本稿は前編に引き続き、シュアラスターラボの責任者である平野 勝一氏に普段の洗車や、シュアラスター製品の使い方のコツ・ノウハウについて詳しく伺い、読者の皆様に洗車のコツを紹介する。
・前編: プロに学ぶ、洗車のコツ!シュアラスター ラボに行ってみた【前編~洗浄・拭き上げ編~】
・後編: [本稿]プロに学ぶ、洗車のコツ!シュアラスター ラボに行ってみた【後編~ボディ下地処理・仕上げ編~】
今回の内容は、以下の通りだ。
目次【後編】
1.ボディの下地処理
前編では平野氏に使用するケミカルの説明や、足回り・ボディの洗浄、その後の拭き上げのコツなどをご説明頂いた。
「それではボディの状態を見てみましょう。」
そう言って平野氏は手にした薄いフィルムでボディをなでる。
「少しザラザラしていますね、これが鉄粉です。」
肉眼では目視しにくいものの、確かにフィルム越しにボディをなでるとザラザラとした感触が手に伝わる。素手だと気づきにくいのでこういったフィルムやセロファンを利用して確かめると良いとのこと。
「通常の洗車では取り除けない汚れの一つです。除去するには『シュアラスター ネンドクリーナー』を使用します。」
「まずはネンドが柔らかくなるまで練りこみ、手のひらサイズに広げます。」
このネンドクリーナー、触ってみるとこれが結構硬い。特に冬は硬くなりがちなので、温めてから練ると良いとのこと。柔らかくすると扱いやすいがボディに貼り付いてしまって油分がボディに残るトラブルの原因になるとの事で、シュアラスターとしてはこの硬さがベストバランスとのこと。
「これくらいの大きさ・厚みにして使います。」
「使用するときは『シュアラスター ネンドスムーサー』を使うと便利です。水を使わずに施工できますし、潤滑性能が優れているので塗装面への貼りつきを防ぎ、傷もつきにくくなります。」
目安としては30cm四方に5プッシュ程度をスプレーするとの事だが、すこし多めにスプレーした方が作業性がよさそうだ。ネンドスムーサーはボディへの刺激が低い処方なので、使用後も乾いたクロスで拭き上げるだけで良いそうだ。
「ネンドクリーナーは力を入れないで、ネンドの自重を使ってそっと滑らせます。タテタテ、ヨコヨコ、と滑らせていきます。」
この時30cm四方など、あらかじめ施工面を決めてから使用すると良いとのこと。欲張ってボンネット全体などを施工すると磨き残してしまいやすいという。
「水気が足りないと思ったら適宜ネンドスムーサーを足してください」
とにかく潤滑が大切で、施工中に対象が乾燥するのを防ぐのがコツとのこと。
ここでもゆっくりと丁寧に、を意識して施工してゆく。ボンネットへの施工が完了してネンドクリーナーを持ち上げると洗車では落とし切れない汚れがネンドクリーナーに付着していた。
「この車は少ない方ですが、もっと汚れが取れるケースもあります。車の保管場所や走行シーンによって汚れ具合は異なってきます。」
「次はこちらで下地を整えてゆきます。」
続いて平野氏が取り出したのは『シュアラスター スピリットクリーナーライト』だ。ボディに付着した水アカや劣化した塗料分などを、塗装に優しいクリーニング作用で落としてくれる。塗装色によって『ホワイト・淡色車用』と『ブラック・濃色車用』の2種類をラインアップしている。
「ちょうど500円玉くらいをイメージして液剤をスポンジに取ります。」
この量が絶妙で、少ないとキズの原因となるし、多すぎてもふき取りが大変だったり、十分なクリーニング効果が得られなかったりする。
「30cm四方にポンポンポン、と9個くらいスポンジを置くイメージです」
ネンドクリーナーと同様、あらかじめ施工範囲を決めてから作業を開始するのが効率的で良いとの事。タテタテ・ヨコヨコと軽い力で磨きこんでゆく。
「磨き作業が完了したら、マイクロファイバータオルなどで拭きとります。」
非常に伸びやすく、拭きとりやすいので施工性は抜群。またコンパウンドでありがちな粉っぽさも少ない。仕上がったボディを触ってみると施工前とは全く異なり、茹でたタマゴのようなツルツルボディに仕上がっていた。
2.ワックスがけ
「今回は固形ワックスを使用しましょう。当社のロングセラー『マンハッタンゴールド ワックスJr.』です。」
シュアラスターで最も知名度があるといっても過言ではない『マンハッタンゴールド』。世界で最も上質とされるブラジル産のカルナバロウを高度な技術でブレンドし、別格の仕上がりを得る事が出来るという事で、長年のファンも多い。
