
今年のF1モナコGPは、3セットのタイヤを使うことが義務化されたことにより、「まるでマリオカート」のようになってしまったと、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は考えている。
2024年のレースがほとんど動きのないモノになってしまったことを受け、2025年のF1モナコGPでは、決勝レース中に最低3セットのタイヤを使うことを義務付ける特別ルールを導入した。
ただこの特別ルールは、別の予想外の要素がもたらした。レーシングブルズとウイリアムズは、1台のマシンにスローダウンを指示して後続を抑えさせ、チームメイトが上位を目指すためのサポートをするという、通常とは異なる戦術を生み出した。
そんなレースでフェルスタッペンは、2回目のピットストップを最終ラップまで待つ戦略を採った。その間に赤旗中断となれば、大逆転勝利を手にできる可能性もあったからだ。ただその思惑は叶わず、最終的には4位でフィニッシュした。
そのフェルスタッペンは、モナコGPをもっと面白いモノにするために、何かを試さねばばらなかったことは認めつつも、それがうまくいったとは思わないと語った。
「もちろん理解はするけど、うまくいったとは思わない」
そうフェルスタッペンはレース後に語った。
「どうせここではレースできないんだから、何をしても無駄だよ。1ストップでも10ストップでもね。最後にはトップにいたのに、タイヤが完全に消耗してしまって、オーバーテイクができなかった。最近はここでなら、F2マシンでもF1マシンを抜けるんじゃないかと思う」
「マリオカートをやってるみたいだったよ。マシンに何かを取り付けなきゃいけない。バナナを投げてもいいかな。分からないけどね」
マリオカートでは、バナナを投げてライバルにぶつけると、そのライバルをスピンさせることができるのだ。もちろんそれは例えだとしても、何か別のことを試さなければならないと、フェルスタッペンは主張しているわけだ。
なお今回のレッドブルは大いに苦戦。予選でフェルスタッペンは、ポールシッターのランド・ノリス(マクラーレン)にコンマ7秒の差をつけられた5番手に終わった。
予選4番手だったルイス・ハミルトン(フェラーリ)にグリッド降格ペナルティが科されたことで、4番グリッドからスタートすることになったフェルスタッペンだが、速さではマクラーレンとフェラーリには叶わず。そのため赤旗中断を期待して、2回目のピットストップを遅らせるしか、勝利を目指すチャンスはなかった。
「僕には失うモノは何もなかったよね? 後ろとの差もあったしね。順位は変わらなかったけど、それがモナコなんだ。予選順位はすごく重要。通常ならば、何か起きなければポジションを上げることなどできない。普通にピットストップをこなせれば、ポジションを守れる。今日はまさにそれが起きたんだ」
「それに、前にいるドライバーたちと戦えるだけのペースは、そもそもなかったと思う。彼らについていこうとすると、タイヤが摩耗して、グレイニングが酷くなってきたから。4位は、僕らが達成できる最高の結果だと思う」
今回のレースの結果フェルスタッペンは、ドライバーズランキングで首位のオスカー・ピアストリから25ポイント差の3番手につけている。なお今回勝ったノリスは、首位ピアストリまで3ポイント差まで迫った。
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