、GPSユニットが別体な為、一般的なデジタルインナーミラーやドラレコに比べると部品構成は多め。しかし実際に取付けて走らせてみるとその真価が判った。なぜ今、デジタルインナーミラーなのか?
従来の鏡を利用した一般的なルームミラーでは、後席に大人が座ったり荷物が積まれている場合、後方視界が著しく悪化する。特にミニバンやSUVのように車内空間が広い車両ではその傾向が顕著で、家族とキャンプ道具を満載で出かけた際などに、後方確認をしようとミラーを覗いたら後部座席の家族と目が合うだけで全く後ろが見えなかった・・・といった経験のある読者も多い事だろう。その点、デジタルインナーミラーはその問題をカメラの映像でカバー。後方に設置したカメラの映像をモニターで表示するため、乗車人数や荷物の有無に関わらず安定した視界を確保できるため、安全なドライブが可能となるのだ。
しかし市場で販売されている多くの製品では、デジタルインナーミラーとドライブレコーダーは別々の機能として扱われている事が多く、ユーザー自身がデジタルインナーミラーとドライブレコーダーを個別に機器を選び、取り付ける手間が発生するのが実情だ。また、一般に販売されているミラータイプのドライブレコーダーではミラーに前後カメラを集約しているケースなどもあり、一見スマートに取り付けが出来るため便利なのだが、録画映像を後から確認すると殆ど後方は録画されていなかったというケースもある。あおり運転対策や事故時の記録としてドライブレコーダーの重要性が高まっている現在、両者の機能を備えつつも、ミラーとカメラが別体となっている本機はまさに理想的な選択肢と言えるだろう。
本体とは別体の前後カメラとGPSユニット。一見取り付けが煩雑になるだけのように感じるが、実は各部品を別体とする事で、「確実に記録する」という、安全・安心に特化した製品なのだ。『CS-2000SM』の魅力とは

『CS-2000SM』の魅力とは
セルスターの『CS‑2000SM』は、10.2インチの大型液晶ミラーを備え、フルHD録画に対応した前後2カメラのドライブレコーダー機能も統合。映像はHDR+夜間補正Ver.2により、暗所や逆光時でも安定して見やすい表示を実現しているのが特徴だ。また、後方キャッチ機能による接近警告やGPS&みちびき対応による危険エリア音声案内など安全運転に寄与する機能も搭載している。本体は日本製で、3年間の独自保証が付帯している為安心して購入する事ができる。一般的なドライブレコーダーに比べると前後カメラ、本体、GPSユニットと部品点数も多く少々複雑な取り付けとなるが、カー用品店に取り付けを依頼した場合、デジタルインナーミラーとドライブレコーダーを別々に購入・取り付けしてもらうよりも工賃を節約できるというメリットもある。また、32GB microSDカードが付属し、購入後すぐに使えるというのもうれしいポイントだ。

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本体にカメラなどを内蔵しない事で、コンパクトなサイズ感を実現。このように左右のサンシェードを下げても干渉しずらく、従来のミラーのように違和感なく使用できるのがうれしい。どのようなユーザーにおすすめ?

どのようなユーザーにおすすめ?
『CS‑2000SM』の特性を活かせるのは、やはり「車内が広く、後方視界が取りにくい車両」に乗るユーザー。特に近年人気のミニバンやSUVは車内空間が広い為後方の視界も悪くなりがちなのでこのようなクルマに乗っているユーザーには特におすすめできる。また、一般的なドライブレコーダーに比べるとモニター部が大きい為、後方へ「録画している」というアピールに繋がるのも特筆できるポイントのひとつ。セダンやコンパクトカーでもいわゆるあおり運転対策に導入するというのもおすすめだ。


実際に取付け・使用してみたインプレッション
編集部ではCS‑2000SMを実際に編集部員のミニバンに装着し走行テストを行った。まず取り付けて最初に驚いたのが非常に鮮明かつ遅延の無い美しい映像だ。我々編集部員は普段から純正採用されているデジタルインナーミラーをはじめ、ミラー型ドライブレコーダー等様々なタイプのデジタルインナーミラーを見てきたが、画像のクリアさと滑らかさはトップクラス。また、夜間の走行時にもHDRと夜間補正でコントラスト・明るさが自動調節され、クリアな視界を維持していたのも特筆できるポイントだろう。



また、一般的なドライブレコーダーに比べ、常に見える位置にモニター画面がある事も安心できるポイントの一つ。一般的なドライブレコーダーはミラーの裏等に設置するケースも多く、運転していも実際に録画されているか不安であったり、いざという時に録画されていなかった・・・!というケースも少なくない。しかし本機の場合常にモニター部が視界に入る為、録画がきちんとされているかも一目瞭然。運転中の安心にもつながるのだ。

本機の特徴は何と言ってもミラー全面に内蔵された大型のモニターだが、一般にこういったデジタルインナーミラーの操作はタッチパネル方式である事が多い。タッチパネルによる操作は直感的に操作できる反面、鏡面=モニターが指紋や皮脂で汚れてしまい、見栄えが悪くなるデメリットがある。本機ではあえてタッチパネルの採用をせず、本体下の目立たない場所に物理スイッチを配置。モニター面に触れることなく操作ができるので指紋汚れも防ぐことができる。また、タッチパネル操作の場合、手が滑ってしまったり静電気の影響などによって誤操作のリスクもあり、「撮影していたつもりが撮影ストップボタンを押していた・・・!」といったミスにつながる事もあるだろう。本機の場合、物理タイプのスイッチなのでそのような心配も一切なく、確実な操作ができるのも好印象だった。

予め指定した画角に即座に切り替えることができる「バックモード」搭載。特に車高が高いクルマやリアにスペアタイヤを搭載した車は真後ろの確認が難しいのでありがたい機能のひとつだ。 『CS‑2000SM』はミニバンだけでなく、全てのクルマにおすすめしたい安心の"インフラ"

『CS‑2000SM』はミニバンだけでなく、全てのクルマにおすすめしたい安心の"インフラ"
「後方が見えない」「フロントにはドライブレコーダーがあるが、リアにはドライブレコーダーを設置していない」「あおり運転されたがその瞬間が録画されていなかった」といったドライバーの不安を、これ1台で解消できるのが『CS‑2000SM』の強み。別々にドラレコとデジタルミラーを用意しなくても、“後方視界+前後映像記録+位置情報記録”の三位一体が完成する。特に近年はあおり運転や災害への備え、また電動キックボードの普及など「しっかり記録できる」アイテムが求められる時代。『CS‑2000SM』は、普段の運転中も、万一の際も安全・安心を提供してくれる一歩先のドライブアイテムと言えるだろう。〇セルスター工業のホームページはこちら
〇『 CS-2000SM』の製品ページはこちら
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