
8月13日に行なわれたFIM アジアロードレース選手権第4戦インドネシアのレース中にクラッシュした埜口遥希(SDG MS Harc-Pro. Honda. Ph)が16日に亡くなった。18日にはモビリティリゾートもてぎで、全日本ロードレース選手権の参戦ライダー達が、逝去した埜口に黙祷を捧げた。
埜口は8月13日に行なわれた第4戦インドネシア決勝レース2の4ラップ目、ターン10で多重クラッシュに巻き込まれて負傷。サーキットのメディカルセンターで治療を受けた後、地元の病院へ搬送されていたが、16日に22歳の若さで帰らぬ人となった。
埜口は2019年から昭和電機の「世界を見据えた活動の一環」としてサポートを受け、2021年には全日本ロードレース選手権ST600クラスでチャンピオンを獲得。2022年からFIM アジアロードレース選手権への参戦を開始すると、同年の第2戦で初優勝を挙げてチャンピオン争いを繰り広げ、ランキング2位を獲得した。
2023年もアジアロードレース選手権に参戦し、開幕戦タイからダブルウィンを記録するなどランキング2番手につけていた。またつい先日、8月6日に行なわれた第44回鈴鹿8時間耐久ロードレースでは、怪我をしてしまった國井勇輝の代役として急遽のエントリーだったにもかかわらず、SDG Honda Racingの2位表彰台獲得に貢献するなど、期待の若手として才能を発揮した。
そして彼の死から間もない18日、モビリティリゾートもてぎにて、全日本ロードレース選手権のJSB1000クラスに参戦するライダーやチーム関係者がブリーフィング前に黙祷を捧げた。
午後3時10分、ブリーフィングルームにはJSB1000クラスの選手全員が集い、有限会社ハルク・プロの本田光太郎代表が挨拶した後、1分間の黙祷が捧げられた。
本田光太郎代表の挨拶は、以下の通りだ。
「みなさまお忙しい中お集まりいただきありがとうございました。先週のアジア選手権の事故で、一生懸命頑張っていたのですが、水曜日に遥希が残念ながら帰らぬ人となり、すごく辛く悔しい思いです」
「正直、遥希が天国に行ってしまったことは消化しきれておりませんが、レースは続きますし、やり続けないといけないと思っています。今回のレースも迷いましたが、レースを続けることが彼に報いることだと思っているので頑張り続けたいと思います。彼に気持ちが伝わればと思い、黙祷の時間をいただきました。よろしくお願いします」
なお今回のもてぎ戦はスーパーフォーミュラと併催する2&4レースとして開催されており、決勝日のタイムスケジュールが煩雑なことや、埜口が全日本時代に参戦していたクラスではないJSB1000のみの開催であるため、正式なセレモニーは全クラスが開催される次戦オートポリス(9月2~3日)で行なう方向で調整中となっている。
ADVERTISEMENT
ADVERTISEMENT