
F1カナダGPの決勝レースが終わったが、レース後に審議対象となっているドライバーがたくさんおり、最終的な順位に変更が加わる可能性がある。
今年のカナダGPは、メルセデスのジョージ・ラッセルが優勝、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが2位となった。しかし、まだまだ順位が変わるかもしれない。
まずレース中に起きたマクラーレン勢の同士討ち。これについては当該の接触によりリタイアとなったランド・ノリスが非を認めているものの、レース後の審議対象となっている。
またこの接触により出動したセーフティカー中にも事件が起こっていた。クラッシュしたノリスがメインストレートに止まっていたため、隊列はピットレーンを通過することを強いられたが、その際コースに合流しようとしたエステバン・オコン(ハース)が、ピット出口先のセーフティカーライン2に差し掛かろうとしたその瞬間に急減速。直後を走っていたウイリアムズのカルロス・サインツJr.があわや追突しそうになり、コース外に逃れることになった。このオコンの動きは「予測不可能なドライビング」だった可能性があるとして、審議対象となっている。
またレース後にも審議対象となる事態があった。今回のレースはセーフティカー先導のままフィニッシュを迎えた。確かにセーフティカーは、各車がチェッカーを受ける際にはピットレーンに戻ったが、コース上はまだセーフティカーが宣言され、ライトパネルには「SC」の表示が出たままになっていた。そんな状況下で、3番手でフィニッシュしたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がフェルスタッペンを抜き、優勝したチームメイトのラッセルを祝福しにいってしまった。
SC中に他車をオーバーテイクすることは許されていないため、このアントネッリの他、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、オコン、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、サインツJr.、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、ランス・ストロール(アストンマーティン)が審議対象となっている。
この動きを見た角田裕毅(レッドブル)は、前日のフリー走行3回目で、クラッシュして低速走行していたピアストリを抜いて10グリッド降格ペナルティを受けたことを引き合いに出して、無線で次のように語った。
「昨日僕がペナルティを受けるなら、彼らだってペナルティを受けるべきだよ。僕らは5位になるかもしれないね」
またこれだけでは終わらなかった。セーフティカー中にラッセルが急減速し、フェルスタッペンがこれを一時追い抜いてしまうというシーンもあった。この件については当初審議対象とはなっていなかったが、後にレッドブルが抗議。おそらくこのラッセルの動きに対する抗議であるとみられ、ラッセルとフェルスタッペンはスチュワードに報告を行なうよう指示されている。
これらの審議結果によっては、カナダGPの最終結果に大きく変更が加わる可能性がある。