ここ数年、東京湾で盛り上がっているタチウオですが、私も友人に誘われて2年前から始めました。タチウオ釣りはテンヤ、天秤、ジギング等を用いた釣り方がありますが、元々ルアーフィッシングが好きな私はジギングでの釣行です。事前情報で今週から急に口を使わなくなったとの話で連日低釣果。ゼロもありえる状況とのことでしたが、直前キャンセルも船宿に失礼なので覚悟して行くことに。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター中村一樹)
渡辺釣船店でタチウオジギング
2月25日、5:00の受付開始に間に合うように4:00過ぎに到着し、クーラーボックスを入場の順番に並べてから朝食の買い出しに。今回お世話になった渡辺釣船店は新山下ICからも近く、店から歩いてコンビニにも行けるので食糧調達にも便利な立地です。タチウオジギング船の状況は先週から一気に変わり、釣れていない状況の中、2艇出船とのこと。皆さん好きですね。(笑)

この日は45分ほど走った猿島沖から始めるとのことでしたが、このエリアは釣りができるのが8:00からとのことなので、先に給油をしてから移動。

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1投目からタチウオキャッチ
船長からの指示で120gのメタルジグを使用し、水深70~80mを探ります。反応は底から3m~7mに出ているとのこと。なんと1キャスト目からヒット!たぶん船中1匹目だと思います。120gのメタルジグでF3.5クラスが釣れました。

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その後は我慢の展開
開始早々に釣れたので、この日は好転したの?と思いながら続けましたが、その後は2時間ほどフォール中に何かが触る程度の反応のみで何もなし。周りの方もたまにポツリポツリと釣れるレベルで、やはり厳しい状況は変わってないんだなと思わされました。
あまりにも厳しい状況が続くので、いつもキャビンで睨むように周りと魚探の反応をのぞき込んでいる船長も、「反応は出てるんだけど口を使ってくれないんだよねぇ。ちゃんと反応のあるところに来てますからね。この流しで後ろの方は2本釣ってますよ。」とマイクで皆さんの気持ちが下がらないように気遣いをしてくれていました。
強風と波に翻弄される
船上で立てないくらいの波が立ち、座って釣りをする人まで出てきていましたが、座って釣りをするとロッドストロークが小さくなってしまうので、下半身を踏ん張りながら揺れに耐えて釣りを続けます。

周りの船も大きく揺れ、船底部分が見えるほどの高低差のある波が来ていたので皆さん時々船べりに掴まったりしながらも釣りを続けていました。
移動の度にびしょ濡れに
タチウオの反応がなくなるスピードも速く、移動を繰り返すたびに上から海水がかかるので、びしょ濡れになります。

防寒着があっという間に塩で真っ白になりました。雨が降らなくても風が吹けば今回のようにずぶ濡れになることもありますので、防水加工されたウェアを着用することをおすすめします。暑かったら脱げば良いだけなので移動の時だけでも着用しておいたほうが良いと思います。
釣友が初タチウオゲット
小移動を繰り返し、水深70~60mのポイントで周りもポツポツと釣れ出しました。

この日、初めてタチウオジギングに来た友人もやっと1本釣り、初タチウオをゲット。120gのメタルジグでF2.5クラスと小ぶりながら初のタチウオです。
2枚潮を攻略して2匹目
何か感覚がおかしいなと思いながら釣りしていましたが、この日は2枚潮だったので、表層は右にラインは流れますが、着底する頃には真下や、やや左にルアーがあるといった感じです。
隣とオマツリしないように適度にテンションをかけながらフォールさせて余計な糸を出し過ぎないようにさせ、メタルジグも潮の影響を受けにくいコンパクトなメタルジグに変えてしっかりとアクションさせると待望の2匹目。F3.5クラスでした。
ラストのポイントで3匹目
小移動を繰り返しながら時間的にも最後となるポイントへ到着し、船の前後でポツポツと釣れ出しました。群れが大きい証拠ですね。私にも120gのタングステンメタルジグで水深65mを探るとなんとか3匹目。

この時は船の下に入り込むような引きだったので体を目いっぱい外に出して船底でPEラインを切られないようにやりとりしました。F4クラス、1m超えでした。

その後も抜き上げ直前に最後の突っ込みに対応できずにバラシたり、フォールバイトを掛けるとメタルジグの頭部分を狙ってバイトしてくるのか、リーダーをカットされたりで釣果は伸びず。
最終釣果
最終釣果は3匹と自己最低釣果に。この日の竿頭は週5ペースで来ているような常連さんで9匹、多くの方が数匹と珍しく低釣果でした。中にはゼロだった方も数名いたようで先週まで好調だったはずの冬タチが一気に口を使わなくなったタイミングで風と波もあったので、なかなか難しい状況でしたね。
とはいえ、そんな状況だからこそいろいろとトライアンドエラーを繰り返すことができ、引き出しを増やすことができたと思っています。
冬のタチウオは美味しい
せっかく釣ったら食べないともったいない。タチウオは今が一番脂ものっていて美味しい時期です。

私は毎回、屋外シンクで下処理をしています。タチウオを卸す時は普通のまな板では長さが全然足りないので、長さ75cmの合板を下に置いて扱いやすくしています。これで3分の2くらいは乗ってくれます。

今回は頭を取らずに捌くことができるのか、試しにやってみました。せっかく釣ったタチウオの身が普段より多く残っちゃいますね。残った部分は削ぎ落してタタキに入れちゃいます。

3枚おろしの身の部分だけになりました。ここまできたらあとは調理法ごとに分けていくだけです。

私はとりあえず25cmくらいで切り分け、塩を振って少し時間をおいて余計な水分を抜いてからに調理するようにしています。保存する分はジッパー付きの袋に3~4切れずつ保管して、1食分ずつ使えるようにしています。魚を捌けない知人に分けるのにも切り身状態だと喜ばれますよね。

この日は炙り刺身と荒く作ったタタキが晩御飯。帰る時に妻に釣れなかったと事前に伝えてしまっていたので、ツマも大葉も家になく、自家栽培のネギだけはかろうじてありました。なかなかスーパーにタチウオが並んでいても生食用は見たことがないので、多くの方は塩焼き等で食べることが多いと思いますが、タチウオの刺身は釣り人の特権だと思います。

子供用にはタチウオの蒲焼き風が焼き上がりました。アナゴより美味しいと言ってくれています。
釣果はタイミング次第
今までで一番厳しい釣果となってしまったタチウオ釣行ですが、1日に30本以上釣れるような良い日もあれば、逆に今回のように厳しい日もあると思います。実際に前週は好調な東京湾でしたので、水温が低下したタイミングがたまたま週末と重なり、週が変わると同時に一気に口を使わなくなってしまったようです。
タチウオ釣行は数が釣りたければ夏がおすすめですが、美味しいタチウオを求めるなら脂の乗った冬から春先が良いと思います。最近は釣果情報をUPされるのが早いので、常に釣り船店のHPをチェックして、状況が上向いたタイミングで予約を入れると良いかもしれませんね。釣って楽しい、食べても美味しいタチウオ、是非行ってみてください。
<中村一樹/TSURINEWSライター>
渡辺釣船店
出船場所:横浜山下橋
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