
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、姉妹チームであるレーシングブルズのF1中国GPでの戦略が不十分だったと批判。少なくとも1台は入賞することができたとはずの考えを示した。
レーシングブルズは開幕戦から好調で、第2戦中国GPの予選でもアイザック・ハジャーが7番手、角田裕毅が9番手とトップ10圏内からスタート。序盤は角田が8番手、ハジャーが9番手を走行し、1回目のピットストップで角田は前を走るメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリをアンダーカットすることに成功した。ハジャーは、早めのピットインでポジションを上げたハースのエステバン・オコンとアントネッリの後ろに続いた。
当初、レースはタイヤデグラデーション(性能劣化)の大きさから2ストップ戦略が主流になると考えられ、レーシングブルズは33周目終わりにハジャーを、34周目終わりに角田をピットへ呼び込んだ。
しかしアントネッリやオコンなど直近のライバルを含め多くのドライバーはこれに反応せず、1ストップで走りきったことで、ハジャーが14位。角田はレース終盤にトラブルを抱え19位でのフィニッシュとレーシングブルズは無得点に終わった。
レース中盤、角田は1分37秒台後半と周囲のドライバーと同等のペースで走行しており、タイヤを持たせることができれば1ストップ戦略も可能だっただろう。そしてオコンが7位、アントネッリが8位でポイントを掴んだことを考えると、角田にトラブルが発生していたとしてもハジャーがポイントを獲得できたはずだ。
これを受けてマルコは、レーシングブルズが少なくともどちらかのドライバーを1ストップ戦略にするべきだったとの考えを示した。
「少なくとも1台は1ストップ戦略を取るべきだった」とマルコは言う。
「隊列の中に入ってしまうと、オーバーテイクは非常に難しい。それ(戦略)で彼らは自分たちのレースを台無しにしてしまった」
「彼らは常にアントネッリと同じペースで走っていたのだから、少なくとも1ポイントは可能だったと思う」
「だから、彼らの戦略担当者は本当にしっかりと深堀りして、正しい判断を下せるようにしなければならない」
また、角田は2ストップ戦略でポジションを大きく下げた後、48周目に突然フロントウイングの右フラップが脱落し、緊急ピットインを強いられるというトラブルに見舞われた。
これについてマルコは次のように語った。
「彼は誰にもぶつかっていない。路面に何かあったのか、技術的なトラブルか、まだ分からない」
フェラーリのシャルル・ルクレールをはじめとするドライバーに車両の最低重量違反の可能性が浮上していることから、レーシングブルズが戦略ミスやトラブルもなく走り切ることができていれば、さらに大きなポイントを掴むことができていたかもしれない。
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