2025.7.12

大ヒット映画『F1/エフワン』手がけたアップル、次はF1放映権獲得にも動き出す?

Andreas Beil

 公開から2週間で3億ドル近い興行収入(2億9300万ドル/約430億円)を記録するなど、大ヒット作品となった映画『F1/エフワン』。この成功を受けて、同作品を手がけたAppleがF1の放映権獲得を目指していると報じられるようになった。

 ジョセフ・コシンスキー(監督)、ジェリー・ブラッカイマー(製作)という『トップガン マーヴェリック』のスタッフが再集結した本作は、Apple Original Films、主演を務めるブラッド・ピットのPlan B、監修したルイス・ハミルトンのDawn Apolloらが参画しての共同製作となった。そして封が切られると前評判に違わぬヒットを記録したことで、Appleが劇場公開した映画の中で最も成功した作品となった。

 AppleのCEOティム・クックは公開に先立ち、『Variety』誌のインタビューでこう語っていた。

「F1というスポーツを忠実に再現し、人生の波瀾万丈を描いた素晴らしいストーリーを伝えること。『F1/エフワン』はそれら全てを成し遂げている」

「さらに我が社のカメラ技術など、Apple独自の技術も映画に取り入れることができた。そして、今後は小売事業も含めて、会社全体でこの作品を支える予定だ。つまり全社を挙げて取り組めるプロジェクトになったのだ。関われたことを本当に誇りに思っている」

 その製作費は2億ドル(300億円)とも3億ドル(440億円)とも噂される中で、映画『F1/エフワン』はその巨額の投資に見合った成果を残した形と言えるが、このことによりAppleが米国におけるF1放映権の獲得に乗り出そうとしていると、英国の『フィナンシャル・タイムズ』が報じた。

 現在の放映権はディズニー傘下のESPNが保有しているが、この契約は2025年シーズン終了時に満了となる。当初、次期契約はESPN独占となる可能性があったが、独占交渉権は失効し、現在F1は他社からの入札も検討している。

 Appleが放映権獲得を目指す場合、最大の競合相手はESPNとみられているが、F1のドキュメンタリーシリーズで大成功を収めたNetflixも、放映権争いに名乗りを上げる可能性があると噂されている。Netflixの『Drive to Survive』はアメリカ国内を中心に世界的なF1人気の爆発に貢献したことが評価されている。

 なお、Appleによるスポーツ放映への参入はこれが初めてではない。2022年にはメジャーリーグ・ベースボール(MLB)の配信権を獲得し、その後メジャーリーグ・サッカー(MLS)の権利も取得している。

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出典: https://jp.motorsport.com/f1/news/f1-movie-success-leads-to-apple-bid-for-us-formula-1-rights/10741165/
この記事を書いた人 Lydia Mee

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