
パラスノーボードにはどんな選手が参加するのか?

【SB-UL (Upper Limb)】
上肢(腕)に障がいのある選手。片腕または両腕に障がいがあります。
バランスを取るのが難しくなりますが、巧みな体幹で滑り抜けます。
【SB-LL1 (Lower Limb 1)】
下肢(足)に重度の障がいがある選手。例えば、膝より上で足を切断している場合や、両足に大きな障がいがある場合などです。専用の義足や装具を装着して滑ります。
【SB-LL2 (Lower Limb 2)】
下肢(足)に軽度の障がいがある選手。例えば、膝より下で足を切断している場合や、片足の筋力に障がいがある場合などです。こちらも義足や装具を使用することが多いですが、LL1の選手よりは障がいの程度が軽いクラスです。
どんな種目があるのか?

【スノーボードクロス (Snowboard Cross)】
「雪上の格闘技」とも呼ばれる、最もスリリングな種目です。複数の選手(通常4人)が同時にスタートし、バンク(壁のようなカーブ)、ウェーブ(波状の凹凸)、ジャンプ台などが設置されたコースで着順を競います。選手同士の駆け引きや接触もあり、最後まで誰が勝つか分からない展開が魅力です。
【バンクドスラローム (Banked Slalom)】
旗門(ゲート)が設置された、壁状のカーブ(バンク)が連続するコースを滑ります。選手は一人ずつ滑走し、そのタイムを競います。いかにスムーズなライン取りで、減速せずに滑り抜けられるかという、選手の純粋な滑走技術が試される種目です。
「市川 貴仁」独占インタビュー

パラスノーボーダー「市川 貴仁」
交通事故で義足となった市川選手。友人に「下手」と言われた悔しさからスノーボードに打ち込み、世界選手権5位に。
【ポジション/クラス】
SB-LL2
【主な成績】
2022
WPSS世界パラスキー世界選手権大会(ノルウェー)
スノーボードクロス 5位
バンクドスラローム 7位
冬季世界大会成績
2022
北京 世界大会
男子スノーボードクロス(SB-LL2) 5位
男子バンクドスラローム(SB-LL2) 8位
Q. パラスノーボードを始めたきっかけは何ですか?
from 市川選手
障がい者スノーボード選手権に出場した時、義足で自分より格段に上手い選手がいたんです。その人に負けたのが本当に悔しくて、「誰よりも上手くなりたい!」と強く思ったのがきっかけで、この世界にハマりました。
Q. パラスノーボードの魅力はどこにありますか?
from 市川選手
足がなくても、スノーボードを使えば走る以上のスピードが出せる爽快感ですね。そして、広大な雪の上を自由に移動できる開放感も最高です!
Q. 日々、競技に取り組む原動力は何ですか?
from 市川選手
一番は「自分より上手い選手がいる」ということです。その人たちに勝ちたい、もっと上手くなりたいという気持ちが、今も続けられている大きな理由です。また、今では本当に多くの人たちに支えられて活動できています。その方々に「世界一」という結果で恩返しをしたいという気持ちも、大きな力になっています。
Q. これからの目標を教えてください。
from 市川選手
もちろん「世界一」になること、それだけです。
その先には、義足の自分ですが「健常者を含めて誰よりもスノーボードが上手い存在になる」という密かな目標もあります。
Q. これからパラスノーボードに挑戦したい人へアドバイスをお願いします。
from 市川選手
「目指す」と気負わずに、まずは気軽にスノーボードを始めてみてください。板に乗って滑り出した時の、あの爽快感をぜひ一度味わってほしいです!怖さもあると思いますが、最初は緩やかなバーン(ゲレンデ)を選べば大丈夫。障害があっても感じられる喜び、自由さ、そして最高の気持ちよさを、ぜひ体感してみてください!
「市川 貴仁」映像で語るパラスノーボードの魅力
SURF&SNOW 編集部
日本最大級のスキー場・積雪情報サイト「SURF&SNOW」のスタッフが、ウィンタースポーツを遊び倒している経験を元に、ウィンタースポーツ愛好者に役立つ情報やおすすめの情報を自信をもってご紹介します。
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