大事な愛車をきれいに保つうえで欠かせない『洗車』。
今回は、自宅や洗車場にて手洗い洗車をする際の洗車方法や洗車用品について紹介します。
普段はコイン洗車機やカーケア専門店、ガソリンスタンドで洗車をしている方も、ぜひ手洗い洗車のやり方や洗車道具の使い方を覚えて、愛車のコンディションをしっかり確認しつつ手洗い洗車をしてみてはいかがでしょうか。
目次
1.手洗い洗車の基本的なやり方と頻度
まずは、手洗い洗車の手順と洗車の頻度について紹介します。
正しい手順を踏んで洗車をすることで、汚れを効率的に落とし、洗車後の輝きをより際立たせることができます。
また、ボディの輝きをしっかり保つためにも、定期的に洗車をすることも大事なります。
●洗車のやり方
STEP.1 水で汚れを洗い流す
砂やほこりが付着した状態のボディをスポンジなどでこすってしまうと、傷をつけてしまうことになります。
そのリスクを避けるためにも、まずはボディについた砂やほこりなどの汚れを水で洗い流すことが重要です。
水をかける場所の順番ですが、基本的にはボディの上部から下に向かっていく順番で水洗いをすることで、汚れを効率的に下に流すことができます。
しかし、泥やブレーキダストによって最も汚れているホイールや足回りについては、水をかけた際に汚れがボディの他の部分に飛び散ってしまうことがあるので、最初に洗い流すことをおすすめします。
つまり、最初の水洗いの順番は、
- タイヤホイールなどの足回り
- ルーフ
- 窓ガラス
- ボンネット・トランク
- 残りの各パネルを上から下に向かって
で作業するとよいでしょう。
また、時間に余裕があれば、この工程を2回行うことで、1回目に落ち切らなかった汚れや飛び散ってしまった汚れを落とすことができます。
STEP.2 カーシャンプーを準備する
水洗いで落ちなかった汚れをカーシャンプーの泡を使って落としていきます。
カーシャンプーは商品によって使用方法が違うため、お使いのカーシャンプーのパッケージに記載されている使用方法を必ず確認してください。
カーシャンプーの使用方法は大きく分けて2つあります。
①水で希釈して使用するカーシャンプー
バケツの中にカーシャンプーを規定量入れ(商品によってキャップ何杯分などと記載)、水で薄めます。
その際、強めの勢いで水を入れるか、シャワーモードで水を入れ、しっかり泡立つようにしてあげましょう。
スポンジなどに水を含ませる際にも、しっかりスポンジを揉んであげることで泡立ちがよくなり、車体への摩擦を減らして傷をつけるリスクを減らすことができます。
②直接スポンジにとって使用するカーシャンプー
希釈せずにストレートで使用するカーシャンプーは、水垢取りや傷磨きなどのコンパウンド入りのカーシャンプーに多くなっています。
多くの商品は、濡れたスポンジにシャンプーを含ませ、揉んで泡を立ててからボディに刷り込むように洗っていきます。
STEP.3 タイヤやホイールを洗う
それでは、カーシャンプーを使って愛車を洗っていきますが、まずはタイヤやホイールなどの足回りになります。
最初の水洗い同様に、基本は上から下に向かって洗っていくのですが、最後に汚れが多い足回りを残してしまうと、汚れをたっぷり含んだ泡が洗い終わったボディについてしまうことがあるので、足回りを最初に洗うことをおすすめします。
また、以下の方法でより効果的に足回りの汚れを落としたり、ボディに足回りの汚れをもっていかないことをおすすめします。
①足回り用の洗車道具を使う
足回りを洗って汚れてしまったスポンジをそのままボディに使うのは、少し嫌ですよね。
場合によっては金属粉を含んだ汚れが残っていて、ボディを傷つけてしまうこともあります。
そのため、ホイールブラシなどの足回り専用の洗車道具を使うことをおすすめします。
ホイール専用のブラシであれば、普通のスポンジでは洗い辛いホイール裏側も楽に洗うことができます。
②すすぎ用のバケツを用意する
ボディを洗う時もそうですが、ボディの汚れを取ったスポンジをカーシャンプーが入ったバケツですすいでしまうと、汚れや砂がカーシャンプーに混ざり、その汚れや砂でボディを洗うことになります。
そのため、カーシャンプーが入ったバケツとは別に、汚れた洗車道具をすすぐための水バケツを用意しておきましょう。
足回りの洗車が終わったら、すすぎ用のバケツの水を入れ替えることで、きれいな状態でボディの洗車ができます。
③専用のクリーナーを使う
ホイールの汚れは頑固で、金属粉を含んだブレーキダストはカーシャンプーで落ち切らないこともあります。
そんなホイール特有の汚れに効くのが、ホイール専用のクリーナーになります。
より効果があって、効率的に汚れを落とすためにも専用のクリーナーを使ってみるのはいかがでしょうか。
STEP.4 ボディを洗う
ボディを洗っていく際は、スポンジなどにしっかり泡を含ませて、やさしくボディをなでるように丁寧に洗っていきましょう。
