●はじめに この個体は、ホンダCR-X(2代目)、Siグレード(E-EF7)の後期型です。 まず、名前について、余談的に触れます。 CR-Xの2代目は、当時TVCMで「サイバースポーツ」とのキャッチフレーズを用いていたため、ユーザーの間で俗に「サイバー」と呼ばれていました。(87年、88年頃のCMは以下のURL) https://www.youtube.com/watch?v=0mV4uOVdsfM https://www.youtube.com/watch?v=gqWGvKzNe3g また、グレード名につく小文字の「i」(昔のホンダ車にはよく見られました)ですが、インジェクションの頭文字、要するにホンダ的にはキャブレターではなくPGM-Fi搭載車だとアピールしたかったそうです。 さて、サイバーCR-Xは発売から30年以上経ち、すでに純正パーツの供給が終了し、入手困難なものについてはリビルドパーツや社外パーツなども使わざるを得ない状況にあり、また、保管状況などの違いによっても、今となっては個体差が大きくなってきているはずで、ある個体に対する評価が別の個体には的外れとなる可能性があります。 車種に対するレビューを書こうとしても、実際には『車種の評価というよりは、自分が使用している特定個体の評価』という側面が強くなってしまいます。 さらに、少ないながらも中古車市場で販売されている各車両も、改造やカスタマイズがなされているものが多く、純正に近い状態で販売されているものは珍しくなっています。 このような状況は、たとえ純正に近い状態の「車種の評価」をうまいこと書けたとしても、それが当てはまる個体が市場に滅多に出てこないということに他なりません。 そういう意味で、ちょっと前までは、CR-Xのような古い車についてはレビューを書いてもあまり意味がないのではないかと考えていました。 が、最近になって、写真を眺めてもらうだけでも少しは楽しんでもらえるのではないかと認識を改めましたので、写真多めでレビューを投稿してみることにしました。 いくつかの写真は再掲になりますが、写真のまとめとして楽しんでもらえるなら、それで十分なのかもしれません。
●外装 80年代後半から90年代にかけて、3代目プレリュード、DB/DCインテグラ、4-6代目シビックといったホンダ車が輝いていた頃の、いわゆるクリスピーなデザインです。 ディティールに拘りがちな現在のホンダ車に比べると、スタイリッシュに感じます。 低いボンネット、小型軽量なボディは、現在の保安基準ではもう難しいと思われます。 特徴的な、テールエンドを断ち切った形状の「コーダトロンカ」、後方視界を確保するための「エクストラウィンドウ」は、結果としてプリウスなどを先取りした形になりました。 この項目は、星5つとします。
●内装 大衆車の価格帯で売られていた車として考えると、当時の基準で標準的だと思います。 逆に言えば、今の価値基準で見れば、いろいろ物足りないと感じる人が多いかと思われます。 ドリンクホルダーありません。 センターコンソールに肘掛けありません。 カーナビ、ETCありません。 ダッシュボードはプラスチッキーです。 当時としては「まあ、そんなものだよね」ですが、現在の視点で星2つとします。
●乗り心地 当時のホンダ車のボディは剛性が低く、柔いです。ボディをしならせながらワインディングを走るなんて、よく揶揄されました。 ボディが剛性が低いので、脚がよく動くとは言えません、 また、この頃から4輪ダブルウイッxシュボーン・サスペンションを導入していますが、EF系の頃はストローク長がまだ足りず、サスペンションの性能を追求することよりもボンネットを薄くするためにダブルウイッシュボーンを採用したのではないかと揶揄されました(ストローク長は、EG系、EK系と世代を経るごとに改善されていきました)。 今となっては純正のバネを使い続けている個体も珍しくなっていると思いますが、社外品も「やや硬め」から「硬め」の設定のものが多いと思います。 そんな感じで、跳ねたり、底つき(バンプタッチ?)したりです。 乗り心地は決して安楽ではありませんが、ラグジュアリーな車ではなかったこと、FFライトウェイトスポーツとして売っていたことなどもあって、当時から「こんなものでしょ」と捉えられていた様に思います(というか、峠でバトルしたりしていた人たちは、後述するボディ補強と合わせて、社外品の硬いサスペンションへ積極的に交換していたはずで、硬いのが正義みたいな不思議な風潮があったように記憶しています)。 ボディを補強することでサスが動きやすくなり、乗り心地は改善されますが、ストローク長の問題は残ります。 CR-Xはリアハッチ開口部が大きくそこが特に弱いので、リアにピラーバーを入れるのが有効なことが知られていますが、ピラーバーはスパルタンすぎると躊躇する向きには、リアタワーバーもピラーバーほどではないですが効きます。 この項目は、星2つとします。
