ゲーム性が高く、一年中狙える大人気ルアーターゲット・シーバス。なかでも東京湾は、日本一の魚影を誇り、船や陸から手軽に大型魚を狙える最高のフィールド。原木中山の林遊船での近況と、冬から春にかけて船やボートから狙うジギングのタックルと釣り方について紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・奥野忠弘)
林遊船でシーバスジギング釣り
1月21日(土)、釣友の泉泰生さん、その仕事仲間の今井慎二さん、俊一さん兄弟、河原元裕さん、古江健彦さん、山本和敏さんと7人でボートをチャーター。岡田彌五左ヱ門船長の操船でジギングゲームへ。

爆弾低気圧の影響で北西15mの強風が吹いているなか7時に出船し、8時すぎに風裏となる川崎沖のポイントに到着。
「水深28mで底付近に反応がある」ということだったので、まずは40gのメタルジグを壁際にキャスト。活性の高い個体はストラクチャーに沿って捕食することが多いので、なるべくギリギリにキャストしてフォール中のアタリに集中。すると、3投目の着底寸前にコンッという明確なアタリ。まずはレギュラーサイズの52cmをゲット。

その後、同じパターンで3連釣。しかし強風で移動ができず、同じポイントを狙わざるを得なかったため、その後はパッタリとアタリが止まってしまった。
60cm超え頭に27尾キャッチ
魚探を確認すると船下に反応は出ていたので、ジグを80gに替え、フォールと巻きの両方で狙ってみる。軽くキャストして、毎投ジグの投入角度や巻きスピードを変えながら様子を見ると、着底後にデッドスローのただ巻きでアタった。

このアタリでの即アワセは厳禁。タイラバのようにそのまま巻き続けると、ギュッと竿先が水面に突き刺さる本アタリが到来。軽くアワセを入れ、テンションを保ちながら釣り上げたのは58cm。そのまま同じパターンで入れ食いになった。

後半にはサイズアップを狙い、昨年末に新発売されたワイズギーク・ヴァジラ120gを試してみた。すると、同船者のジグには反応しない個体が同じパターンでおもしろいようにバイト。60cm超を10連釣し、トータル27尾キャッチ。同船者も全員が5~6尾を釣り上げ、大満足の釣りになった。
ジギング攻略法
12月からゴールデンウイークまでが盛期。東京湾内の各所から、遊漁船やボートが連日出船している。
主に水深15~30mのストラクチャー(人工の障害物)周辺の宙層から底にいる魚を狙うため、メタルジグ(ジグ)と呼ばれる重いルアーを使用し、群れを狙い撃つ。

竿は6ft(1.8m)前後で、胴に張りがあるもの。専用竿がなくても、M(ミディアム)~MH(ミディアムヘビー)のバスロッドや、エサ用のゲームロッドでも流用可能。
リールとライン
気をつけたいのは、リールとライン。アタリの7~8割がフォール中に出るので、ヒラヒラと自然にジグが落ちていくためにはラインの出がよく、アタリを感じてすばやくアワせられる小型ベイトリールが好適。また、60cmを超えるスズキサイズはもちろん、40~50cmでも強烈な引き込みをするため、ドラグ性能がよければ安心してファイトを楽しめる。
ラインの細さも重要。冬期のアタリはイトフケが出る程度の繊細なものが多いので、0.8~1号のPEラインがベスト。2号以上だと、ラインの出やアタリの出方で釣果に大きな差が生じる。さらに、潮に流されて周りとのオマツリの原因にもなるので注意したい。逆に細すぎるラインも、アワセ切れや高切れの可能性が高くなるのでオススメできない。
PEラインの先には、フロロカーボンライン5号前後のリーダー(先イト)を2mほど結ぶ。これは、シーバスがルアーに直結されたPEラインを嫌ってバイトが減るのを防止すること、そして魚が掛かってから反転し、鋭いエラやヒレでのイト切れ対策のため。また、スナップとラインの結合部分の強度を保つため、ダブルラインと言われる結び方で結束するのが一般的だが、慣れないうちは船長や常連に結んでもらうか、習うことが望ましい。
ルアー
この釣りで一番重要なアイテムがルアー(ジグ)。20~30mの水深なら60gがメイン。潮が速いときや、より大きなシルエットとフォールスピードで釣りに変化を加えたいときは80~120g。逆に浅場では40g前後を使用する。
センターバランスと呼ばれるジグの中心に重心があるルアーと、テールバランスと呼ばれる下側に重心があるものが主流。それぞれ落ち方や泳ぎ方に違いがあり、状況によって食いに影響するのでいろいろ試してほしい。

ハリは、ジグの下方のリングに市販されている細軸2本のチラシバリを装着するとヒット率がかなりアップし、バラシも軽減される。
ルアーの色も重要で、光量や水色、水深など状況によって反応のいい色が違ってくる。私が多用するのは、ピンク&シルバーやイワシ系、赤金。ルアーの重さ×種類×カラー×アクションの選択と組み合わせがこの釣りの悩みどころであり、そしてもっともおもしろいところだ。
竿とリールとルアーがそろったら、先イトに小型のスナップスイベルを介してルアーの頭部のリングに装着。
投入後まずはフォールに注意
釣り方の基本は、船長の指示ダナが「水深30m下から10m」などとあったら、竿先を下げてリールのクラッチを切り、ルアーを落としていく。潮に流されながら落ちていくルアーを自然に落とし込むことがキモで、竿先をラインが出ていく方向に向けて、ラインの出方の変化に集中する。
ラインの出が止まったら、魚がアタっているか、海底に着いた合図。試しに竿をあおってアワせてみよう。

底に着く前のフォール中にゴンとか、ゴゴゴッとの生命反応があったり、急にイトフケが出たら、すばやくリールを巻きながら竿を上げてアワセを入れる。魚ならグググッという引き込みがあるので、動きに合わせてゆっくりリーリング。水面では、シーバス特有の”エラ洗い”と呼ばれる首フリ動作でルアーが飛んでくることが多いので注意。なるべくネットですくってもらおう。
ルアーを信じて「ただ巻き」
底に着いただけなら、そのままただ巻きのノーアクションで指示ダナの少し上まで誘ってみる。巻き取り中のアクションはさまざまだが、慣れないうちは「落として巻き上げる」だけの繰り返しで十分。
最近のジグは、ただ巻きと呼ばれる竿でのアクションを加えないパターンでも食わせのアクションを演出できるものが多い。ルアーを信じて「落として巻く」を繰り返し、巻きのスピードに変化をつけていろいろ試してみよう。
ポイントに着いてからの一投目は、とくに活性の高い魚が食ってくることが多いので集中したい。
タックルに関しては、船宿のほとんどで貸竿やリールが完備されている。釣れ筋のルアーも販売していると思う。船宿に確認し、東京湾の最大ターゲットのルアーゲームを楽しんでほしい。
<週刊つりニュース関東版APC・奥野忠弘/TSURINEWS編>
林遊船