「まず付属のスポンジを水で濡らし、軽く絞ります。絞ったスポンジでワックスを適量取るのですが、ワックスに置いてから1/4程度回転させる程度で十分です。
シュアラスターのワックスは高品質で伸びも良いため、少量でも十分に効果が得られるという。
「ワックスのほかに専用の拭き上げクロスがあると仕上がりが良くなります。『ワックス拭き取りクロス』と『鏡面仕上げクロス』です。」
「ワックスは力を入れずに塗り伸ばします。ルーフやボンネット、トランクなどパネルごとに作業すると綺麗に仕上がります。」
エンブレムや鍵穴など、ボディの細部やパネルの隙間付近にはワックスを塗布せず、拭き取りの際にワックス成分を伸ばすようにして磨くとキレイに仕上がるとのこと。
「ここでもポン、ポン、ポンとワックスをボディに置いてから塗り伸ばすと施工がしやすいです。」
「乾き始めたらクロスで拭き取ります。完全乾燥はさせないでください。」
ワックスというと乾いた状態で使用し、さらに完全に乾燥させてから拭き取るというイメージをお持ちの読者も多いのではないだろうか。実は塗ったまま放置すると拭き取りが困難になるだけでなく、シミや色ムラ、またボディへの傷付きの原因ともなるので避けるべき行為だそうだ。
3.ホイールコーティング・タイヤワックス
「足回りの仕上げに移りましょう。」
ボディの仕上げが完了したら、ホイールとタイヤを仕上げる。ここで使用するのは『ホイールコーティング』だ。容器を良く振りホイール全体に均一に噴霧し、液剤が乾かないうちに付属のクロスで薄く塗り伸ばし、拭き取る。今回デモンストレーションした車は塗装仕上げのアルミホイールだったが、メッキ仕上げやスチールホイールにも使用が可能とのこと。
「タイヤワックスもあまり液剤をベッタリとつけず、これくらいの量が良いかと思います。」
使用するのはシュアラスターの『タイヤワックス』だ。タイヤワックスというと油性の靴墨のようなものを連想する読者も居るかもしれないが、シュアラスターのタイヤワックスはシリコーンオイルを使用したタイヤに害のない優しい処方のもの。液ダレしにくい乳液状の塗り込みタイプで、ボディやホイールへ飛び散る心配も少ない。
「タイヤワックスは上からではなく、下から塗り込むと良いでしょう。上から塗り込むと、液ダレしてしまった時にホイールを汚してしまいますので。付属のスポンジはリムガード部など、細かい場所にも塗り込みやすい形状となっています。」
4.終わりに
「本日は、当社で普段行っている『カーウォッシュマイスター』というイベントよりも詳しく洗車の手順や、当社製品の使い方についてご説明させて頂きました。」
同社では、正しい洗車を学ぶ『カーウォッシュマイスター』というイベントを全国のオートバックスなどで開催し、洗車の啓蒙活動を行っている。また、東京都・品川区の『カーウォッシュ大井』では毎週木曜~土曜、専任のスタッフが洗車の悩みを聞き、解消するイベントも行っているとのこと。
「イベントではお客様より、“洗車はするけどワックスやコーティング剤までは・・・”という方や、“コーティング剤は使うけど、下地作りはしたことがなくて、仕上がりがムラになる・・・”といったご相談を頂戴します。たくさんの使いやすい、良い仕上がりを得られる商品をラインナップしておりますので、ぜひ皆様に知って頂きたいと思っています。」
今後、シュアラスターでは『カーウォッシュマイスター』に続くイベントとして、『洗車コンシェルジュ』という洗車・クルマの悩みを解決していくインタラクティブなイベントの開催も計画しているとのこと。今後も素晴らしい商品を開発し、楽しいイベントを開催してくれるであろう同社から目が離せない。
シュアラスターラボは、半世紀以上にわたりワックスをはじめカーケア用品の品質を追求し続けてきたシュアラスターが、最高品質のカーディテイリングサービスを提案するプライベートガレージ。
ラボで培った品質はオリジナルの製品としてもフィードバックされている。SurLuster Lab(シュアラスターラボ)
住所:神奈川県横浜市中区山下町25-15メットライフ山下町ビル1F
電話:0120-893-128
メール:lab@surluster.co.jp
営業時間:9:00 – 17:00
定休日:土・日・祝
プロに学ぶ、洗車のコツ!シュアラスター ラボに行ってみた【前編~洗浄・拭き上げ編~】