ボディのパネルことに洗っていき、パネル1枚分が終わったら水バケツでスポンジをすすぎ、カーシャンプーが入ったバケツで泡を含ませて次のパネルを洗っていきます。
ボディについた水分が乾いてしまうとシミの原因になるので、手早くシャンプーで洗いましょう。
ボディ全部が洗い終わったら、上部のルーフから水で泡を洗い流していきます。
洗剤成分や汚れを含んだ泡が残ってしまうとシミの原因になりますので、流しの無いように気を付けてください。
STEP.5 水分を拭き取る
水で洗い流し終わったら、ボディに残っている水滴をしっかりふき取らなければなりません。
自然乾燥や走行しながら水を落としてしまうと、水が蒸発した際に水に含まれたカルキやミネラル成分がボディ上に残ってしまい、イオンデポジット(白い水ジミ)になってしまいます。
せっかくキレイにしたはずの愛車がシミまみれにならないように、しっかり最後まで気を抜かずに拭き上げしましょう。
その際は、吸水性の高い拭き上げ用のタオルやマイクロファイバータオルの使用がおすすめです。
もし、ボディが濡れた状態でも施工できるコーティング剤を使う際には、コーティングを施工しながら水分を拭き取っていきましょう。
STEP.6 ワックス・コーティング
愛車のキレイな状態を保つために、洗車後の仕上げにワックスがけやコーティングを施工してみるのはいかがでしょうか。
ワックスは比較的安価に購入ができ、ボディに艶を出すことができます。
特に黒などの濃色であれば艶感が際立ちます。
しかし、耐久性は低く、紫外線や雨などで劣化や流れ落ちることがありますので、洗車をするごとに施工することをおすすめします。
また、ワックスが熱などで溶け出すとベタついて汚れが付きやすくなることもあります。
コーティングはフッ素コートやガラスコートなど種類があり、価格はワックスよりも高価であることが多いです。
しかし耐久性が強く、商品によってはフッ素コートであれば3~6カ月程度、専門店で施工するガラスコートであれば半年以上持つものもあります。
コーティングが残った状態であれば、汚れが付きにくく、汚れがついても水洗いで簡単に落ちやすくもなります。
●洗車の頻度
洗車の頻度は、天候や季節、環境によって変わってきますが、おおよそ1カ月に1回くらいのペースで洗車することをおすすめします。
洗車の頻度が増えれば、スポンジやブラシでボディを傷つける機会が増えてしまい、洗車の頻度が少ないと汚れやシミが塗装やコーティングにダメージを与えてしまいます。
しかし、春の花粉が多く飛ぶ時期、夏の雨と日差しが繰り返される時期、冬の融雪剤がある環境、樹木の近くに駐車している、線路や工場地帯の近くに駐車・走行しているなど、汚れが付きやすい環境の場合は、2週間ごとに洗車を早めるのもいいでしょう。
2.洗車で使用する道具
洗車に使う道具は、カー用品店はもちろんのこと、ホームセンターや100円ショップなど、さまざまなお店で取り扱っています。
効率よく、さらに愛車にダメージを与えないように洗車をするためにも、洗車道具をしっかり選ぶことも大事です。
そんな洗車に必要な道具を紹介します。
●必要な道具
・カーシャンプー
カーシャンプーは通常の洗浄成分が入ったベーシックなものから、よりボディにダメージを与えない泡立ちのいいもの、コーティング施行車向けのもの、水垢や鉄粉を取るコンパウンドが入ったものなど様々です。
通常の洗車時には泡立ちのいいカーシャンプーを使い、定期的に水垢取りや鉄粉取りの効果のあるカーシャンプーでメンテナンスをすることをおすすめします。
カーシャンプーの詳しい説明は、『洗車用洗剤を選ぶポイントは?種類や特徴と代用品で洗う際の注意点』で紹介していますので、こちらも参考にしてください。
自宅で洗車する際、ホースを使ってボディを水洗いすることになります。
ボディ全体にしっかり水を掛けられるように、ボディ1周分を回れるような長めのホースを準備しましょう。
洗車だけでなく、自宅の壁面やタイルの掃除にも使える高圧洗浄機があれば、水圧の調節ができるので洗車のすすぎがより効率がアップします。
また、カーシャンプーをバケツの中で泡立てるために、シャワーノズルを使って水をそそぐことで簡単に泡をつくることもできます。
・洗車用のスポンジ・ブラシ・グローブ
カーシャンプーでボディを洗う際に使用する道具は、スポンジのほかにもブラシやグローブなどの選択肢があります。
それぞれの道具のメリット・デメリットを紹介します。
①スポンジ
メリット
- シャンプーを泡立てしやすい
- 水分を多く含ませることができる
- 安価に購入ができる
デメリット
- 劣化した際にボロボロに崩れる
- 材質によってはスポンジの隙間に砂などの汚れが入り込みやすく、ボディへのダメージの原因になる
メリット
- ボディの凸凹面や隙間にブラシの毛先が入り、汚れを掻き出してくれる
- 長い毛先に砂などの汚れが入るので、ブラシについた砂がボディにあたりにくい
デメリット
- ブラシの材質・硬さによってはボディにダメージを与える
- 柄などの部分がボディに当たってキズをつけることがある

