最盛期を迎えた船アオリイカ釣り。アルファタックルフィールドスタッフで、『和田式船アオリ仕掛け』の発案者でもある「アシスト工房」代表の和田勝也氏と共に、アルファタックル(alphatackle)/アルファソニック瀬戸内アオリ(ALFASONIC SETOUCHI AORI)165Hの性能を探るべく明石港の人気遊漁船丸松乗合船さんの船に乗り込み、アオリイカを狙ってきた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・牧田亘)
瀬戸内の船アオリイカ釣り
瀬戸内エリアの中でもタコ釣りで有名な明石海峡。本州と淡路島に挟まれた海域のため狭くなっており、水深が深く水量も多いため潮の流れが速いのが大きな特徴だ。さらに海底の起伏が激しく荒いため根掛かり必至のフィールドと言える。
瀬戸内のアオリイカの釣り方
瀬戸内のアオリイカ釣りは、半夜便はもちろん、早朝出発のデイゲームでアオリイカを狙う便もある。
どちらも明るい時間と暗い時間を併せ持った釣りとなり、明るい内はナチュラル系カラー、暗い時間帯は派手系カラーが有効となるので、使い分けて狙うのがセオリー。
また、明るい時間帯では50~80mの深場、暗い時間帯は20~40m前後でアオリイカを狙うのが瀬戸内エリアの船アオリイカ釣り。

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バーチカルエギングがメイン
今回のポイントの多くは、水深が浅場でも30m前後とやや深く、何より潮の流れが速いためティップランでは底取りが難しく攻め辛い。
さらに、オモリグのようにキャストして巻き取りながら誘っていては根掛かりしてしまうため、重めのオモリで餌木を海底まで一気に沈めバーチカルに誘い掛けるというのが瀬戸内の船アオリ釣りの特徴といえる。
ティップラン(潮流緩め)
三重県発祥のティップランは岸からさほど離れていない海域。水深10~深くても50mほどの海底を “ドテラ”で流しながら餌木を水平移動させ、イカのアタリをとる。アタリが出なければ再び同じ動作を繰り返すことをティップランという。
餌木はティップラン専用がおすすめ
海域の水深や、潮速など餌木の重さに合わせロッドを使い分けるのが肝のティップラン。シチュエーションに合わせ仮面シンカーなどで重さを追加してフォール速度や、姿勢の調整を行う。ルアーがライン直結のため、キビキビしたアクションでイカを誘い、繊細なアタリを積極的に掛けていく。
和田式仕掛けor和田リグ
ティップランとは違いラインがシンカーに直結しており、そこから延びるハリスに餌木が結ばれているのが最大の特徴。シンカーと共に餌木を真下に投入し、シンカー着底後から、餌木がフォールし始め着底していく過程でイカからのコンタクトを目や手からの感度を通じて掛けていくフォールの釣りとなる。
そのため、ティップランのように餌木をシャクってしまうと糸絡みの原因になるので気を付けよう。また、垂直に落下するオモリの使用を強くおすすめする。
スライドする中通しや、カーブフォールするようなシンカーは根掛かりやオマツリの原因になるため、絶対にNGとのこと。
オススメシンカー:アシスト工房『船アオリ専用シンカー30号』

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餌木について
和田式仕掛けにおいては、ダートマックスの存在も大きい。シンカー着底後、フォールする餌木の水平姿勢が肝となるため、ダートマックスのフォール姿勢が和田式仕掛けとの相性抜群だ。
カラーは、明るい時間帯のナチュラル系と、暗い時間帯の派手系で使い分けられるようしっかりと準備しておこう。イカからの繊細なコンタクト、ロッドやラインを通して感じる海中の情報量が釣果を伸ばす近道になるだろう。
瀬戸内エリアに特化したロッドが必要なわけ
先にも書いたが海底の起伏が激しく、潮流が速い海域での釣りは根掛かりと、オマツリを如何に回避するかが重要。
そして、重いシンカーをシャクり続けるための強靭なバットに加え、繊細なアタリを感じるティップを必要とするのが船アオリイカ釣り。日本でも有数のハードエリアに特化した設計となっている。
アルファタックル アルファソニック瀬戸内アオリ165H
穂先にチタン素材 CTS 使用。チタンならではの軟らかさとオレンジマーカーによって目感度が大幅にアップ。浅場では餌木を躍らせすぎず、深場ではしっかりしたシャクリが可能。潮速の早い海況でのライントラブルを軽減。手返しの良さも大幅に向上している。
1本でほとんどの状況をカバーできるオールラウンドな性能も大きな魅力で、瀬戸内を問わず様々な海域で効率良く快適に釣りができるロッドに仕上がっている。
シャクリ幅が取りやすい165レングス、糸絡み激減のスパイラルガイドセッティング。

