チヌというのはなかなかわからない魚である。私の主な釣り場の大阪湾奥では、また非常に個体数が多いので、「これ、なんで釣れてるのかな?」と思うことも多い。厳冬期にも必ず釣れたりするし……。先日もメバリングでチヌ2枚が出た。これは産卵チヌだろうか?
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
大阪湾奥でメバリング釣行
釣行日は4月5日。この日の本命はメバルだった。その前にバチ抜けシーバスの様子を見たが不発。ちょこちょことメバルがアタったので、そろそろ春の再始動かと思ったのだ。
しかし、狙って釣ろうとすると、なかなかうまいこといかないのが釣りである。しかもまだ季節は4月序盤と、海水温がじわじわと上がってきても、意外に釣れ渋る時期だ。しばらく何もない時間が続く。
表層では反応なし
セオリー通り、夕刻からキワの表層一本でずっとやってきたが、コースもレンジもちょこちょこかえながら探ってみる。それでも音沙汰なし。
潮は満月大潮。フルムーンなので、まあ、メバルが散っていてもおかしくない。しかし最近は14℃前後で水温安定。メバリングには、決して悪い条件ではないのだ。
堤防際で40UPのチヌ
ということで、ここからは忍耐の釣り。1尾釣るまでは帰るまじ、と決意新たに、もっとコースにぴったりと小さめのワームを通していく。
すると、堤防の凸の部分、ストラクチャーで何かがワームを引き込んでいった。本当にキワキワの場所を、ちょんちょんやるかのような、まるで壁パターンのアジングの所作。きたきたと思ったら、強烈に引きこんでくる。最初、シーバスかなと思った。
しかし浮上してきたのは、黒銀色のかなりの良型チヌ。しかも本チヌである。何気に昨年夏から、40UPのチヌを釣っていなかったので、殊勲の一枚となった。嬉しい!

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続けて46cmチヌ登場
フシギなのは、釣りを再開して、またすぐに、もう一回りでかいチヌがきたのである。
しかもこちらはPE0.1号。あまり引かずに浮上してきたのは、なんだかなー、という感じだった。いやもしかしたらこのチヌ、産卵のパターン、いわゆるノッコミなのだろうか?
そういえば、産卵のチヌはあまり引かないと聞いたことがある。壁ピタすぎるのも、卵を産んでいるのだと考えれば、合点がいく。なるほど。

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メバルは2尾のみ
2枚連続のビッグ本チヌ。満足のいく釣果となった。ただ、あくまで本命はメバルだったので、そっちはちょっと微妙な結果に終わる。メバルはこの日、2つだけ……。

ノッコミチヌをLT化できるか
筆者は毎夏、チヌをLT化して釣っている者である。メバルタックル流用のライトブリームといって、すでに確立された釣りといっていいと思う。
しかし、夏にはハゼなどを食うチヌやキビレを2inchワームで狙うわけだが、春のノッコミ時は、どうすればパターン化できるだろう?
ベイトが小さい?
私はノッコミというものを、そもそもよく知らない。どちらかといえばエサ釣りの用語だろうし、研究が必要だ。ただ、たぶんチヌのメインベイトは、春時期が小さくなるのではないだろうか?
お腹にたまごがいっぱいという体内では、胃が圧迫されて動きにくい状態だろうし。実際この日も食ってきたワームは、アジング用の中でも小さい1.5inch級だった。

ふわ釣りでいこう
もともと私がライトブリームの可能性に気付いたのも、夏の豆アジを追っていたら、キワに流れたワームに妙にチヌが食ってくることが連発したからだ。おそらくアジング・メバリングのワームと、チヌの相性はいいのだろう。
ただ、夏のチヌは確信的にキワをリトリーブすることが多い一方、今回のノッコミチヌは、0.6g程度のヘッドのふわ釣りで釣れた。これは次回以降、春時期のチヌを狙うならば、まず試さなければならない釣法になるだろう。
<井上海生/TSURINEWSライター>
大阪湾奥エリア
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