
TOYOTA GAZOO Racing(トヨタ)は、WRC(世界ラリー選手権)第9戦ラリー・フィンランドで、水素エンジンを搭載したラリーカー『GR Yaris Rally2 H2 Concept』を初公開すると発表した。
トヨタは2022年、水素エンジン搭載のGRヤリスをお披露目し、WRCイープル・ラリーにて豊田章男会長(当時社長)とWRCチーム代表代行のユハ・カンクネンがデモランを行なった。それ以来、水素エンジンのコンセプトは様々な開発が進められてきた。WRCチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラもスーパー耐久参戦を通じて、水素エンジン車両を肌で感じてフィードバックを行なった。
そして今回、「カーボンニュートラル社会における将来のモータースポーツのオプションのひとつとして、水素エンジンの可能性をさらに感じていただくため」にトヨタが送り出すのは、ラリー2規格のGRヤリスをベースとしたラリーカーで、気体水素を燃料とする内燃機関を搭載している。車両開発は、トヨタWRCチームの本拠地であるフィンランド・ユバスキュラで行なわれた。
トヨタはGRヤリス Rally2 H2コンセプトのお披露目にあわせ、通常のGRヤリスRally2もエントリーし、ラトバラが母国フィンランドでステアリングを握る。彼は昨年の同イベントでもWRC2クラスに参戦し、クラス2位、総合6位という成績を収めた。
ラトバラは以下のようにコメントした。
「今回、ヤンニ・フッシとペアを組み、GRヤリス Rally2をドライブする通算20回目のラリー・フィンランドにとてもワクワクしている」
「フィンランドのラリーの伝統では、節目の誕生日を地元ラリー参戦で祝うという文化がある。40歳になった今年、こうした特別な機会を与えてくれた豊田章男さんに感謝している」
「さらに、GRヤリス Rally2やその他のTGR-WRTの車両開発において、現代のラリーカーを自ら運転してフィードバックを提供できるのも大きな意義だ」
またトヨタは先月、ル・マン24時間レースでの水素エンジン車参戦に向けたステップとして、液体水素を燃焼とする水素エンジンプロトタイプ『GR LH2 Racing Concept』を初公開。これはドイツ・ケルンにあるTOYOTA GAZOO Racing ヨーロッパでハイパーカーのGR010ハイブリッドをベースに製作され、日本の東富士研究所で開発されたエンジンやハイブリッドシステムが搭載されているが、詳細は未発表となっている。