2025.7.8

12年ぶりにセパンで開催!SUPER GT 第3戦のGT500クラスを制したのは「Deloitte TOM’S」

12年ぶりにセパンで開催!SUPER GT 第3戦のGT500クラスを制したのは「Deloitte TOM’S」

Deloitte TOM’Sにとって今季初勝利

2025年6月28日(土)、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットでスーパーGT第3戦の決勝レース(55周)が行なわれました。優勝を飾ったのは、GT500クラスが37号車Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京選手/ジュリアーノ・アレジ選手)、GT300クラスが18号車UPGARAGE AMG GT3(小林崇志選手/野村勇斗選手)でした。GT500クラスのレポートをお届けします。

(motorsport.comの記事をもとに再編集しています)

6年ぶりの海外戦となったセパンはトワイライトレース

スーパーGTとしては2019年以来久々の海外戦は、12年ぶりの復活となるセパンが舞台。高温多湿の厳しい環境で知られるサーキットだが、決勝開始は16時30分(日本時間17時30分)と夕刻に設定された。当初検討されていたナイトレースではないものの、日没を目前としてチェッカーを迎える“トワイライトレース”だ。

天気は曇りで、レース開始直前の気温は33℃だったが、10周で30℃まで下がり、そこからはチェッカーまでコンディションが安定した。

6〜7周目から一気に展開が動いた

GT500クラスのポールポジションは19号車WedsSport ADVAN GR Supra。かつては“予選番長”としても鳴らしたWedsSportも2022年以来久々のポールであり、相性の良い海外戦での優勝を目指した。そして2番手、3番手にはトヨタ勢の連勝を阻止したいホンダ勢が続き、8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT、64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTが並んだ。

レースはいきなり波乱含みであった。13番グリッドの24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zが、フォーメーションラップ開始直後にホームストレート上でストップ。レースを終えることになった。そしてスタート直後には、サクセスウエイト70kgながら8番グリッドを確保したポイントリーダー1号車au TOM’S GR Supraの坪井翔選手が、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraの関口雄飛選手に追突される形でスピン。最後尾に回ることになった。なおDENSOには後にドライブスルーペナルティが出された。

上位のオーダーは19号車WedsSport、8号車ARTA、64号車Moduloで変わりなかったが、6〜7周目からGT300のトラフィックが眼前に現れはじめると、一気に展開が動いた。ワイルドカード参戦のアストンマーティンを処理する間に、37号車Deloitte TOM’Sの笹原右京がModulo大草りきを交わして表彰台圏内の3番手に上がった。

トヨタ GRスープラの7連勝はスーパーGT歴代最長連勝記録

そして9周目には、WedsSport国本雄資選手の後ろで好機をうかがっていた8号車ARTAの松下信治選手が、ヘアピン状のターン9への飛び込みでうまくGT300を使いながらオーバーテイク。レースリーダーが変わった。

ドライバー交代を含むルーティンストップが可能となるレース距離3分の1(19周)を終えたタイミングで、まず動いたのは38号車KeePer CERUMO GR Supra。続く20周目にはトップのWedsSportもピットインすると、その1周後にピットに入った8号車ARTAが事実上のトップを守り、アンダーカットを阻止した。

最後までピットインをしないで走行を続けていたのはDeloitte TOM’S笹原選手。32周目にピットインしてジュリアーノ・アレジに交代すると、ARTA 8号車の前でコースに復帰し名実ともにレースリーダーとなった。その後ろでは12号車TRS IMPUL with SDG ZがWedsSportを抜き、3番手に浮上した。

Deloitte TOM’Sと8号車ARTAは接近しており、GT300をかき分けながらの緊迫した時間帯が続いたが、アレジは徐々にARTA野尻智紀とのギャップを築いていった。

Deloitte TOM’Sのアレジは独走状態に入ってそのままトップチェッカー。Deloitte TOM’Sにとって今季初勝利となり、2024年から続くトヨタ GRスープラの連勝を「7」に伸ばした。これはスーパーGTの歴代最長連勝記録だ。

2位は8号車ARTA。後方グリッドからペース良く追い上げてきた100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが3番手でチェッカーを受けたが、38号車KeePer CERUMO GR Supraとのインシデントで10秒ペナルティを受けて6位に降着。12号車IMPULが表彰台に登った。

1度は最後尾まで落ちたau TOM’Sも7位までリカバリー。ポイントリーダーの座をキープし、ノーウエイトで行なわれる第4戦富士スプリントに臨む。

出典: https://www.automesseweb.jp/2025/07/09/1855472
この記事を書いた人 戎井健一郎(EBII Kenichiro/motorsport.com)

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