最近、ルアーでアジを釣るアジングの人気が高くなっています。そんな中、「アジは釣れない」「アジングは難しい」と思っている人もいるのではないでしょうか。実は私もその一人……。アジを釣ったことはありますが「爆釣」は残念ながら経験がありませんでした。でもそんな私にも初めてのアジ爆釣の機会がやっと訪れたのです。そこで今回はアジをまともに釣っていない私が初めて経験したアジの爆釣からアジングについて考えたいと思います。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・アングラー「K」)
始まりは1匹のアジが釣れたことから
10月下旬に山形県庄内地方に釣りに行きました。朝まずめ、漁港で釣りを開始。リグは1.2gのジグヘッドに1inchのワームです。開始1投目、キャストしてカウントダウンの後、スローで引いているとひったくるようなアタリがあり魚がかかりました。上がってきたのは20cmクラスのアジ。「やっぱりアジが入っているんだ!」と、釣り開始早々の釣果ににんまりです。
しかし後が続かず、その後はまったくアタリがありません。「やっぱりアジングは難しいな……」と思って、アタリが遠のいた漁港から他の場所に移動しました。

再び漁港へ行くと驚くべき光景が
移動後は磯をランガンして、数種の魚を追加して夕方を迎えました。まずめの好機を期待していましたが、予想に反して状況はかなり厳しいものでした。
残された時間は長くても2時間程度。多分移動しても次の場所が最後になるでしょう。このままここで釣りを続けるか、それとも場所を移動するか、悩んだときに、朝まずめでアジが釣れた漁港が浮かびました。
「確かあそこには常夜灯があった。アジが入ってくるのは確実だろうから良いかもしれない。よし!行こう!」と移動することにしました。
到着してみると漁港は朝とはまるで違った様子になっていました。常夜灯の周りはおびただしい数のクサフグの群れがいたのです。自分的には数十メートルに渡って数万匹という感じでした。「これじゃあダメだ……」と諦めの気持ちになりました。

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クサフグの中にアジを見つける
多分ここが今日最後の釣り場となるので「一応やってみるか」と諦めの気持ちでワームを投げてみることに。リグは朝と同様の1.2gのジグヘッド、それに2inchのワームをつけました。
クサフグは常夜灯に照らされた明るいところの群れています。そこで明かりの届かないところにキャストしてカウントダウンしクサフグにワームをかじられないように下層を引いてきました。
手前に近づきそろそろ回収かと思い、リトリーブを早めた直後ワームをひったくられ魚がかかりました。「クサフグだ……」と思ってやりとりしましたが、上がってきた魚はアジでした。
「もしかして!」と思い、同じようにルアーを引くと、岸からそれほど離れていない場所でまた同じようなアタリが。このときにクサフグとアジは混在しているんだと考察しました。

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クサフグを避けてアジを釣る
次はクサフグの状況を確認するために、岸のほぼ真下に落とし底を取りゆっくり巻き上げます。これはノーヒット。クサフグは食ってこない、となればアジを狙うしかありません。これまでのキャストでアタリはあっても針がかりしないときがあったことから、魚の口にワームが合っていないのかもしれません。
そこでワームを切ってキャストすると今度は見事ヒット!20cmクラスのアジです。様々なことをして再現性を試した結果、キャストは常夜灯の光が届く範囲で、巻きスピードはやや早めの方が良く、ストップ&ゴーも有効であることが分かりました。
そこから後は1時間程度アジとサバの爆釣が続きました。こんな経験は初めてです。アジングが楽しいと初めて実感できました。

アジングの楽しさとは
私はこれまでもルアーでアジを釣ったことはありました。しかし単体としてのアジの引きを味わう程度で、アジを専門に狙っていたわけではありません。それを私は、アジングは難しいと勝手に考えて、自分の腕の未熟さや道具のせいにしていました。
今回の経験を通して、アジングは決して難しいものではなく、普段のライトゲームでのターゲット攻略と大きな違いが無いことがわかりました。
一般的にアジングのタックルとルアーは、細糸で軽量ジグヘッド(1g以下)、ソリッドティップのロッドと言われているように思います。しかし、この日の私のタックルは、アタリを弾きやすいと言われているチューブラーティップのロッド、PEライン0.5号、10LBのリーダーという、フィネスな印象のアジングとはほど遠い設定でした。
道具よりも重要なこと
しかしそれでも問題なく釣れるのです。道具よりも「アジが回遊してくる場所を知っている」「アジのフィーディングタイムを知っている」ことが大切なように思います。
つまり、食い気のあるアジがいることを前提として、食性を刺激してワームに食いつかせるために、ワーム等の大きさや動き、深度、スピード等を考えることが大切なのだと思います。
アジングが難しいと思っていた過去の私は、アジがいない(または食い気がない)ところでアジングをしていて「釣れない」「難しい」と考えていたわけですね。

アジングの奥深さを知れた
今回の経験は自分にとってとても貴重なものとなりました。その上で「アジ」という魚を前よりも好きになったような気がします。ワームをひったくるような明確なアタリ、繊細なのに粘り強く抵抗する引き、ヒットの再現性を検証するゲーム性の高さ、食べても美味しい……。
この日の釣行の後は「ソリッドのアジングロッドでエステルラインだったらもっと釣れていただろうし楽しかったかなぁ……」「爆釣していた時にジグヘッドの重さの違いも試してみたかったなぁ……」と考えるようになりました。
釣りは本当に奥が深いですよね。いつ出かけても何かしらの新しい発見があります。これからも自分を刺激し続ける釣りをしていきたいと思います。
<アングラー「K」/TSURINEWSライター>
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