三重県・志摩沖で良型クロムツを狙った。当日は、夏潮で二枚、三枚潮のポイントも多く、また風に波も加わり三重苦のなか、本命41cmクロムツ含め3匹をキープした。タフコンディションの中深海ジギング釣行をレポートする。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・田中耕二)
志摩沖で良型クロムツ狙い
三重県・志摩沖に夏の潮がやってきた5月下旬。キハダやカツオが好調で、そちらも気になるが、ラスト中深海ジギングにチャレンジした。
午前5時に港に船長が来てあいさつすると、やはり夏の潮の影響で2枚潮3枚潮になっており、タフコンディションとのこと。また風が予想より落ちていないらしく、「風波潮の三重苦ですよ」と先制パンチを受ける。
350mラインから始めるとのことだが、途中に良い反応があったのでスタート。水深は270m。4オンスロッドに330gのオレンジゼブラグローを装着して第1投。

1投目でヒットするも……
数分で着底したが、なんだか変な感じでジグが止まった。イトフケを取るとロッドが曲がり、ゴツゴツと手応えがある。
フッキングを入れるとドラグが滑る。船長が「何を掛けたの?」と聞くほどのビックバイト。ファイトを続けると、徐々に浮くようになってきた。100mほど浮かせるとおとなしくなったので、これはアラかもよと船長。ミヨシでも魚を掛けてファイトしているので、オマツリになったらいやだなと思っていると嫌な予感は当たるもので、ラインがそちらに取られる。
オマツリした感じだが、対処できないまま祈るような気持ちで浮かせてくると、先にミヨシで魚が浮く。丸太のようなハチビキ。ハチビキは海面でも激しく抵抗し、それに合わせて私のラインもグルグル取られている。これはヤバイと思った瞬間にブレイク…。
ジギングは想像の釣り
船はさらなる深みへ。春の中深海ジギングの最大ターゲットであるアコウダイへのアタックを試みたが、潮が複雑で魚の活性も低かったので再び270mラインへ移動。
釣り続けていると、突如としてプンッと水面から20mで高切れ…。傷でもあったかと思ったら、トモのアングラーが釣ったクロムツが鋭い歯をむき出しにして浮いてきた。その歯にラインが当たったのだろう。
当日は夏潮で二枚、三枚潮のポイントが多く、回収中に左右のアングラーとオマツリになることが多かった。
昼近くになって、ムツがポツポツとアタるようになった。そのムツは型が良い。40cm超が交じっている。今シーズンはまだ40cmアップを釣っていないので、なんとか1匹獲りたいと気合を入れ直す。
350gのオレンジゼブラグローで300mの海底を探っていると、ヌッと重くなった。ボトムギリギリで乗ってきたのでユメカサゴかと思いつつ、上げてくるとやはりユメカサゴ。ユメカサゴがヒットした時のジャークが良い感じだったので、そのまま継続。
ジギングは想像の釣りだと思う。特に中深海はその傾向が強いと思う。良いと感じたことを再現するようにしている。
良型クロムツ41cmキャッチ
そしてようやくボトムでバイト。フッキングが決まると、グングンと抵抗を感じる。同じタイミングでトモでも良いバイトがあったので、ハチビキかとも思ったが浮かせてくるとおとなしくなった。
これは良型クロムツだと確信して、長いリーリングを楽しみ41cmをキャッチ。本当にうれしい1匹だった。
何となくパターンが分かったので、すぐにジグを入れ、ボトムで静かに動かすとガツッとバイト。これもムツだろうと慎重に巻き上げて38cmを追加。

最終釣果
このまま量産と思うが、そう甘くなくハチビキが連続ヒット。ボトムに着くまでのフォールに食ったり、イトフケを取るために早巻きしているとガッと乗ったりしてくる。
そのハチビキは60cm級の丸太のようなサイズなので、ファイトは楽しいのだが君は呼んでいない。オレンジグローが好反応過ぎるのかと、ブルピンのドットグローに換装にしたところ、うまくクロムツを追加できたが、そのジグにもハチビキがヒット。最後の流しもハチビキがヒットしてしまった。
当日の最終釣果はクロムツ3匹とハチビキ4匹、ユメカサゴ1匹。

終始セミロングのジグを使っていたが、終盤はショート系にクロムツが反応していたように思えた。カラーではなくシルエットを変えるべきだったかもしれないが、その答え合わせは秋以降となるだろう。しばらくはマグロに熱い夏となりそうだ。
<週刊つりニュース中部版APC・田中耕二/TSURINEWS編>