
ランボルギーニは、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、来季からウラカンGT3の後継車両として投入される予定の『テメラリオGT3』を公開した。
2015年に登場したウラカンGT3は、ランボルギーニと同じフォルクスワーゲングループ傘下にあるアウディのR8 GT3と共同開発された兄弟車である。ただランボルギーニによると、テメラリオは自社のモータースポーツ部門スクアドラ・コルセが完全設定・開発した初めての競技用車両だという。一方アウディはR8の市販後継モデルを未だ発表しておらず、GT3仕様車の最終生産も2024年11月に完了するなど、カスタマースポーツ部門の縮小が進んでいる。
ウラカンGT3は5.2リッター自然吸気V10を採用していた一方、テメラリオには昨年発表された市販モデルと同じ4.0リッターV8ツインターボエンジンが搭載されている。GT3規定により、市販車に搭載されている3モーターのハイブリッドシステムは外されており、エネルギー回生機構は使用できない。また市販車の内燃機関は800馬力を発揮するが、レース用エンジンは550馬力(BoPによって調整)とされている。
ランボルギーニはエンジンについて、「より広い回転域で最大性能を発揮できるよう完全に再調整した」と説明している。さらにテメラリオは、初期段階からモータースポーツ派生を想定して設計されており、レース用のエンジニアリングを戦略的に統合することが可能だったという。
また開発の重点は、ユーザーフレンドリーなレースカーを作るという点に置かれた。ランボルギーニのCTO(最高技術責任者)のルーベン・モーアはこう語っている。
「テメラリオGT3は、実際に利用するエンドユーザーのことを考えて設計されている。空力の効率、パワーカーブ、そしてチームがクルマをどのように扱えるかまで、すべてが考慮されている」
「このマシンは、異なる仕様のマシンとのバランスをとるパフォーマンスウインドウの範囲内で、先代のマシンと違った特性を持つ。ラップタイム面での競争力は十分で、幅広い条件下でも快適にドライブできるよう設計されている」
「また開発チームは、広い作動レンジを持たせ、チームが整備や運用をしやすくなるよう尽力した」
こういった彼らの戦略にはボディワークの設計も含まれている。前後のボディパネルがそれぞれ一体構造となり、ピットでの交換作業が素早く行なえるようになっている。
またランボルギーニは、今回のテメラリオプロジェクトにおいて、グリッケンハウスのル・マン・ハイパーカー『007』を設計・製造したポディウム・アドバンスド・テクノロジーズとパートナーシップを組んでいることを明らかにした。ちなみにウラカンGT3の際は、ダラーラ・アウトモビリと協力していた。
テメラリオGT3は、来シーズンに顧客向けに限定数が供給される予定で、デビュー戦は2025年3月に行なわれるIMSAセブリング12時間になる見通しだ。
GT3の規定では、ホモロゲーション初年度の終了時点までに最低10台が実際のレースで走行していなければならない。そのため、ランボルギーニはこの新型車を、GT3車両が使用可能な主要シリーズに参戦するカスタマーチームに提供することになる。
なおランボルギーニは昨年まで世界耐久選手権(WEC)に参戦し、SC63 LMDhでハイパーカークラスに、ウラカンGT3 Evo2でLMGT3クラスを戦っていたが、IMSAのGTPクラスとテメラリオ開発に専念するために同年限りでシリーズから撤退している。
2013年に設立されたスクアドラ・コルセは、2015年に最初のウラカンGT3を投入。2019年にEvoモデル、2023年にEvo2モデルが登場するなど進化を続け、数多くの選手権で勝利を収めてきた。また、これまでに累計200台以上のウラカンGT3が製造された。
テメラリオをベースとしたランボルギーニのワンメイクシリーズも、GT3のデビューから1年後の2027年に開始される予定で、ウラカン・スーパートロフェオの後継となる見込みだ。






