2023.10.5

走行距離4000km超!夏の走り込みジャーナル【ロングドライブ読み切りレポート】7泊8日・予算10万円の北海道行脚

大人になるとなかなかできない!丸々1週間、走り漬け!!

 長期に渡る充実のドライブ旅といえば、今なら突き詰めればキャンピングカーになるだろう。けれど最大の目的がドライブそのものとなれば話は別。走りに充実感が欲しいなら、重装備はむしろ足かせになる。

 だからこそ、車中泊の装備はそこそこに、何より走行過程を最重視する走り込みの旅にチャレンジしてみようというのが今回のテーマだ。

 実は昨年に引き続き、二度目のチャレンジでもある。選んだ地は今回も北海道。乗り物泊をテーマにした昨年の特集では、フェリー泊を味わうために新潟そして大洗を経由する長距離航路を使ったが、今回は愛車での走り込みをテーマにしたため、本州内の自走を前提に、フェリー航路は青森・函館間の最短ルートをたどった。

 時期は昨年と変わらず、日本列島が梅雨入りする時期を狙う。繁忙期を避けられるので費用はも安く済むし、何より夏至時期だけに1日が長い。日の出と共に出発し、日の入りに合わせて野営地に到着する、中継地では寝るだけの走りっぱなしの北海道行脚だ。

 道内ルートは、海岸線に沿って反時計回りに周回した昨年と違い、今年は内陸に踏み込みながら逆周りにて周回する。起伏に富んだルートはバリエーションに富み、走り込みのテーマにばっちりだ。

 そして今回も、道内の移動は高速道路を一切使わず、下道だけの縛りを設けた。それでも繁華街を避けたルートをとると、ほとんど信号にかち合わず、平均速度も高くなる。

 結果、1日の走行距離平均は400キロを優に超え、平均500キロに近づくところまでマイレージを稼ぐことができた。6日の道内移動で、総走行距離は3000キロ弱、東京起点の総走行距離は4000キロを優に超える。短期のドライブ距離では、生涯最高記録の達成だ。

 これだけ走れば、毎日もうイヤというほどに走れ、夜もぐっすり。それでも朝を迎えるともうワクワクしてくる。こんな経験、大人になるとそうそうない。


基本的にはノーストップで走り続ける行程といっても、思わずクルマを停めたくなるロケーションは往々にして現れる。とりわけ北海道のロケーションは壮大な光景が映える! 道に木々に、海に高台にと、いずれもその背景は圧倒的で、愛車を絡めたスナップショットも増える一方!! 



運転席から見る車窓越しの景色以外にも、クルマから降りてふと視点を変えれば見え方が違う。幸いにして晴天続きだった今回の旅路では青空の色も刻々と変わり、新緑のみならず海の色も緑掛かって得も言われぬグラーデーション。色彩の豊かさも魅力のひとつだ。 


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金を掛けないからこそ走りの旅はよりピュアになる!?

 走り込みという今回のテーマを明確にするために、予算10万円という縛りをあえて設けた今回の旅。こうすると、車中泊は必須になる。繁忙期こそ避けられているとはいえ、最近の宿代は高い。一人旅でも泊まり掛けで行こうと思えば、ビジネスホテルでも1泊1万円が相場。往復の高速代とフェリー代に燃料代だけを加えれば、これだけで7万円を占める。そうなると、連日は難しくても車中泊は必須というわけだ。

 幸い、1日中走りっぱなしであとは寝るだけの強行群。風呂に入れさえすれば、あとは寝られればそれでいい。日々充実の走り込みで、そうじゃなくてもバタンQだ。

 6月とはいえ、この時期の北海道は朝晩の寒暖さが大きいが、熱帯夜で苦しむよりだいぶいい。就寝時は毛布を掛けて寝るぐらいがちょうどよく、これがまた塩梅がよかった。

 さすが連日の車中泊ともなると体調は落ちるが、これまた想定通り。それぐらい、朝の冷え込みは身体の負担も大きい。だからこそ無理はせず、合間に宿を利用した。帯広そして札幌と、選択肢が多い大都市では費用もまた抑えられる。むしろ遠方地こそ、宿そのものが少ないだけに費用は抑えづらい。

 その分、都市圏を離れた地では、延々と道を往く。北海道の原野を突っ切るルートは信号などほとんどなく、走っても走っても終わりはない。さすがに疲れた時は、道ばたの駐車場で仮眠をする。窓を空けて風を通せば、交通量が少ない道路からは騒音も届かず、無音が続く。これだけでも得がたい経験だ。

 それでも、連日走り続けの強行軍ともなると、旅の終盤にはそろそろお腹いっぱいになってくる。日々願っていた「延々と走り続けたい」という欲望も、今回の旅路でだいぶ収まった。1年に1度ぐらいがちょうどいいのかもしれない。

 片道4時間あまりのフェリーは仮眠にもなり、北海道から本州はすぐ。野を越え山を越えて道内を走り続けた身からすれば、青森から東京までの700kmの道程も、高速移動であっと言うまでもある。むしろ、東京につく頃には道内の運転が早速恋しくもなった。


車中泊を前提にしたRVパークの利用が理想ではあるけれど、ルートと近辺にないこともある。そんな時は車中泊可能をうたう道の駅がちょうどよく点在するのが北海道の強み。それでも年を経るごとにRVパークは増えた印象で、選択肢はより充実していると言えそうだ。 



前席は起こしたまま、後席をフラット化できる近頃のクルマは、食事・風呂後のくつろぎタイムを前席で過ごし、眠くなったら後席に移ってすぐ就寝と、実に快適。それ用として慣れてしまえば、一人だけの居住空間としても十分。適温維持はややネックながら、保温も兼ねるシェードを利用すれば随分と違う。

 


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この記事を書いた人 カーグッズマガジン編集部

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