リサイクルとはちょっと異なる“アップサイクル”とは?
世界中で広がりを見せているSDGsの理念の元、最近認知度が高まっている“アップサイクル”という言葉。一度資源を素材に戻して新たな製品を生み出すリサイクルとは少々異なり、使われなくなった製品を作り替えて別の製品を作り出すことで、新たな価値を生み出そうという試みなのだ。そんなアップサイクル商品が、自動車業界でも徐々に広がりを見せている。
素材をそのまま活かした作りでクルマ好きにはたまらない逸品
すぐには理解不能な略語やカタカナ文字が氾濫する現代社会。たとえば「SDGs」という略語は世間一般に広く浸透しているが、その意味である“持続可能な開発目標”といわれると、何のことかよく分からなくなることも確か。要は昔から言われている「限りある資源を大切にしよう」ということなのだが、そのひとつとして最近注目されているのが“アップサイクル製品”。ペットボトルからフリース生地を作るような、一度資源を素材に戻すリサイクル製品と混同しがちだが、アップサイクル製品は少々異なり、使われなくなった製品の素材をそのまま活かして別の製品を作り出すというものなのだ。
自動車業界でもその流れは徐々に浸透してきており、最近特に力を入れているのが、純正シートなどを生産している『トヨタ紡織』だ。愛知県の家具メーカー『コトブキ工芸』とのコラボレーションにより生まれたのが、自動車用シートカバー表皮材を使用したクッションやスツールである。

使用済みの横断幕を利用したトートバッグまで登場
また、バッグメーカーの『モンドデザイン』と国内唯一のパラシュートメーカー『藤倉航装』とのコラボにより誕生したのが、パラシュート生地や廃棄されたタイヤチューブを活用したボストンバッグだ。ほかにもトートバッグ専門ブランド『ルートート』と『首都高速道路サービス』とのコラボでは、高速道路上で役目を終えた横断幕を活用したトートバッグが生まれている。いずれも元の素材の模様や感触をそのまま活かしているので、クルマ好きにとってはまさに魅力的な逸品に仕上がっているのだ。もちろん社会貢献にもつながるので、アップサイクル製品をもっと応援しよう。



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