2024.8.3

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】

サーフのキス釣りを始めて、かれこれ数十年がたつ。今回夏にキスの投げ釣りをする上で、私が今まで経験してきたことや感じたことを紹介したい。今回紹介したい内容は大まかに1.仕掛けについて、2.ポイントについて、3.釣り方について。この3つだ。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・横山准司)

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】

仕掛けについて

キス釣りの仕掛けは、ビギナーの人は市販品を、キャリアのある人は自作することが多い。釣具店やネットショップで売られている仕掛けのハリ数は、2本、3本、5本、8本、50連結と、大方この5種類。

経験の浅い人はハリ数の少ない仕掛けを、釣り歴の長い人で数多く釣りたい人はハリ数の多い仕掛けを使用することが多い。サオが4m~5mと長い場合は、ハリ数の多い仕掛けを扱いやすいが、短いサオだと取り回しが難しい。大事なことは、仕掛けを絡ませないでキャストできるか。

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】サーフの女王とも呼ばれるキス(提供:週刊つりニュース中部版APC・横山准司)

ビーズなどの装飾も有効

市販仕掛けの中には、ビーズやヒゲなどで装飾したものもある。ハリの装飾の有無は人により考え方が違うが、効果はゼロではないと思っている。私もビーズや蛍光塗料、ケイムラといった紫外線硬化樹脂を使用することが多い。

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】発光玉とケイムラ玉(提供:週刊つりニュース中部版APC・横山准司)

友人とキス釣りをしていた時、私はビーズ付きの仕掛け、友人は装飾のないノーマルな仕掛けを使用していた。友人もキス釣り歴が長い人で、同じ浜に並んで楽しんでいた時、私の釣果が極端に多いことに気が付いた。友人に私の仕掛けを使ってみることを勧めた。

すると今までアタリが少なかったものが、急に釣れ始め好釣果を得られたという経験がある。この時は黄色系のビーズだった。ビーズは金、銀、赤、ピンク、白、青、紫、橙、緑などいろいろある。どの色が良いのか一概には言えない。

その日の天気が晴れか曇りか雨か、海底の色は明るい色なのか暗い色なのか紫外線の強さなど、条件でビーズの効果が変わると考えている。

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】ビーズは光量などに応じて当たりカラーがある(提供:週刊つりニュース中部版APC・横山准司)

ビーズの効果は、キスに対するアピールだと考えている。違和感なく、いかにエサを目立つようにするか、くわえたときにいかに違和感なく吸い込ませるか、という考えに変わってくる。

人によっては、装飾などなくても釣れるという人も多い。逆に装飾仕掛けで釣っている人の方が少ないかもしれない。どのように楽しむかは個人の自由。単純に釣って楽しむ人、仕掛けに工夫を凝らしその工夫して釣れた釣果を喜び、さらに新しいことにトライして楽しむ人など。私個人としては、やはり単純に釣るのではなく遊び心でひと手間加え、考えて釣れたことに満足ができればと考えている。

最初は装飾された市販仕掛けで釣果を上げることに臨み、その後ステップアップとして自作仕掛けにチャレンジすればいいと思う。

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】ヒゲを付けたハリ(提供:週刊つりニュース中部版APC・横山准司)

仕掛けのハリス

仕掛けのイトに関しては、フロロカーボン、エステル、ナイロンが主流だ。最近はイトに色が付いているものもある。魚に気付かれないよう目立たなくするためとか、逆に目立たせるために色を付けることも。

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】蛍光色ハリスで目立たせる方法も(提供:週刊つりニュース中部版APC・横山准司)

昔はいかに仕掛けが見えないようにするかと工夫していたが、最近は逆の発想に展開してきているように思う。やはり魚に対し、アピールが大事ということだ。私も蛍光色も使うし、使って釣れなかったことはない。

最近ではハリ結び機が売られており私も愛用しているが、このような機械を使用すると意外と簡単に仕掛けを作れる。ハリを結ぶことに抵抗のある人は使ってほしい。

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】ハリ結び機(提供:週刊つりニュース中部版APC・横山准司)

 

夏のキス釣りポイント

ビギナーがキス釣りに行こうと考えたとき、どこに行こうか悩むと思う。情報源の1つとしては、やはり釣具店やエサ店が情報入手しやすい。私も釣り歴は長いが、場所の選定は難しい。キスの釣れる砂浜にもいろいろあり、難しく考えるとキリがない。

気にしておきたいことは、海藻や岩礁など障害物があるかという点だ。サーフでは防波堤のような高さがなく、偏光グラス越しでも海の状態が分かりにくい。場所の選定は、やはり釣具店やエサ店、釣り仲間との情報交換などで得ることが大事だ。

海底の変化も狙い目

基本的な考え方は、海底に凹凸などの変化がある所、カケアガリ、川の流れ込み近く、波が盛り上がって砕ける所は海底に起伏がある。また、左右から波が当たる所や、砂浜から払い出しがある所も海底に変化があり、ポイントになる。

キスのいる場所はその時の天候、潮、水温、塩分濃度などによっても変化する。キスが釣れ始める時期は、水温の変化に左右することが多い。初夏を迎えるとキスの行動範囲が広がり、海底に変化がある所や沖で波が立ち、海底が削られるような場所に集まってくる。

