今回は夏の風物詩ショアジギングに行ってきました。ソルトアングラーにとって、ショアジグといえば真夏の一大イベント。私の周りの釣り仲間は、大いに盛り上がりを見せ常に回遊の話でもちきりです。かく言う私もその熱気に当てられ、山上の湖を離れて地元の海に出向きました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小塩勝海)
真夏のショアジギング釣行
始めて夏のショアジグを始めたころは、誰しもまとわりつく暑さに肩を落としそうになるもの。しかし、それすらも忘れさせてくれるほどにざわめく水面を目の前にしてしまうと、走り出したい気持ちを抑えきれなくなります。
苦笑いが浮かぶと同時に期待が膨らむばかりでした。
短期決着で速攻直帰をめざす
今回の釣りでは、上州屋沼津店様のジーク・オリジナルコラボカラー1本を握りしめて海に出向きました。Rサーディン「甘金みかんGスポ」今回このカラー1本なのは、気に入ったからという単純な理由でした。
赤系のオレンジとクリアオレンジに塗り分けられた発色に、夜光のスポットが真ん中に7つ入っているのが特徴。塗装の下にはホログラムが輝いている仕様です。このカラーが面白いのは、日照関係と水深・水質で多彩な変化を発生させられる点にあると感じました。
赤系やオレンジ系の色は、水深によって光の波長の関係で深くなるごとに赤から黒に変化します。この関係からジグをフォールすると色がだんだん黒になり背景の色に溶け込んでいくわけです。
光が沢山届いてるうちは、ホログラムが反射してオレンジの塗料とホログラムの反射光が強烈にフラッシング。暗くなると夜光塗料のスポットが発光し始めて、オレンジ色の発色を再び浮かび上がらせるような作りになっています。

この関係は、ジグの裏表の明暗でも発生するので、ジグがロールするたびに大きく点滅してくれる効果を期待して持ち出してみました。今回はこのジグを使って速攻直帰のスピード釣行をしたいと思います。
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良型のソウダガツオが好調
今年は7月初旬ごろとかなり早い段階からソウダガツオが回っているとのこと。シーズンが進むごとに大型化が見られて、私の認識している記録では40cmを超えるサイズの魚が釣れたそうです。
大型から小型のメジが目立つ
今年はメジがとにかく多いるようで、メジに混じってメーター近い本確的なマグロも接岸している模様。時々なすすべなくラインブレイクされるような事態も多々あるそうです。
シイラは大型がいるが数は控えめ
シイラは、7月ごろまでペンペンが多く回遊していて、台風前と直後くらいから大型個体の回遊と共に少し小型の個体の数が減った傾向が見られます。
イナダは良いコンディションでも魚は少なめ
ワカシ・イナダは今年全般的数が少なめなので、単発で釣れる程度だそうです。しかし、イナダクラスのサイズ感になるとなかなか良いコンディションの個体が釣れているそうです。
当日のポイントの環境
今回は狩野川放水路から重寺堤防方向を徒歩で散策しながら魚を探しました。雨が多かったこともあり、放水路周辺は濁りがあるかと思いましたが、そこまでの濁りはなく、雰囲気は悪くないと感じました。
周りのアングラーの様子
歩きながら時々見かけるアングラーの様子を見ていると、アタリが少なそうな様子。釣れている雰囲気はあまりありませんでした。今回ははずれかなと落胆する気持ちを抑えて、周りのアングラーたちのルアーのレンジや動かし方を観察しながら気になるポイントに向かいます。
ショアジギングはほとんど移動せずに魚の回遊を待つ釣りなので、魚からの情報は限られてしまいます。前提として邪魔や失礼にならない程度に、周りのアングラーがどんな釣りをしてどんなルアーを投げてどれくらい釣れているかは重要な手掛かりです。
可能なら話を聞いて釣れた魚種やジグの重さを聞いてみるのもいいかもしれませんね。見た感じ、表層付近を早めに探っている方が多くシイラやワカシを狙っているイメージでした。
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小潮で控えめな潮流
潮の流れはゆっくりと控えめな動きをしていました。魚の活性は高く、ベイトフィッシュが長時間とどまってくれるような状態が長く続いていて、非常に好条件と言えるような環境が続いていました。
潮流が巻く軽く湾曲した地形に加えて、淡島に潮がぶつかり大きくゆっくりと渦を巻くように流れるのがこのエリアの特徴。潮が早く流れるよりもフィッシングチャンスが多く訪れてくれると期待できます。
水面でもじっている魚が少々
魚はベイトフィッシュが表層付近で多く停滞していて、水面でボイルする様子がうかがえます。しかし、連発するような反応は薄く単発で食いあげてくる魚が多い印象でした。
使用タックル
ここからは当日の使用タックルについて説明します。
ヴァンフォード4000XG
ショアジギングタックルとしてはかなり軽量なリールです。年間使用回数が10回に満たない私の場合は、体力の消耗度とアクションの自由度を高めて少ない釣行時間で、多くの反応を探りたいのでこのリールを選びました。
耐久性や剛性の面でまだ未知数な所が多いですが、アクションのしやすさなどの面ではかなり優秀なリールと言えます。
リーダー25号フロロ
こちらも普段は20lbを使用していますが5lbあげてジグのレンジとアクションに影響を与える試みでした。次回以降40lbまで上げてもいいかも知れないと今回の釣りで感じました。
遅めに朝6時頃に開始
今回は肩の力を抜いて散歩感覚で釣りを開始。5時半ごろに釣り場に到着し、海の様子や先行者の様子を伺って見て気にいったポイントに入りました。
今回は浅瀬が隣接したブレイクラインで、地形が少し曲がって潮が当たって巻き込むポイントを選びました。先行者のみなさんは、表層に集中されている模様。
定期的にボイルが起こるような状態でしたので、表層の追い込み一発を狙われる方が多い印象でした。
開始一投でソウダガツオの泳層を発見
準備を手早く終わらせた後、一投投げて様子を見ます。着水直後は着水音を活かしたいので、表層から数cm程度を滑らせるように10mほどトレース。しかし反応がないので、ルアーをそのまま落として一段下に入れてみます。
大抵シイラの活性が高ければ、着水音から表層付近の数cm・数メートルで反応があると経験上感じることが多いです。先ずはシイラを探り短い時間でパターンを見つけるため、その1キャストの内に仮で見切りをつけて、そこから1m〜2mほど下のレンジに変えてみると、すぐにラインが走りました。
淡水域では経験しえないような、いい走りに小型青物でも気持ちが高ぶります。取り込んだのはいい型のソウダガツオでした。

