1 運転中に聴くかどうかはともかくとしても、音楽を聴くこと自体が嫌いな人は少数派ではないかと思われます。 まずは、運転中ではなく、自宅などで音楽を聴くことから考えてみます。 自分を振り返ってみると、昔は自宅で集中して没入的に音楽を聴くことが多かったのに対し、歳をとるにつれて「ながら聴き」へとスタイルが変わってきました。 理由としては、若い頃は時間が自由に使いやすかったこと、老化とともに集中力が落ちてきていること、などが考えられます。 私はクラシック音楽を好んで聴くことが多いのですが、たとえばベートーヴェンの後期弦楽四重奏のような、ひどく集中力を要求されるような曲は、だんだん再生する機会も減ってきたように思います。 コンサートへもここ20年ほど足が遠のいてしまっています。 車を運転しながら音楽を聴く行為も「ながら聴き」の典型で、音楽へ集中していては事故につながるので、かなり表面的な聴き方になっていることでしょうし、そういう聴き方に適した曲を自然と選びがちなのかもしれません。
2 サブスク全盛の現在、自宅でQobuzを楽しむことも増えましたが、車内でもQobuzでハイレゾをストリーム再生というのは通信量の問題からちょっと難しいかと思いますし、しょせんは「ながら聴き」なので、そこまで良い音にこだわる必要性もないでしょう。 中古車のCR-Xを入手した時、純正オプションのカセットデッキがついていたのですが、これについては壊れている旨、事前に説明を受けました。 古い車なので電装品が壊れていても仕方なく、社外の1DINヘッドユニットへ買い替えることもできますが、コンソールの中で社外品がピカピカ光ったりして浮くのも嫌だったので、Bluetooth接続のポータブルスピーカーを持ち込むことでカーステレオの代用とすることにしました。 写真のスピーカーはBang & OlufsenのBeosound A1 2nd Gen(と付属の充電用USBケーブル)で、このジャンルの製品はいわゆるブーミーなものが多い中、実店舗で比較試聴して不自然に低音をブーストせず、かつ防水仕様という理由で選び、3万円台後半で購入しました。 (車内ではあまりボリュームを上げませんが)小型の割に鳴りっぷりよく、比較的素直な音です。 昨年、3rd Genへモデルチェンジして、低音が少し増強され、価格はほぼ倍になったようです(新型については私は未聴のため評価保留)。 Bluetooth接続の小型のスピーカーでも十分楽しめるのは、まさに「ながら聴き」だからなのかもしれません。
3 車内の静かさが求められる車ならともかく、スポーツカーやスポーティな車の場合、ロードノイズや排気音も味のうちですし、タイプRのようにスピーカーでさらに演出する車もあります。 CR-Xのような古い車ではさらにボディが軋む音さえしますが、それさえも古い車の味わいのうちです。 そういった車の味や個性を音楽が消してしまってはつまらないですし、むしろ音楽を楽しむことを優先したいなら、車内が静かな車を選択するべきでしょう(高級車でなくても、今時はミドルクラス以下でも吸音材を奢っていたりするケースがあるので、探せば安くて静かな「出物」が見つかるかもしれません)。 そう考えてくると、自宅で聴く場合の「環境を整えてできるだけ良い音で」という方向性とは別のアプローチをした方が、むしろ私には合っているのかもしれません。 隣の部屋から漏れ聞こえてくるラジオのように、時折、車の音に遮られながらも、音楽は確かになっている、それくらいの方が私にはちょうど良いのかもしれません。 そして、やはり、そういう聴き方に適した曲を自然と選びがちなのかもしれません。 耳馴染んだ曲、演奏をついつい何度も手に取ってしまうのは、そういうことなのでしょうか。










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