③グローブ
メリット
- 手のひらでボディを洗うので、感覚的に洗車がしやすい
- 力加減の調整がしやすい
デメリット
- グローブ表面に砂などの汚れが付着したままだとボディへのダメージの原因になる
- 使用後に乾きにくい

また、ボディ用の洗車道具とは別に、ホイール用の洗車道具を分けて使うことで、汚れが多いホイールを洗った状態でボディを洗うこと避けることができます。
・バケツ
洗車をする際に使うバケツですが、容量が大きめのものを使うことをおすすめします。
これには理由が2つあります。
1つ目は、水をたくさん入れられることで、汚れたスポンジなどを洗う際に汚れを分散できることと、砂をしっかり沈殿させられることができます。
2つ目は、洗車道具をバケツに入れられることで、持ち運びや収納に役立つからです。
その他にも、前述のとおりカーシャンプー用のバケツとすすぎ用のバケツを分けるために、バケツは2つ準備することをおすすめします。

・拭き上げ用クロス
カーシャンプーを水で流し終わった後に重要なのが拭き上げです。
これを怠ってしまうと、前述のとおりボディに水ジミが残ってしまい、せっかく手間をかけた洗車が水の泡になってしまいます。
ボディに残った水分の拭き上げにはタオルを使用すると思いますが、広いボディ表面を効率よく短時間で作業できるように、吸水性のよい大きな拭き上げ用クロスを準備しておきましょう。
拭き上げクロスであれば何度も往復して水分を取り除く必要が無く、1回でボディ表面の水分を取り除くことができます。
また、ボディ拭き上げ用とは別に、ホイール用の拭き上げタオル(こちらは大きなものでなくても大丈夫です)を準備しておくことで、ホイールの汚れでボディを汚すことを避けられます。

●あると便利なもの
・ワックスやコーティング剤
ワックスやコーティング剤はボディ表面に膜をつくり、水や汚れの付着を防ぐ効果や、ボディの輝きを出す効果があります。
中には、ボディ表面に水滴が残った状態で使用できる、施工が手軽なコーティング剤もあります。
ワックスとコーティングのメリット・デメリットは以下のとおりです。
①ワックス
メリット
- 比較的安価に購入ができる
- ボディに深みのある艶を出すことができる(特に黒などの濃色系のボディ色)
デメリット
- 耐久性が低く、紫外線や熱、雨などで溶け出しやすい
- 油分を含んでいるので、雨が降った際に窓ガラスに付着してぎらつくことがある

②コーティング剤
メリット
- 耐久性が強く、効果が長持ちする商品が多い
- 紫外線からボディ塗装面を守ることが期待できる
デメリット
- ワックスと比較して高価
- より強固なコーティングになると、カーケア専門店での施工が必要となる

・ディテーリングブラシ
ボディの大まかな面はスポンジなどで汚れを落とすことができますが、ミラーやドアノブの隙間やエンブレム付近などの細かい部分の汚れは取りきることができず、年数を重ねることで蓄積されてしまいます。
そのような細かい部分の掃除に最適なのがディテーリングブラシになります。
パーツとパーツの隙間や、エンブレムの文字部分などの細かい部分にもブラシが届き、汚れを落とすことができます。
SUVやミニバンなどの背が高いクルマを洗車する際に、ルーフなどに手が届かないことが多いと思います。
ルーフの隅々まで洗車できるように脚立があると便利です。
また、脚立までは必要がないという方は、ふたの上に乗れる洗車用バケツもあるので、そちらもご検討ください。

