
3台体制で臨んだル・マン24時間で圧倒的な強さを見せ、優勝、3位、4位でフィニッシュしたフェラーリ。ただ50号車は失格によって4位のリザルトを抹消されることになったが、彼らはこれについてプレスリリースで見解を示した。
昨年のル・マン覇者であるアントニオ・フォッコ、ミゲル・モリーナ、ニクラス・ニールセンを擁するフェラーリ50号車は、今年のレースでも総合優勝争いに加わり、最後はコースオフによって2位の座を失うも、フェラーリ83号車、ポルシェ6号車、フェラーリ51号車に次ぐポジションで完走した。
ただ50号車に関しては、リヤウイングに関する規定違反が発覚し、失格の裁定が下された。指摘されたのは、ホモロゲーションされたものと比較してサポートセクションのボルトが4本少なかったこと、そして許容値(15mm)を大幅に超える52mmというウイングの変位が記録されたことだ。
これらによって50号車はウイングでの空気抵抗を低減させ、ストレートスピードを向上させていた可能性がスチュワードによって示唆されている。実際50号車は、ボルトの欠落が確認されているレース終盤(387周中380周目)に最高速度を記録している。またスチュワードは併せて、不完全な状態となったウイングは破損のリスクを伴うとして、安全性に対する懸念を示した。
しかしフェラーリは、競技性の優位、安全性の欠如のどちらも否定している。彼らは声明の中でこう綴った。
「この部品の設計上、これらのボルトの1本または複数が欠けていても、車両の安全性には一切影響がなかった」
「レースの最後の37分間でボルトを失ったことにより、パフォーマンスや最終順位に何らかのアドバンテージを受けることはなかった」
「スチュワードの裁定文にも書かれてきた50号車499Pのトップスピードに関しては、最後の7周の間に記録されたものだ。この間50号車は、姉妹車である51号車499Pのスリップストリームに入っていた」
なお、このリリースでフェラーリは、「この件について我々のドライバーに競争上の有利は一切与えておらず、ドライバーや他の参加者の安全性にも影響はなかった」との見解を改めて示しつつも、スチュワードへの直接的な批判は避けており、世界耐久選手権(WEC)の規則に対する「全面的な信頼」を表明した。
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