2025.5.24

目指せ!生きもの博士 NONIWAさとやま探求ラボ|アウトドアタウンときがわで里山遊び#27

「アウトドアといえば、ときがわを思い浮かべるような”アウトドアタウン”にしたい!」。そんな思いを抱き、地元の人を巻き込みながら日々さまざまな活動を行なう、野あそび夫婦のアオさんこと青木達也さんが、ときがわの自然の楽しみ方や、そこで暮らす魅力的な人たちなどを紹介します。

目指せ!生きもの博士 NONIWAさとやま探求ラボ

キャンプ民泊NONIWAでは月に一度ほど「さとやま探求ラボ」という名前のフィールドワークを開催している。その名のとおり、里山の自然や生きものについて“探究心”をもって遊びながら学ぶプログラムだ。

テーマは季節によって変わるけれど、今回は「川の生きもの」が主役のフィールドワークを実施した。川の生きものを観察しながら採集し、採集的にはその生き物を餌として使って釣りにも挑戦してみるという内容だ。

都幾川の支流に足を入れると、5月の川はまだ冷たくて、初めは「うわっ!」と声が出る。でもその冷たさにもすぐ慣れて、子どもたちは夢中になって川底の石をひっくり返し始めた。石の裏には、小さな命たち。カゲロウやカワゲラの幼虫、水生昆虫がちょろちょろと動いている。

そのようすに、大人も思わずのぞき込む。川ってこんなにたくさん生きものがいるんだと改めて感心しているようだった。ただ眺めているだけじゃ分からない世界が足元に広がっているのがおもしろい。

効率良く小さな生きものを捕まえるには、追い込み漁のようなチームプレーが効果的だ。上流側の大人が、川底の土をざくざく巻き上げながら歩き、下流では子どもたちが網を構えて待つ。連携プレーでたくさんの生きものたちが網に入った。

集めた生きもので、その川がどんな川か分かるのがおもしろい。やはり都幾川にはキレイな水質に棲む生きものが多かった。

▲川の生きものをパネルに当てはめていくと、川の水質などが分かる。

そのあと、竹竿と天糸と針だけのシンプルな釣りにもチャレンジ。川にそっと糸を垂らすと、すぐに魚がかかることもあるけれど、今回は前日の大雨で流れが変わってしまい、魚の姿はなかなか見つからなかった。

でも、そんな日もある。自然が相手だからこそ、いつもおなじじゃないことがおもしろい。むしろ、成虫になる前の小さな命たちに出会えたのは貴重だった。あと少し季節が進んでいたら、彼らはもう水の中にいなかったかもしれない。

活動の最後は「ラボノート」を書くのが恒例だ。今日出会った生きもの、気づいたこと、びっくりしたこと、どんなことでもいい。子どもたちは、研究員として自分なりの視点でページを埋めていく。このノートは、キャンプ民泊NONIWAに泊まった人なら誰でも読める「観察記録」であり、ささやかな研究報告でもある。

自然と向き合う時間は、うまくいかないことも含めて、それ自体が豊かな体験で溢れている。予定通りにいかなくても、予想外の発見があるのだから。それが、私たちの「さとやま探求ラボ」のいちばんの魅力かもしれない。

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出典: https://funq.jp/randonnee/article/1013648/
この記事を書いた人 ランドネ

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