
世界ラリー選手権(WRC)には現在3つのメーカーが参戦しているが、彼らは今いるメーカー数が減少せず、むしろ増やしていくことは可能だとポジティブな姿勢を維持している。
WRCの最高峰クラスは長い間参戦メーカーの拡大に務めてきている。2019年末にシトロエンが撤退して以来、WRCではトヨタ、ヒョンデ、フォード(M-スポーツ)の3メーカーによる競争体制が続いている。
しかし7月上旬、ヒョンデがWEC(世界耐久選手権)へ参戦する準備を進めているという報道があり、それに伴ってWRCにおける長期的な将来に疑問が投げかけられるようになった。
WRCは少し前にメーカーからの反対もあり、2027年の新ルール導入前の2年間でテクニカルレギュレーションを変更しないと発表した矢先の出来事でもあった。
なおヒョンデ・モータースポーツの社長でWRCチーム代表でもあるシリル・アビテブールはWRCを含むモータースポーツ計画の発表が9月に行なわれる可能性があると語っている。
ヒョンデを巡る憶測が広まる中、WRCプロモーターは現在のメーカーを維持し、さらに2027年に新規メーカーを迎えることはできると考えていると話した。
「それ(今のメーカーが全て残ること)が間違いないと言うことはできない。それは我々の決めることではないからだ。しかし私は参戦するだけの価値がある良いチャンピオンシップを作り上げることができる自信がある」
WRCプロモーターのスポーツ担当シニアディレクターであるピーター・トゥールはmotorsport.comにそう語った。
「それに加え、(2027年以降の)良いレギュレーションを作ることができれば、2027年に向けて少なくとももうひとつメーカーを加えることができると期待している。それが我々の目標だ」
「我々の願いでもある。なぜなぜ、我々はこのチャンピオンシップを前進させなくてはならないんだ。繰り返しになるが、メーカー内部の考えについて私はコメントできない。だが先程も話したように、彼らがとどまりたいと思う魅力的なものでなくてはならない。それこそが我々にできることであり、やらなくてはならないことなんだ」
「我々はこの3メーカーが続けてくれるよう全力を尽くすし、我々は良い話し合いをしてきた。どのような提案にも、我々はオープンな姿勢だ。我々はレギュレーションであれスポーツ規則であれ、これほど良い話し合いができたことは、これまでになかったと思っている」
またWRCプロモーターはFIAによる2026年末までのレギュレーションを変えないという判断を「正しい決定」だと評価しているが、シニアディレクターのトゥールは、チャンピオンシップの方向性をメーカーが理解する助けとするためにも、2027年のレギュレーションを今年中に発行する必要があると繰り返し述べている。
「私はかなりポジティブで、(レギュレーションの変更無しの判断は)正しい決定だったと思っている」とトゥールは言う。
「あらゆることを議論できたのは良かったし、今は安定性が確保できた。しかし我々にとってより重要なのは、2027年に向けたレギュレーションが迅速に決定されることだ。将来のことを考えなくてはならないのだから、それが必要なんだ。そのことは誰もが知っているし、既に多くの作業が進行中だ」
「ルールはまだできていないとしても、我々は何が起きているかは把握しているし、非常に自信を持っている。正しい方向に進んでいるんだ。皆がどうあるべきかについて共通の認識を持っていると思う。唯一の問題は、異なるドライブトレインに、どのくらいの柔軟性をもたせるかということだが、それは分からない」
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