●走行性能 エンジンはZC型で、DOHC直4、1600ccのN/A、最高出力130馬力です。 ハイパワーな車も珍しくない現在では、数値的には平凡かもしれませんが、ZC型エンジンは私は名器だと思います。 トルクがありながら、よく回る。 ロングストロークなのにスムーズに高回転まで回るフィーリングは、排出ガス対策など環境性能を重視しなければならない現代では、難しいのではないかと思います。 同時代のホンダ車の場合、SiRグレードに搭載されたB16、VTECエンジンに人気が集まりがちですが、B16の場合、最高出力はかなり回さないと出ないため、公道での多くの場面でパワーの違いは実際はそれほどないこと、また、ZCの方が下からトルクが出るので、ストップ・アンド・ゴーの多い街乗りの場面ではむしろ乗りやすいこと、ZCも十分高回転までスムーズに回ること、など、VTECがハイカムに切り替わった時のサウンドこそありませんが、複雑なギミックなしに乗りやすく気持ち良いエンジンであることを、評価したいです。 このZC型エンジンに組み合わされるのが、小型軽量なボディです。 全長3,800mm、全幅1,675mm、車両重量880kgで、軽さは走る、曲がる、止まる全部に効きますし、FFとしては小回りも効く方です。 現代の車の様に、車の方から介入して良きに計らってくれるような電子制御はありませんが、その分、シンプルでプリミティブであり、ドライバーが運転しているという実感もあります。 走行性能というか、運転の楽しさという意味で、星4つとします。
●積載性能 乗車定員は4名ですが、いわゆる「2+2」で、実質2シーターです。 リアシートはベンチ状で、一応あるけれど大人が座るには狭く、実際はバッグや買い物袋などの手荷物置き場として使われます。 リアシートの後方にハッチバックの荷室があり、今では見なくなったスペアタイヤが積まれています。 ハッチはリアガラスが傾いたファストバック形状で、また普段はトノカバーが荷室を覆っているため、高さ方向の余裕はあまりありません。 一応、リアシートの背を倒して荷室とつなげることもできますが、リアシート部分も狭いため、特筆すべきほど広くもなりません。 この項目は、星2つとします。
●価格 新車の販売が終了しているため、中古車としての価格の評価になりますが、先述した様に、中古車市場には純正に近い個体が少なく、改造(ターボ化など)やカスタマイズされたものが多く、妥当な価格づけがなされているのか判断に悩むケースが少なくないです。 したがって、できれば未評価としたいところですが、未評価はできないらしいので、真ん中の星3つとしておきます。 ●燃費 レギュラーガソリン指定で、経験的にリッター16kmくらいです。 今時のハイブリッド車と比べればもちろん悪い数値ですが、逆に気持ちよく運転を楽しめるガソリン車でこれくらいの燃費のものとなると、現在の新車では少なくなってきたかもしれません(そもそもMT車が少ない)。 そういう意味で、肯定的な評価をつけたいと思います。 ボディの軽さも効いているのでしょう。 この項目は、星4つとします。
●総評 過去の投稿「愛車の履歴を振り返る」 https://mobila-carlife.jp/sns/post/20fbec12749240e3bcd133acaf78a8d1/ でも書きましたが、サイバーCR-Xには特別な思い入れがあります。 贔屓目があることを否定しませんが、小型、軽量で、運転が楽しくて、燃費もそこそこよくて、スタイリッシュ、そんな車です。 こうして、改めて評価してみると、現在の保安基準や環境規制では、このような車を作ることはもう難しくなってきているのでしょうね。










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