春の一大イベント乗っ込みがひと段落すれば、回復を目指して再びエサを追うようになる。静岡県富士宮市にある田貫湖も取材時は減水とハタキ後の一服で食い渋り気味だったが、今号発売のころには田畑への放水も止まり再び活発にエサを追うようになるだろう。釣り方も宙・底問わず好みでOK、どんな釣り方をしてもそれなりの答えが返してくれる懐の深さが同湖の魅力と言えるだろう。
(アイキャッチ画像提供:がまかつテクニカルインストラクター熊谷充)
田貫湖の概況
朝霧高原の一角にあり湖面標高は660mと芦ノ湖の724mに迫るほどの高地にある。朝夕は寒いが日中は日が差せば快適で場合によってはパラソルが必要になる。また標高が高いぶん、紫外線も平地より強い。なお近隣には本栖湖があり、5月28日まで富士芝桜まつりが開催されている。

4月30日現在、水位は満水から30~40cm減水している。これは例年、この時期(4月15日~5月14日)におこなう放水による影響だ。放出量は毎秒約0.5t。例年なら半月も経てばかなり水位が下がっていてもおかしくないが、今年は雨が多く山からの流入水が多いため減水幅は少なめ。しかし流入水の水温が低く、湖水水温を下げてしまい、それが食い渋りの要因になっている。

とは言いつつもオデコとは無縁。日並み次第では20~30枚は出ており、普通の釣り場であればこれでも立派な釣果だ。
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ポイント
田貫湖のポイントを紹介しよう。

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桟橋
神社前、北ボート、南ボート、一本松などがあり誰でも手軽に乗って釣りが楽しめて、とくに桟橋使用料などは必要ない。北・南ボート桟橋は受け木がないため釣り台が必要だが、それ以外は釣り台なしでも可。それぞれ浮き桟橋ではないので、減水していると水面からの距離があり水が汲みづらい。ひも付きバケツなどがあると便利だろう。
野地
北・南エン堤などのコンクリート製チョコレート護岸、整地された平らな土の護岸など形状はさまざまだが、いずれにしても釣り台は必須でスノコベタ置きでやれるようなポイントはほぼない。エン堤を除き、座面が水面から離れているので水汲みバケツなどはあったほうが無難。また前岩など駐車場から遠いエリアに入るなら、カートなどがあるとかなり便利だろう。
釣り方とエサ
少なくとも5月14日までは放水期間なので水位は減水し続ける。となればそこまでは釣況も著しくよくならないと見るべきだろう。
食い渋った時の定番と言えば段差の底釣りか、やや長めの竿を用いた宙のウドンセット釣りが無難だろう。しかし野釣りでウドン(インスタントウドンを含む)は使いたくないという人も少なくないだろう。であれば食わせにグルテンを用いてみてはどうだろうか。
管理釣り場では通用しづらい釣り方でも、田貫湖であれば食い渋りに有効な手段になり得るかもしれない。またバランスの底釣りをするにしても両ダンゴではなくグルテンセットでスタートし、活性が高ければ両ダンゴにシフトする手もある。

いずれの釣り方にしろ食い渋りを前提に、そこから活性の高さに応じてエサや釣り方を変化させるほうがいい。仮に強い釣り方からはじめてウキが動かないと「ここには魚がいない」と結論付けてしまい、先に進めない可能性がある。
ハリは小さめ、ハリスも長めの細め、ウキは小さなアタリでも表現しやすいムク系。これら食い渋り対策を講じて、様子を見ながらより強い釣りにシフトしてみよう。
なお同湖では風流れが強まるのが日常茶飯事なので、流れ対策としてドボンオモリやガン玉など流れを止めるアイテムはぜひとも持参したい。
<がまかつテクニカルインストラクター熊谷充/TSURINEWS編>
田貫湖
入釣料¥700(現場売り)。釣り台必携。
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