・長靴やゴム手袋
洗車をする際、ホースから出た水や水たまりなどで足元が濡れないように、防水の長靴があると便利です。
また、洗車用の溶剤には肌にダメージを与えるものもありますので、長めのゴム手袋をつけて洗車することをおすすめします。
ゴム手袋であれば寒い時期の洗車でも、冷たい水からの刺激を抑えることができます。
3.洗車のコツ
最後に洗車をする際のコツを紹介します。
同じ洗車の手順・洗車道具を使っても、コツを知っていると知らないでは仕上がりに大きな差が出てくることもありますので、ぜひチェックして実践しましょう。
✔洗車は曇りの日に行うと良い
洗車をする時は風のない曇りの日がいいです。
これは、カーシャンプーで洗っている最中や拭き上げをしている際に、ボディ表面の水分が日差しや風で蒸発して乾いてしまうことで、水ジミとして跡が残ってしまい、落としにくい汚れとなってしまいます。
どうしても晴れた日の日中に洗車をする際には、日陰での洗車、日の当たる側のボディを先に拭き上げる、こまめに水をかけて蒸発を防ぐなどの対応をするといいでしょう。
夜間に洗車をする場合は、暗くて汚れやすすぎ残しを見逃してしまうことや、洗車場が時間帯や冬場の凍結防止で閉鎖していることもありますのでご注意ください。
✔洗車作業は素早く行う
これも水ジミを防ぐための対策になります。
日が当たらない中での洗車でも、のんびり洗車をして放置してしまうことでボディ表面の水分が乾いてしまいます。
洗車は汚れの見落としをしないように気をつけつつ、素早く作業しましょう。
✔汚れに合った洗浄剤を使う
車に付着している汚れはすべて同じものではなく、汚れの種類によって効果のある洗浄剤が異なってきます。
油分を含んだ油汚れや黄砂などの酸性の汚れにはアルカリ性の洗浄剤、鉄粉やブレーキダスト、黄砂などの無機物の汚れは酸性の洗浄剤など、液性を把握しておくだけでも汚れを落とすのに必要な洗浄剤がわかります。
より効果的に汚れを落として、愛車を輝かせるために、汚れに合った洗浄剤を使用しましょう。
- 水垢汚れ:水垢取りカーシャンプー、水垢取りクリーナー(スプレータイプのものなど)
- 鉄粉:鉄粉取りシャンプー、鉄粉取りクリーナー(スプレータイプ、粘土タイプなど)
- ホイール:ホイールクリーナー、鉄粉取りクリーナー
✔ボディ表面以外の水滴も拭き取る
隙間に水滴が残った状態だと、走行中に隙間からボディ表面に水滴が流れ、水ジミとなってしまう可能性があります。
こういった箇所は、洗車で落としきれなかった汚れを含んだ水滴が残っているので、水ジミだけでなく、水垢の原因にもなります。
ボディ表面だけでなく、ドアを開けたところやガソリン給油口の周りなどの見えないところに残った水滴もしっかり拭き取りましょう。
✔車内も掃除するチャンス
洗車はボディをキレイにするだけでなく、車内をキレイにするチャンスです。
車内で使えるバッテリー式や車内のシガーソケットで使える掃除機で、足元やシートのゴミを取り除いて、もっと気持ちよくなってみてはいかがでしょうか。
コイン洗車場やガソリンスタンドのセルフ洗車場によっては、コイン式の掃除機やフロアマットの洗浄機などの設備もありますので、そちらもぜひ利用してみましょう。
4.手洗い洗車で愛車をより輝かせよう
手洗い洗車をするとなると時間や手間、道具をそろえる費用などがかかり、気軽にできるガソリンスタンドなどの機械洗車で済ませてしまうこともあると思います。
機械式洗車は手軽に行える一方で、頑固な汚れやブラシが当たらない場所の汚れが落ちにくかったり、ワックスやコーティングの効果に満足できないなどの物足りなさや、回転するブラシによる洗車傷のリスクもあります。
また、輸入車の利用をお断りしている機械式洗車機もあります。
手洗い洗車は、手間はかかりますが愛車をより輝かせることのできるメンテナンスです。
手洗い洗車をすることで愛車により一層の愛着がわき、しっかりメンテナンスをすることを心がけるようになれば、手放すことになった際の売却額が上がることにもつながります。
また、間近でボディを見ながら洗車をすることで、今まで気づかなかったキズや不具合にも気づくこともできます。
皆さんもこの記事を参考にし、愛車を輝かせる手洗い洗車をぜひやってみましょう!