標準和名「ヤリイカ」。英語でも「spearsquid」。そんな洋の東西問わず例えるなら槍になってしまうヤリイカは釣り物の少ない冬の貴重なターゲット。今回はウキ釣り、邪道エギング、エギングのいずれでも本命ヤリイカを手中にした様子をお届けしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター永井航)
陸っぱりヤリイカ釣り
福井にてチラホラと釣果が聞こえ出した陸っぱりヤリイカ。ヤリイカ釣り自体難しい釣り、テクニカルな釣り……というわけではない。
難しい釣りではないが難点もある。まず季節柄どうしても寒いこと。もう1つは群れの来るところで竿を出さないといけないの2点だ。それでも有名ポイントでは海に街灯が立ち並ぶかのように電気ウキが海面を照らす。
休みの都合上、寒い晴れか暖かい小雨のどちらかの日の釣行となりそうだ。暖かいといえどこの季節の雨での釣りはダメージが大きい。結果、気温0度の中での越前~三国エリアでの釣行となった。
初場所ではどうしてもどこに群れが入るかがわからない不安との戦いになる。ある程度目星をつけて、日中のうちから釣り場に赴き、釣れそうか確認する方が良いだろう。以前に釣果のあるポイントには概ね毎年ヤリイカがやってくるが、回遊量は水温や個体数も関係するので注意だ。
当日も日暮れ前には釣り場に入り、海を観察。有名ポイントからだいぶ離れたところであり、釣り人は私以外に2人。いずれもヤリイカ狙いのようだ。
邪道エギングとウキ釣りで挑戦
日暮れと同時に釣り開始。まずは邪道エギングと並行して横でウキを流す2本だし。餌は塩締めしたササミのみ。サメやキビナゴなど色々な餌があるがササミで大抵事足りるだろう。この釣りにおいてササミか鶏胸肉しか使ったことがないが「うー、あの餌があれば……」という場面に陥ったことはない。
ちなみにオススメは鶏皮。肉の方は塩締めしてもちぎれたりしてしまうが皮は丈夫で長く使えるためだ。ウキは深めに、エギは手返しよく誘えるように表層~中層で探り分けをし効率重視。先に釣った方をメインにする予定だ。
早々に邪道エギングで連発
開始から2投目、わずか10分で邪道エギングにヒット!なかなかの重量感に加えイカジェットの圧力も感じるためオスのヤリイカ確定だ。足元まで寄せてスポッと抜き上げ。今シーズン初のヤリイカにとりあえず安堵。

ライトで照らすと30cmクラスの個体。ヤリイカは群れで行動すると言われているため写真はそこそこにすぐに投げ返すと連発!同クラスのイカをキャッチ。活性が高いのかかなり表層でのヒットだ。
これは大釣り!?と思い期待するも沈黙。群れ自体は大きくないようだ。その後も群れにあたると2杯程釣れては沈黙で時速4杯ペース。
ADVERTISEMENT
ADVERTISEMENT
ウキ釣りにカサゴ
邪道エギングの手を止めウキを見ていると、流されなくなり静止。これはヒットしていると判断し、軽く合わせて回収。あれ?ヒイカ?というサイズの自己最小記録のヤリイカ。スッテとあまり変わらない。

今度は深めかと思いウキ仕掛けを投げ返すと、今度は一気にウキが沈む。よしよし、狙い通りとほくそ笑みながら巻くと、ガガガガという竿を叩く引き。

これは独特な引き方のイカではなく照らしてみるとカサゴ。カサゴは稀にこの釣りでも釣れたりする。
ADVERTISEMENT
ADVERTISEMENT
最終釣果
タイムリミットまで後30分。アオリも釣れたらいいなぁと欲を出し、普通のエギで攻めると再びのヤリイカ。やればまだまだ数を伸ばせる場面であることに間違いはなかったが今回はここで納竿とした。

実釣3時間で11杯のヤリイカと1匹のカサゴ(リリース)の釣果。爆釣ではないがしっかり楽しめた釣果だ。リリースした小型は不明だが、持ち帰りでは1杯だけがメスで残りは25cm以上のオス。最大も35cmクラスと型揃いだった。
陸っぱりヤリイカ釣りのコツ
今回試した2釣法について、それぞれコツやアタリの出方を紹介しよう。
ウキ釣り
まずはウキ釣りでのアタリの出方。力のあるオスではウキを沈めるがメスや小型はそうは限らない。
潮に乗って流れていたウキが止まる。ウキが、着底した時のように寝たりする。
違和感があればスッと合わせれば良い。いれば合わせになるし、いないならいないで誘いになるから無駄にはならないだろう。後はどのウキ釣りにも言えるが棚を見つけることが肝心。
邪道エギング
続いてエギング(邪道エギング)のコツは、フォールやステイ中は糸を指に掛ける。ガシガシしゃくらない。

ウキと同じくメスはアタリが小さいことも多い。アタリを捉えやすくするためにも糸の動きを指で感じるようにしたい。もちろんアオリエギングでも有効だ。また、臆病な性格なのかわからないがキビキビとシャクってアピールするよりもモターっとしたやる気ないくらいなシャクリの方がその後のフォールでヒットしやすい。ウキ釣りと同じく棚を効率良く探るためにもアタリがでた棚を見逃さないようにしたい。
何より寒さ対策を
そしてこの釣りの何よりのコツは「指を悴ませないこと。」これはウキでもエギでも同じ。自分の意思通りに指をいかに動かすかが手返しに関わる。特に冷え性の私は厳寒期のヤリイカ釣りとの相性はあまり良くないかもしれない。
活かして持ち帰り
釣ったイカはバッカンとブクブクを使って活かして家まで持ち帰った。イカは真水に弱いから袋に分けてクーラーに……なんて言葉も聞くが活かして持って帰れば万事解決。少々の手間と重さと引き換えに家で活け造りもできる。ちなみに10/11は2.5時間のドライブに耐えてくれた。ちょくちょく海水を変えれば一晩くらいなら持つのでこちらにも挑戦してほしい。
<永井航/TSURINEWSライター>
The post 陸っぱりヤリイカ釣りで11杯 エギング・邪道エギング・ウキ釣り3種で挑戦 first appeared on TSURINEWS.ADVERTISEMENT
ADVERTISEMENT