
2025年シーズンのF1は折り返しを過ぎたが、ベルギーGPのパドックを騒がせているのは、4度の世界チャンピオンであるレッドブルのマックス・フェルスタッペンがメルセデスに来季移籍するではないか、ということだ。
メルセデスのトト・ウルフ代表もフェルスタッペン側との話し合いを認めたことで、その噂に拍車をかけている。しかしラッセルは来季シートについては心配しておらず、ウルフ代表のコメントはチーム内部ではなく世間向けに発せられたモノだと強調した。
実際、ウルフ代表はフェルスタッペンが来季メルセデスへ移る可能性は低いと認め、チームが優先すべきは好調な走りを見せるラッセル、そしてルーキーのアンドレア・キミ・アントネッリのふたりを続投することだと主張した。
ただ、前戦イギリスGPからベルギーGPまでの間に、フェルスタッペンとウルフ代表は同じイタリア・サルディーニャ島で休暇を過ごしたとされており、ラッセルとアントネッリの契約は2025年末で一度終わりを迎える。なんにせよ、F1ではどんな“ウルトラC”が起こっても不思議ではない。
こうした混沌とした状況の中で、ラッセルは2026年以降の契約延長を結ぶことができるはずだと自信を見せている。
「今シーズンは僕にとって最高のシーズンだと思う。僕が乗った中で、これがベストなマシンだからね。常にそれ次第だよ」とラッセルは言う。
「自分の将来について、それほど不満はない。パフォーマンスと結果が全てだと分かっているから、もうあまり考えていないよ」
「いつもこうだ。それがF1のようなスポーツの良いところだ。そのうち全てうまくいくさ」
またラッセルは、メルセデスのマネジメントを受けているため、他チームとは話をしたことがないと認めた。
「話は続いているけど、僕と直接というわけではない」とラッセルは続けた。
「内部での話よりも、対外的には大騒ぎになっているね」
「実際、みんなが質問してくるから、メディアデーになるとこのことについて考える。でも直近数ヵ月で、こういうシナリオについて自分がどう感じるかを考えることができた。それにストレスを受けるのか、自分の将来を確かなモノにしようとするのか、あるいは心配しないで自分の将来を確かなモノとするパフォーマンスなどに集中するか、どちらかを選ぶことができる」
「だから今僕としては、この(イギリスGPからベルギーGPにかけての)2週間のオフは、心理的にも精神的にも素晴らしいリセットになった。数ヵ月前よりも今は多分幸せな気分だし、起こっている全てに対して平穏でいられる。なるようになるさ」
ラッセルは、今の雇い主がマネジメントも担当するという“特殊な状況”について詳しく語り、それでもなお「心配する理由はない」と語った。
「僕は常に自分の利益を最優先してきたし、今後どうなるかはこれから分かることだ。でもメルセデスとの将来について心配する理由はないし、結局のところ何が起こるか分からない。パフォーマンスを発揮していれば、僕はまだF1にいるし、どこか競争力のあるチームに所属しているはずだ」
「だから僕としては、今一度こう考える必要がある。結局は自分自身。自分の運命をコントロールできるのは自分だけだとね」
「レースをしているチームにマネジメントされているというのは、少し特殊な状況だ。でも、それはキミも同じことだし、それが僕らの置かれている立場だ」
ラッセルはまた、ウルフ代表の来季は自身とアントネッリを優先するというコメントはメディアとファン向けのモノであり、“ドライバーのためではない”と主張した。
「あれは君たち(メディア)のためであって、僕のためじゃない。裏側で起こっていることは、裏側で行なわれる。僕の方は何の変化もない。1時間前まで、こういう発言があったことすら気が付かなかった。だから、僕が求めているモノじゃないよ」
「僕が本当に気にしていることでもない。さっきも言った通り、この数ヵ月、自分の将来についてストレスを感じて気にしていた状態から、僕はパフォーマンスを出し続けていた。だから自分で何とかできることだとしか思えないんだ」
「これで眠れなくなるようなことはない。メルセデスはレーシングカーに最高のドライバーを必要としているし、僕はそこにいると信じている。それに僕よりも良い仕事ができている人はあまりいないと思う。だから僕は彼らを必要としているし、彼らも僕を必要としている」
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