北海道の後志エリアでアメマス狙いの渓流ルアー釣りにでかけた筆者。見事59cmの良型遡上アメマスをキャッチした釣行をお届け。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小峠龍英)
北海道の渓流釣りシーズン
6月にも入ると気温水温共に安定し始め、また筆者の住む後志エリアでのヤマメ釣りが解禁されます(道央では4月と5月がヤマメ禁漁期)。
それまでは釣りに行ける川が限られた状態での釣行でしたが、これからは無数の選択肢があります。本流でニジマスを狙うも良し、小渓流でイワナを追うも良し、ヤマメを狙うも良し、どの川で竿を出すが悩ましくなる季節でもあります。
筆者はアメマス狙い
筆者にとってのメインターゲットの一つはアメマス。特にこの初夏にかけての海からの遡上個体を狙う釣りは、この時期の楽しみの一つです。年中狙っている魚ではありますがこの時期の遡上アメマスは海の豊富な餌でコンディションは抜群、ニジマスにも劣らないパワーをその身に宿しています。
サクラマスの群れを避ける
6月の2週目の夕方、そろそろアメマスの季節ということで近隣河川でチェックがてら竿を出すことに。過去の実績があるポイントをランガンしていきます。
最初のポイントにはすでに先行者の車が刺さっていたのですぐにUターンして次へ。そのポイントには2つの深場があり今の季節、多くのサクラマスとアメマスが溜まる場所で多くの実績があります。
早速ミノーを淵に投げ込み様子を見ます。黒い大きな影がゆらゆらとミノー周辺をうろつくのが見えました。それらには白い斑点が無く十中八九サクラマスの群れでした。
サクラマスの遊漁は禁止
本州では数年通ってもなかなか目にすることの出来ないサクラマスですが、北海道においては河川での遊漁は全面禁止です。ただその魚影はかなり濃く、特に初夏はポイントによっては常にサクラマスに占拠されている事も珍しくありません。
余計なトラブルを避けるためにも、サクラマスが大量に居るポイントは早々にパスします。そのポイントの上流は緩い深瀬が10mほど続く好ポイント、そこで反応がなければすぐ移動するつもりでした。
瀬頭に居たのはサクラマス
その深瀬は片側が護岸されていてアプローチもしやすい分、魚からは気付かれやすくエントリーには注意が必要です。
そろりそろりと直アップでキャストできる位置に忍び寄って、まずは対岸寄りの緩い巻き返しに5cmのミノーを投げ込みます。居れば何かしらの反応がありますが、反応なし。カラーを変えトレースラインを変えてみたものの、特に反応はありません。
どうしようかと思案していると無反応だった淵でドボーン!とジャンプするサクラマスの姿が。どうやら流れの緩い巻き返し付近はサクラマスに占拠されている様子。
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本命の49cmアメマスをゲット
そこでそのポイントが始まる1番頭に狙いを定め、7cmのちょっと大きめのミノーをキャストします。狙い通り瀬頭の白泡が立っている部分にミノーを滑り込ませてちょっと大さっぱにアクションをつけていきます。
ミノーをタンっ!タンっ!タンっ!とジャークさせて次のアクションをつける瞬間、一気にロッドがしなり気がつけばドラグが絞り出されていました。
ズゴーンとダッシュするその勢いから初めはサクラマスをかけてしまったかと思いきや、白い斑点がちらっと見えてきました。間違いなく本命のアメマスです。
掬おうとすればダッシュで距離を取られる、という一進一退を繰り返し何とかランディング。そのアメマスは、銀が強い魚体ながらしっかり白い斑点を纏い、さらに思っていたよりも良いサイズ、50まであと少しの49cmでした。

増水の夕活
それから数日後、仕事終わりに前回よりずっと上流のポイントにエントリーしていました。時間は18:00前でやや増水している様子。狙いはもちろんアメマス、イワナやヤマメもウェルカムなのでネットはいつもの渓流用サイズで臨みます。
そのポイントは岩盤の淵からガンガン瀬→小規模のプールと続いていて、岩盤の淵にはいつも魚が溜まっています。まずはガンガン瀬にスプーンを直ダウンでボサが被っている小プールに送り込みます。
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45cmのアメマス手中
早速コツコツとコンタクトがありますが、恐らく小さなヤマメなのでそのまま無視して引き上げます。そのまま立ち位置を小プールにアップクロスの形でキャストできる位置まで移動して6gのシンキングミノーに替えて再度トライ。
すると着水直後にグイッと引ったくるバイトが。しっかりフッキングして食い込ませると、その魚はそのままグイグイとガンガン瀬を降ろうとダッシュします。
増水の勢いもあって、流石にそればラインブレイクの危険もあったので、ドラグをフルロックにしてテンションを維持しながら半ば無理矢理掬い上げます。
ネットに横たわっていたのは、太い見事なコンディションのアメマスでした。45cmと悪くないサイズで大満足。

そのまま帰っても良かったのですが釣りを続行。30分で中〜小型のイワナとヤマメを数匹キャッチして帰路につきました。

週明けの大場所は難しい
それからさらに数日後の月曜日、関西から遠征にくる友人を案内するための下見として、とある大場所にエントリーしました。かなり水深があるポイントで、いつも何かしらの魚が溜まっており、週末ともなればかなり叩かれている有名ポイントです。
その日も多くの足跡が残っており、かなりスレが進行している可能性がありましたが、とりあえずやってみる事に。
無反応の淵が一転
多くの実績があるポイントなので定石のシンキングミノーからスタート。アップストリームでキャストし中層から底付近を意識してトレースしていきます。色を変え、サイズを替え何度も通して粘ってみますが何も起きません。
ミノーと同サイズの小魚が戯れついてくる以外の反応がありません。やはりスレているのかも、と思い一旦少し下流のポイントを探る事にしました。それから10分後、やはり何も起きなかった下流から戻り最後にスプーンで探ってから帰ることにしました。
お気に入りの5gチャートカラーのスプーンを気軽にキャストしてしっかりと着底。ロッドティップを軽くあげてすぐに下げる動作とラインの弛みを軽く巻き取る動作を同期させることで、スプーンのアクションをより魚にアピールします。
59cmのアメマスをキャッチ
そして1番深い箇所を通過した瞬間、一気にロッド全体が押さえ込まれると同時にギーギーと叫ぶドラグ、無反応だった淵が一転、沸騰したかの様な大騒ぎ。その剛力からサクラマスをかけてしまったかとヒヤヒヤしていました。
かけてしまった以上、ラインブレイクしてルアーを失わないようにしなくてはと慎重にやりとりしていました。
中々浮かび上がってこないその推定サクラマスと一進一退すること数分、やっと上がってきたその魚体には白い斑点が散りばめられていました。ド本命の遡上アメマスです。ネットイン前の最後の抵抗もいなし掬い上げます。
その魚体の尾鰭の太さは、筆者の足首よりも太い極太であの剛力も納得でした。サイズは59cmと60に一歩足りない結果でしたが贅沢は言えません。

諦めないことが肝心
全く無反応だったポイントから出したこのアメマスで改めて認識したのは、諦めない事と常にいくつかの引き出しを使える様にしておく事の重要性です。惰性でミノーしか使っていなければ口を使わせる事すらできなかったと思います。
諦めずに何となくではない、いつでも使える”引き出しとしてのスプーン”を選択できたからこその結果でした。
<小峠龍英/TSURINEWSライター>
The post 初夏の渓流ルアー釣りで59cm遡上アメマスをキャッチ【北海道・後志エリア】 first appeared on TSURINEWS.ADVERTISEMENT
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