魚の反応がある層を掴んだので、次に繋がるようにすかさず投げ込みます。カツオやマグロ類の魚は、目線の位置と口の形がおおよそ体の正面で交差する構造になっているため、自分の視線上に被った獲物を積極的に追いかけて捕食します。
魚がそのタイミングでどの位置を見ているかを意識することで、ジグへの反応回数は大幅に変わるのです。水面でボイルをしているなら、魚は高確率で水面に頭を向ける回数が多くなります。
しかし、私が釣りをしていた場所が浅瀬に近かったためか、水面まで割ってくる魚が少なく、目の前でボイルを見るような場面は少なかったです。しかしその分、少し下の魚の泳層をダイレクトに探してトレースできたのが良かったと考察しています。
立て続けにメジヒット
ソウダガツオを上げた後は、ソウダガツオの反応するレンジから一段下げて、ソウダガツオの泳層の深さのサーチや別の魚種へアプローチ。するとすぐにアタリがあり、小型のメジが数本上がりました。
この反応はソウダガツオよりも下のレンジか、ソウダが抜けた後の表層付近でも反応は多かった印象でした。

イナダヒットも痛恨のオートリリース
魚が全体的に水面から1〜4mのレンジにいることが分かり、その周辺をジャークのピッチと切れ込みを変化させながら魚をさらに探していると大きなアタリが出ました。
ソウダガツオやメジのシャープな直線的な引きよりも、首振りが多くズシッとトルクを感じる引き。上げてみるとかなりコンディションの良いイナダでしたが、取り込む手前でフックアウトしてしまいました。
フックセッティングやタックルセッティングを煮詰めれば取れた魚かも知れないと邪念が沸きますが、次回のチャレンジにお預けになりました。
ライズはあったが7時半ごろ終了
一時間弱ほど釣りをして、今回は猛暑に飲み込まれる前に撤収しました。魚の反応はまだ続いていて、水面でもボイルはありましたが、速攻直帰を実行して今回の釣りは終了しました。
ショアジグで大切な要素
今回のショアジグでは考えるべき重要な要素があると感じました。それは1キャストで得られる情報量です。
ショアジグは、基本的に魚が来てくれるタイミングを待つ形の運の要素がかなり強い釣り。その一瞬を逃さないように少しでも投げて情報を得ることや、潮の変わり目・止まりなどの時間を予め調べてポイントに一つでも多くの変化が起きやすい時間を選ぶのも大切だと思いました。
他にも、自分のルアーが届く場所がどんな地形でどんな物が沈んでいるかを大まかなにでも理解することも重要だと感じます。
地形を把握すれば、魚の回遊ルートをヒントとして使えますし、その地形をどんな風に潮が流れて魚がどちらから来てどちらに抜けるのかを見極めるヒントも得られます。
しっかりと自分の目で見てフィールドをイメージして、それが正しいのかを試してみることで、より面白い釣りができると思います。
ルアーの選択術
ショアジグで難しいとされるルアーの選択ですが、この要素はルアーの沈むスピードと前に進むスピードで判断できると感じました。
今回は、Rサーディンのみで釣りをしましたが、テンションフォールやスローロッドストロークを使ったリッピングなど、色々なアクションで魚の反応を増やせた場面が多々ありました。
高速で動く物にしか反応しないパターンからゆっくりと沈んだり進んだりするアクションに反応がいいパターンなど、タイミングで変化しています。恐らく、ベイトフィッシュの移動速度や対象魚の移動速度の変化による視界の変化などで、見つけにくい速度や反応しにくい速度があるのだと考察しています。

釣れたメジはリリース
今回の釣りでは、複数のメジが釣れました。全て可能な限りダメージを受けさせないように素早くリリースを行っています。
漁業規則を厳守するのは大前提の話ですが、漁師さん方と我々釣り人との信頼関係を築く上でも、少しの努力で出来ることは全力で協力する事が釣り場を守るための一種の防衛策だと私は考えています。
理解者を増やして少しでも素晴らしい釣り文化を多くの人に味わってもらいたいと願うばかりです。
近年オフショアでもショアでもクロマグロ・メジの個体数が安定傾向にあるという情報を色々な場所で散見します。漁業関係者様を始めとした海にかかわる多くの人の協力が実を結んだのかもしれません。
規制や規則でうんざりする気持ちもあるとは思いますが、逆に言えば、今回接岸していたメジ達がモンスタークラスになって再戦できる日が近いかも知れないと期待を持てます。全ての水辺の環境に感謝して遊ばせてもらっている事を忘れてはいけないと強く感じました。
<小塩勝海/TSURINEWSライター>
The post ショアジギング釣行で良型ソウダガツオにイナダがヒット【静岡・沼津】 first appeared on TSURINEWS.ADVERTISEMENT
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