
スペインの首都、マドリードの市街地コースでF1開催が決定に向かっているというニュースが最近報道されて話題となっているが、シリーズを統括するFIA(国際自動車連盟)の上院議員はこのプロジェクトがまだ重要なステップを残していると釘を刺した。
現在の所、マドリードGPの市街地コースはマドリード・バラハス国際空港にほど近い、マドリード北東部にあるIFEMA(イフェマ)コンベンションセンター周辺に設定されると見られており、報道では2026年から2035年までの10年間の開催契約が今後数週間でまとまる可能性があるとされた。
しかし、FIAはF1マドリードGPの開催にあたっては、まだクリアすべき事柄がたくさんあると釘を差している。
スペイン自動車連盟の会長でFIA上院議員でもあるカルメロ・サンス・デ・バロスはmotorsport.comを含む一部メディアに対して、マドリードでのF1開催について次のように語った。
「グランプリを開催するためには明確なプロセスが存在している。そして読んだ内容に基づくとそのプロセスはまだだと思う」
「スペイン自動車連盟はそのプロセスが始まる場所であり、国内で新たな招致レースが行なわれる場合、必ずここを通らなくてはならない」
「ではスペイン自動車連盟は今日の時点で、分析し研究し、集中する必要のあるそのプロジェクトを受け取っているのか? 答えはノーで、彼らのプロジェクトは確認されていない。特別なステップをまだ通過していないのだ」
「そして、スペイン自動車連盟がこのプロジェクトは有望で興味深いと考えた時、どこにそれを連絡するか? それはFIAだ。なぜならFIAが承認する必要があるからだ。もし彼らが半市街地サーキットについて話しているのなら、最初にすべきことはそのホモロゲートされた認証を受けることだ」
「つまり、スペイン自動車連盟が何も受け取っていないということは、彼らはFIAには何も送っていないということであり、FIAも何も受け取ってはいないということだ。だからこれまでのところ、この数日で報道されているプロジェクトには(FIA内の)誰も取り組んでいない」
マドリードGPは、国内の規制当局とFIAが上記の手続きを完了して初めてF1カレンダー入りの扉が開かれることになるが、デ・バロスとFIAは実際に計画書を受け取った際に評価を進めることには何の躊躇もしていない。ただ、彼は報道機関へのリークのような政治的な動きには懸念もあるという。
「マドリードがバルセロナから盗もうとしているとか、モンメロを殺そうとしているだとか、そういった記事も呼んでいる。そして、間違いなくその位置づけは正しくないと思う」
「ここには我々の暮らしているマドリードとバルセロナ、両者の政治的状況の影響が関係していると思う」
「そして、発表されたかどうかは分からないが、我々には過去に2030年オリンピックをマドリードへと招致しようとしていた時があって、リークとプロセスに従わなかったために実現しなかった経験がある」
「(マドリードでのF1開催が)そうならないことを願っている。私もマドリードでのレースをしたいと思っているからだ。しかし、私が知っているマドリードでのF1プロジェクトがひとつかと言えばそうではない。知っている限り、少なくともあとふたつはある」
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