私が住む三重県の伊勢湾では、この時期に貝堀りの漁船が盛んに操業するので、その掘った周辺にはキスがよく集まるようだ。

盛夏は流れ込みも好ポイント

夏になると気温が上昇し、沿岸も水温も上がるのでキスは少し沖に移動する。この時期は遠投のできる人が有利に思うが、カルバートや川の流れ込みのある所は川の水により水温が下がるのでキスが集まる。また、潮の流れのある所は水温が下がるので、同様にキスが集まりやすい。要するに気温や水温が高いときは、水温が低そうなポイントを見つけることだ。

晩夏は近場狙い

夏が終わりを迎えるころ、キスは越冬の準備に入る。越冬するために食欲が増大し、比較的近くで良型を釣ることができる。基本的にキスが食べるエサは、水深のある沖合より浅い沿岸に多くあるので、波気のある所や少し深みのある近いポイントを見つけることが、好釣果に結びつくように感じる。

ポイントの考え方は、あくまでエサがありそうな所かが大事なので、その点を注意しながら場所を探そう。海は色によってある程度判断できる。浅い所は色が薄く、深い所は色が濃く、シモリや岩礁、海藻と言った障害物のある所は暗色に見える。慣れないと見分けがつきにくいが、大潮の干潮時などに砂浜を観察しておくのも良い手だ。

釣り方について

キスはその体に似合わず、強いアタリが特徴である。サオ先を持っていくような強いアタリが魅力で、やみつきになった人も多いと思う。

またキスは群れで行動する。特にシーズンに入ると複数のハリを付けた仕掛けに連で掛かると、驚くほどのアタリの強さと重量感を味わえる。どのように釣ればよいのか聞かれて、エサを付け投げて巻くだけと答える人もいるが、そんな単純なことではなく実は繊細なやり取りをしている。

キスは誘って釣れ

よくキスは足で釣れと言われるが、同時にキスは誘って釣れと言うことも事実だ。キスのアタックは比較的ストレートに出るので、アタリが出た時にこちらからアワせなくても、自然にハリ掛かりしてくれる。

私の経験では仕掛けを断続的に引いたり、止めたりを繰り返しているときで、止めた瞬間に食ってくる、または止めて動かす瞬間に食ってくるときがよくある。キスが捕食のタイミングをうかがっているかのようで、このタイミングをキスに与えてやることが大事だ。

誘いの方法

誘いの方法としては、サオでサビく方法と、リールを巻いてサビく方法がある。サオでサビく方法は、一定の間隔でサオをゆっくりと後ろに引き込んだ後、引き込んだ分のイトを緩まないように巻き取りながらサオを前に送り出すという方法を繰り返す。

これはサオを動かす速さが、重要なポイントとなる。速く引けば魚はついていけず、遅すぎると外道が食ったり1匹のキスが複数のエサをくわえたり、ハリ掛かりしたキスが泳ぎ回って仕掛けを絡ませたりする。魚のサイズや群れの大きさ、活性の高さなどを確認しながら、その状況に合わせた速さを導き出すのが好ましい。キスが掛かった後に仕掛けが絡まないように、探る速さを調整してやることである。

リールでサビく方法では、できるだけサオは垂直に近い位置で固定しリールで巻き取りながら探ってくる。この方法は探りを停止せず、連続して探ることができ比較的等速でサビきやすい。多くのハリの仕掛けを使用しているときや、食いが活発なときに有効だ。

このリールで巻く速さも、魚の活性の状態で変える必要がある。活性が高いときは、キスがエサを追える範囲で高速サビキに近い巻き方が必要。活性が低いときは、ゆっくり仕掛けを引いてやる必要がある。サオサビキと同様に、状況や外道の多さで適度な速さを導き出すことだ。

またどちらの方法にしても、潮が引いているときは仕掛けは沖に向かって引っ張られるので比較的絡まないが、満ちている時間帯では手前に潮が流れてくるので、仕掛けば伸びた状態に保たないと絡んでしまう。

近距離の探り方

キスは海底に変化のある所を好み、平坦な海底にはとどまらない。小さな起伏でもキスはいる可能性がある。波紋をしっかりトレースするような探り方も時には必要だ。

キスが波口近くにいるときは、ただ探っているとすぐに仕掛けが上がってくる。引き波が大きいポイントで波口を探りたいときは、引き波で仕掛けを少し沖へ戻してやることで、探る時間を長くできる。考え方1つで釣果に差が出るのだ。

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】波打ち際からキスの行列が登場(提供:週刊つりニュース中部版APC・横山准司)

連掛けを意識

キスは連で釣れ。1回キャストすると、巻き上げるのに時間がかかり体力の消耗も大きくなる。1匹掛かったら、最低2匹で回収できるよう心がけたい。キスが掛かってもすぐ上げず、探りを繰り返す。

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】連掛けで数を伸ばしていこう(提供:週刊つりニュース中部版APC・横山准司)

今回キス釣りに関するアドバイス的な原稿依頼をいただき、私の経験や人から聞いた話、見たことなどを思いつくままに執筆させていただいた。釣り方に正解はないが、今回の内容を参考にして釣果アップにつながればうれしい限りだ。

夏のサーフでのシロギス投げ釣り上達のコツ【仕掛け・ポイント・釣り方を解説】キス釣りのポイント9選(提供:週刊つりニュース中部版APC・横山准司)

<週刊つりニュース中部版APC・横山准司/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年8月2日号に掲載された記事を再編集したものになります。

出典: https://tsurinews.jp/310252/
この記事を書いた人 TSURINEWS編集部

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