多摩川本流の一区間を除き、今年も奥多摩の渓は10月1日で禁漁を迎えた。9月27日今年最後の沢釣りに選んだのは川苔谷である。長い林道歩きは日が短くなって来た9月は辛いので、今回は車に自転車を積み込み釣りに出掛けてみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・中山祐司)
ミニサイクルで川乗林道を上り渓流釣り
川乗林道は川苔谷に添い川乗山へのアクセスに有名なルートである。入口のゲートは基本一般車の侵入は禁止となっている。
駐車場の少ない奥多摩地域は、バス利用も中々時間が合わない事が多い。そこで今回は、馴染みの東京トラウトカントリーさんへお願いして車を止めさせて頂いた。

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標高400mからのスタート
ミニサイクルを組み立て終わると出発は6時を回った。出発地点の標高は約400m。目指すポイントは川乗林道標高950m付近、手押し覚悟の自転車釣行である。
帰路下りの時短に期待している。小型ザックにタックルを詰め快調に進んだ日原街道もつかの間川乗林道ゲートからはきつい上りが始まった。

既に釣り人の車が駐車
20分程上がった時釣人らしき車を発見した。ゲートのチェーンを外しての進入で林道脇のスペースに2台である。釣果は気になるが自転車で上り続ける自分に少しのプライドを言い聞かせ先を急いだ。

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残留ザイルの心意気
続く勾配に自転車を降り渓を覗き込みながら林道をひたすら上り続けるとガードレールに残留ザイルを確認した。聖滝付近である。有難い山人達のボランティア精神である。無言のナビゲートは大変有難い。
今回は上流部を目指すので利用させて頂かなかったが、逆川方面へトライする人は利用されても良いと思う。

目的地点へ到着
ゲートから1時間30分、長い上りの林道を行く私を3台の車が追越して行った。登山者と釣り人である。先行者の多さに半ば釣果の期待も薄れて来た頃、眼下に百尋(ひゃくひろ)ノ滝を確認した。滝音は谷をこだましている。
落葉樹が目立ち始めた頃等高線の950m付近に到達である。既に1Lの飲料ボトルは空になっていた。

釣り開始
時刻は8時30分。渓ま15m程の林道脇に自転車をデポし身支度を整え渓へ降りたった。木々に覆われた暗い渓は水量も安定し苔むした岩が点在している。手堅く1匹を釣りたいと願い今年最後の沢釣りを開始した。
今回のタックル
竿:中硬小継渓流竿5.4m
天上糸:ナイロン1号3本ヨリ60cm
道糸:ナイロン0.8号2m
ハリス:フロロカーボン0.4号1m
オモリ:ガン玉3B
針:ハリ岩魚7号
マーカー:ポリプロピレン
餌:ブドー虫
20cmイワナをゲット
ボサの目立つ釣場はエサ釣りを選んだ。岩蔭より大石の淵へ投入。一投目送り込んだ合わせに来たのは20cm程のイワナである。リリースギリギリのサイズだが鉤掛かりが深く虫エサを飲み込んでいたため、キープさせてもらう。

小型のリリース後23cm
小滝を超えて上流へ足を運ぶと渓も開けて来たが魚影はある。小場所ごとに魚は出るが小イワナばかり。2匹程リリースを繰り返すと小さな落ち込みから23cmのイワナが出た。

軽装を心がけ今回は魚籠は置いて来たので保冷剤を入れたアルミパックを利用した。残暑の残る今日は外気温もまだ高く一匹づつ〆て保管する。その後小ヤマメ混じりの小イワナと遊び納竿。釣果は7匹、3匹をキープした。
林道まで20m程の樹林帯を這い上がり入渓地点迄戻ると正午を回っていた。今年の沢釣りのエピローグは珍しく出会ったトリカブトの花である。秋の気配の中下る林道はブレーキのゴム臭を気にかけながら50分程で車に到着した。
自転車のメリットを感じた渓流釣行
今回使用したミニサイクルはMTB仕様ではないため、携行には便利だが林道は大変であった。勾配の続く沢に添う林道はシニアの私は自転車を押し続ける時間は長かったが、運動不足は否めない。
車釣行の狭い林道での限られた駐車スペースを気にすることなく見落としがちな隠れた入渓点を探せたことは今回の成果であった。奥多摩の数ある沢もエコな機動力に自転車を利用しこれからも渓流釣りを楽しみたいと思う。

交通アクセス
・JR青梅線奥多摩駅下車
・日原方面行きバス川乗橋下車
詳細は山ガイド川乗山登山など参考にしていただきたい。
<中山祐司/TSURINEWSライター>
川苔谷
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