あわせるリール&ライン
リール:tailwalk Tai Game(テイルウォーク タイゲーム)DGN63
ライン:PE0.8〜1号 太くても1.5号まで
リーダー:4~5号 に和田式仕掛けを装着
ハリス:フロロ4号 長さ、1ヒロまでに餌木を装着

丸松乗合船で船アオリ実釣
10月16日、明石卵焼きで有名な兵庫県明石市、明石港から出船する丸松乗合船に向かった。早朝、現地で和田氏と合流。挨拶と受付を済ませ乗船し、5時には明石港を出船した。海上はやや風強めでさざ波立っており、船の上げる飛沫が時折派手にかかるような状況。

5分程でポイントに到着し、まだ真っ暗な海に仕掛けを投入。餌木はマルキューダートマックスピンクブロックマーブル。暗いうちは、水深20~30m前後のポイントを巡る。移動する度、テンポよく釣り上げていく和田氏。

朝一から波風の影響をもろに感じる状況となったが、アルファソニック瀬戸内アオリ165Hが誇るチタンティップの性能を遺憾なく発揮。ウネリに追随しながら、底取りと餌木のフォールアクションに触手を伸ばすアオリイカの繊細なアタリを手と目で敏感に捕えていく。

瀬戸内エリアならではのディープエギング
暗いうちは、水深20~30m前後の深さのポイントを巡る。移動する度、テンポよく釣り上げていく和田氏。空が白み始めるころ、深場のポイントに移動し本格的なディープエギングとなる。
いよいよ瀬戸内エリアならではの展開へシフト。水深50~70m前後のポイントを巡る。すると明石海峡の深さと複雑に絡み合う海流に加え、潮の速さに翻弄され度々オマツリ騒ぎとなっている。
その被害は和田氏にも降りかかる。海底スレスレでHITさせ回収する過程で同船者の流し過ぎたラインを拾い一緒に巻き上げることも度々。それでも落ち着いて対処しているからなのか、不思議にもバレることなく釣れ上がってくるのだ。
それは、カンナの掛かり方がイカの触腕だけじゃなく他の足などにしっかりと絡みつくようにフッキングされているからに他ならない。

状況は刻々と変化
日が昇るにつれ、アタリが遠のいてきた。また、今回の釣り座が右舷ミヨシ。潮の流れ、船の向き次第ではあるが、後アタリポジションに当たってしまった。同船者の取りこぼしを拾う状況に苦戦しながらも、和田氏はしっかりとフォロー。ポツポツと釣り上げていく。
しかし、30号というオモリと共に、不意にくるオマツリの負荷にハリスヨレが発生。気晴らしも兼ねてマルキューダートマックスパープルボーダークリスタルレッドにカラーチェンジし、後半戦へ突入。

引続き後アタリポジションが続く中、地道に投入を繰り返しながら数を重ねていく和田氏。そのころ筆者はカメラに集中しすぎたせいか、船酔い度MAXとなり1時間程の冥界旅行を余儀なくされる……。
不意にイカの噴射音と飛沫で冥界から呼び戻された。足元の生け簀に追加され、すぐさま投入。終了まであと1時間。朝のような勢いはないものの、船上ではポツりポツりとコウイカ混じりで上がる程度だ。
和田氏もラストスパートをかける中、とうとう最後の一流し。見事20尾目となる良型のアオリイカを抜きあげ11時半に納竿を迎えた。

最終釣果
前半の海況や釣り座の場所が厳しい状況だったが、800gクラスの大型を筆頭にトータル20尾の釣果。もちろん竿頭ではあるが、同船者の方の中にもツ抜けした人が複数人おり、釣れ上がるアオリイカやコウイカはどれも良型サイズが多く、筋肉質。
明石海峡の潮速に鍛えられ、餌となるアジや、イワシなどのベイトの豊富さを物語っている。さらに帰港すると若船長が操縦するひとつテンヤ便では80cmオーバーを筆頭に良型マダイの撮影会が始まっており、瀬戸内エリアのポテンシャルの高さを感じる釣行となった。
乗合船について
丸松乗合船
兵庫県明石市岬町21-5
予約・お問い合わせは夜8時まで
090-6981-4620
URL:https://tsuribunenomarumatsu.blog.fc2.com/

<牧田亘/TSURINEWS編集部>
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