
ハースF1の小松礼雄代表曰く、オーナーのジーン・ハースにチーム売却の意志は毛頭ないとして、止まらない買収のオファーにウンザリしているという。
創設期からチーム代表を務めたギュンター・シュタイナーは、売却の可能性に関する報道を繰り返し否定していたが、ハースF1が新たなコンコルド協定に署名し、予算制限の下F1参戦を継続すると決まるまでは、チーム存続が議論の的となっていた。
現在、ハースF1を取り巻く状況は一変し、10年目のシーズンを戦っている。一時はコンストラクターズランキング最下位に沈んでいたチームは今年、シーズン折り返し時点でランキング7番手につけている。またF1自体も、アメリカ市場を中心とした盛り上がりを見せている。
とはいえ、チーム買収に興味を持つ関係者からハースF1は“数多く”のアプローチがあるようだ。しかしシュタイナー元代表に代わって指揮を採る小松代表は、ジーン・ハースのチームやF1に対するコミットメントはこれまで同様に強力だと明かした。
そして、2016年のF1参戦開始当初からハースに所属する小松代表は、オーナーのチームへの関わり方にポジティブな変化が見られるとの考えを示した。
「正直なところ、彼は多くの変化を目にしてきました」
イギリスGPを前に小松代表はそう語った。
「彼は今、かなりチームに深く関わっています。細かいことも理解しています。なんて言ったらいいんですかね? 彼は常にスポーツと結果に対して非常に情熱的です」
「彼は常に我々が改善することを望んでいますし、それはオーナーから我々が必要とされていることでもあります。彼は常に我々をサポートしてくれます」
「私は全てを知っているわけではありませんが、この1年半の間、彼にはチーム買収のオファーが何度もありました。しかし彼はそれに興味がありません。彼はF1チームのオーナーであることを本当に楽しんでいます。現在は10チーム中ひとり、来年も11チーム中ひとり。これはとても恵まれた立場なんです」
「彼はF1がこんなではなかった時期にやってきました。彼はCOVID-19の苦しい時期に我々に寄り添ってくれました。今、彼はF1を楽しんでいます」
「正直なところ、ジーンはとても熱心です。彼はここ(シルバーストン)に来ます。金曜日か土曜日に到着し、グッドウッドまで滞在します。彼は楽しんでいます。それが一番大事なことです」
「これほど情熱的で、これほど献身的なオーナーがいることに感謝しています。彼に(チームを)売る気は全くありません。最近、何人かの人たちに買収の話を迫られましたが、(ジーン・ハースは)興味がありません。そういう人たちに何度も訊かれて、彼はウンザリさえしていました」
そんなジーン・ハースは、イギリスGP後のグッドウッド・スピード・オブ・フェスティバルにて、チームのF1参戦10周年を祝して2023年マシンVF-23をドライブする予定となっている。そのアイデアを勧めたのは小松代表だという。
「今年、彼がマイアミに来た時、現地にいるだけで楽しんでいるのが分かりました」と小松代表は言う。
「彼は常に技術的な質問を沢山しています。それは興味があるからですが、その状況は代わっていません。それに加えて、彼はその場を楽しんでいました」
「グッドウッドで走りたいかどうか聞いてみようと思ったんです。彼はグッドウッドのことをあまり知りませんでしたが、今は(VF-23のテスト)走行をしましたし、それについて色々と読んでいます。ああいったことをまた経験できることに彼はすごくワクワクしています」
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