2025.5.3

悔しいクラッシュから3週間。修復果たしたチーム労うPPに、石浦宏明の瞳が潤む「明日しっかり結果を残してまた喜びたい」

Masahide Kamio

 スーパーGT第2戦富士の予選でポールポジションを獲得したのは、38号車KeePer CERUMO GR Supraだった。彼らにとっては、クラッシュで悔しいリタイアに終わった開幕戦のリベンジに向けて、これ以上ない形でレースを迎えることになる。

 雨の中スタートした開幕戦では、石浦宏明がセーフティカー解除直後、実質的なレース1周目となった1コーナー立ち上がりでスピン。それを避けきれなかった16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT、12号車TRS IMPUL with SDG Zらが絡むマルチクラッシュに発展した。幸い石浦に怪我はなかったものの、同日の取材では「自分のミスで回ってしまいました。巻き込んでしまったチームの皆さんに申し訳ないです」と肩を落としていた。

 車両は大きく損傷したが、チームは第2戦までの3週間のインターバルでマシンを修復させることができた(石浦の相方、大湯都史樹によると“ギリギリのギリギリ”だったとのこと)。迎えたレースウィークは好調で、予選ではQ1担当の石浦が3番手に入ると、Q2では大湯が好調の19号車WedsSport ADVAN GR Supraを退けてポールポジションを獲得した。

 ポール獲得後、公式映像のインタビューに応える石浦の瞳は潤んでいるように見えた。この時の心境について会見で尋ねられると、石浦はこう答えた。

「メカさんたちが頑張ってくれたおかげでこういう結果を出せているので、そこに対する感謝の気持ちと、明日しっかり結果を残してまた喜びたいという気持ちがありました」

「こういった環境で走れているのは皆さんの協力があってこそなので、そこを考えた時にそうなった(瞳が潤んだ)という感じです」

 また石浦は決勝レースに向けた意気込みを問われると、「ゴールデンウィークの富士戦は個人的にも相性が良いですし……」と切り出しつつ、公式プログラムの誤植で1961年生まれと表記されたこと(実際は1981年生まれ)に触れ「プログラム上は最年長優勝がかかっているらしいので……(苦笑)、64歳としてしっかり記録を残して帰りたいです」とのジョークで会見場を沸かせた。

 それに対してポールシッターの大湯も「64歳となると、僕は息子か孫かという歳の差になるので……(苦笑)」と乗っかりつつ、「3時間レースは本当に長いので、ミスが許されない戦いが続きます。明日はチーム全体でしっかり戦い抜きたいです」と締め括った。

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出典: https://jp.motorsport.com/supergt/news/2025-sgt-r2-sat-gt500-presser/10719196/
この記事を書いた人 戎井健一郎

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