2023.11.4

ハミルトンから逃げ切れるか? 崖っぷちペレス、F1ランキング2位死守に向けて僚友フェルスタッペンの「サポートがあると確信」

Mark Sutton / Motorsport Images

 メルセデスのルイス・ハミルトンとドライバーズランキング2位争いを繰り広げるレッドブルのセルジオ・ペレス。彼はポジションを死守する上で、チームメイトのマックス・フェルスタッペンからサポートを得られると「確信している」と語った。

 今シーズン前半こそ勝利を挙げたペレスだが、シーズンが進むにつれて苦戦。チームメイトのフェルスタッペンが3年連続でのドライバーズタイトル獲得を決めた一方、ペレスはランキング2位を守るのも厳しい状況となりつつある。背後からは、メルセデスのルイス・ハミルトンが差を縮めており、メキシコシティGPを終えた段階では、その差は20ポイントまで詰まっている。

 レッドブルとしてはドライバーズランキングでの1-2独占を過去に達成したことはなく、ペレスにとってはランキング2位死守が至上命題となっている。

 フェルスタッペンは既にタイトル獲得を決めているため、チームとしてはペレスへのサポートを求めたいところだ。しかし昨年のサンパウロGPではフェルスタッペンがペレスのサポートを拒否し、ランキング2位を争っていたペレスはポイントを加算することができないというシーンもあった。これにより、レッドブル陣営内で緊張が走った。

 この一件は、その数ヵ月前のモナコGP予選でペレスがクラッシュしたことでポールポジション獲得を逃したことへの、フェルスタッペンなりの仕返しだったとも言われている。

 苦い過去があるものの、ペレスはフェルスタッペンとポジションを入れ替えることで加点が見込めるシナリオがあるならばサポートを得ることができると考えを語った。

 チームメイトの助けに期待しているか? との質問に対してペレスは次のように答えた。

「それについて僕らは考えていないけど、仮にそういう状況になったら、マックスからのサポートがあると確信している」

 一方で今回はペレスを援護するのか? と尋ねられたフェルスタッペンは、明確な答えを出さず、そうしたシナリオが起こらないことを願うと語った。

「結局は、ポイントを獲得するのが常に僕次第という訳ではないはずだ」とフェルスタッペンは言う。

「でもチェコ(ペレスの愛称)が(ハミルトンの)前で留まることができるという自信はある。僕らには平均して速いマシンがあるからね」

「去年もレース週末に入る前にはあまり話題にならなかったと思う」

「でも、そうならないことを祈ろう。その状況の方がみんなにとって良いと思う」

 なお、ペレスは母国戦となった前戦メキシコシティGP決勝で1周目にフェラーリのシャルル・ルクレールと接触してリタイア。ペレスが無得点に終わった一方で、ハミルトンがフェルスタッペンの後ろ2位でチェッカーを受けた。

 メキシコシティ決勝後の気持ちについてmotorsport.comがペレスに尋ねると、彼は次のように答えた。

「ああ、家に帰るのがとても辛かったよ」

「とても悲しい一日だった。もし接触していなかったら……と考えると、かなり堪えたよ。もう少しで上手くいくところだった」

「でも、すぐに僕は全力を尽くせたということに気づいた。首位を争い、賭けに出た。そして、それは報われなかった」

「でも、週末を通して全力を尽くしたんだから、前を向かなきゃいけない。ファンの応援は素晴らしかったし、チームはとてもサポートしてくれた。サンパウロに戻ってくる上で、それが支えになった」

 前述のように、シーズン中盤以降のペレスはフェルスタッペンに匹敵するパフォーマンスを発揮できず、次第にレッドブルのシートが危ぶまれているという噂が飛び交うようになった。ペレスが来季のシートを繋ぎ止めるためには、今季ランキング2位を死守することが重要だともされている。

 そうした状況の中ペレスは、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表や、モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコから全面的なサポートを受けてサンパウロGPに臨むと語った。

「間違いないよ。精神的にどれだけ強いのか、アスリートとしてどう考えるかを示す良い機会だと思う」

「こういう瞬間は常にあるものだけど、最も重要なのはそれをどう克服し、そこからどう立ち直るかということだ」

 なおサンパウロGPの予選ではフェルスタッペンがポールポジションを獲得。ペレスは黄旗の影響を受けてしまったこともあり、9番手に留まった。

出典: https://jp.motorsport.com/f1/news/perez-sure-hell-have-support-from-verstappen-in-f1-runner-up-battle-/10541999/
この記事を書いた人 Adam Cooper

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