どれだけクルマが進化しても電気の基本は今も昔も同じ
複雑で難解なイメージの多いクルマの電装DIYだが、実際にはそれほど難しくなく、ピンポイントで重要な部分だけ注意していれば、初心者でも気軽に挑戦できるのだ。最近ではクルマも進化して、ディスプレイオーディオや液晶タッチパネルによる集中コントロールなど、コンピュータ制御が増えることでさらにブラックボックス化。それこそルームランプひとつ交換するだけでも、コンピュータが故障と判断してしまうこともある。しかし、どれだけコンピュータ制御が増えても、電気の基本は根本的には変わらない。
まずは小学校で習ったはずの電気の基本をクルマに置き換えてみよう。車載バッテリーが乾電池、ヘッドライトが豆電球、ライトスイッチはそのままスイッチ。そう、プラスとマイナスの電極を豆電球につなげれば点灯するという回路図はまったく一緒なのだ。HIDやLEDも基本的には同様で、電圧や電流を変換したり制御するコントロールボックスが追加されている以外、大きな違いはないのだ。
ショートや断線に注意しながら実際に電気を取り出してみよう
クルマの配線からは様々な電気を引き出すことができるのだが、どこにどんな電気が流れているのか? 電装DIY初心者にとって、最初の大きなハードルだ。車種やグレードによっても異なることがあり、昔は車種ごとのサービスマニュアルを入手するかディーラーや専門ショップで確認するなど、方法も限られていた。しかし現在ではネット検索という超便利なツールがあるので、車種や型式などで調べれば、比較的簡単に入手できる。情報が正確でお勧めはカーオーディオメーカーや各種電装機器メーカーのホームページだが、みんカラなどクルマ専門のSNSからは、特定車種丸ごとの情報を入手できることもある。
またある程度知識があれば、ネット検索をしなくても、アクセサリーや常時など様々な電源を自力で引き出すことも可能だ。そのポイントとなるのがヒューズボックスとオーディオ接続端子。ここには電装機器に必要な電源線や信号線が集約されており、まさに電装DIYの宝庫。この作業時に重宝するのがテスターだ。電気の通電のみを確認できる検電テスターだけでもある程度こなせるが、電圧や抵抗値なども確認できるサーキットテスターを用意しておけば、さらに便利で確実だ。



電装機器を追加するたびに増える配線をどのように処理するのか?
ドライブレコーダーやレーダー探知機など後付けの電装機器が増えてくると、ダッシュボード周りがとても華やかになるが、それと同時に配線も賑やかになってしまいがち。この余分な配線をどのように処理するのか? 実はDIY施工者の技術レベルが一目で分かる、ひとつの指標にもなっているのだ。基本的には余分な配線ケーブルを切断して短くすれば、かなりスッキリするのだが、たとえばカメラケーブルの配線など切断できない配線ケーブルの配線処理はどのようにすればいいのか?

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より美しく電装DIYを究めるには整理整頓された後付け配線がポイント
キレイに丸めるなどまとめ方も大切なポイントだが、まとめる場所が実は重要なのだ。たとえばドライブレコーダーのリヤカメラの配線の場合、ケーブルの終点に近いフロント側の天井カバー内側でまとめがちだが、それでは配線が集中してしまう。そこでリヤカメラ側でもある程度ケーブルをまとめて、フロント側と分散させるといずれもコンパクトにまとめられるのだ。また、既存の純正ハーネスが近くを通っていれば、そこに後付け配線をまとめて這わせていけばかなりスッキリする。このようにちょっとした工夫で、配線が目立たなくなる方法はいくつもあるのだ。さらに配線止め金具の使い方も重要なポイント。ひとつの金具に配線をいっぱいまとめるのではなく、適量な本数に分散させること。また貼り付け数が足らないと配線がダランと落ちてしまうので、ケチらず金具を増やして取り付けよう。
配線の整理は見た目がキレイになるだけでなく、後のメンテがしやすくなり、ショートや断線事故を未然に防ぐ効果もある。マネできるところがあればぜひ実践してみよう。

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