
2025年のル・マン24時間レースに向けてアルピーヌは昨年のトラウマを乗り越えるための徹底的な作業を行なったと語った。
昨年からA424でハイパーカークラスに参戦しているアルピーヌ。彼らはその年のル・マン24時間レースでは2台共がエンジントラブルによってリタイア。序盤6時間でガレージを閉めるという結果に終わってしまった。
WECでアルピーヌのチーム代表を務めているフィリップ・シノーは”2024年のトラウマ”があることを認めた上で、2025年のル・マンに向けた最大の望みはシンプルに「2台が完走することだ」と語った。
今年アルピーヌはより実績を積み、より理解を深めて洗練されたマシンでサルト・サーキットに戻ってくる。重要な点はメカクローム製エンジンが昨年の悲劇を繰り返すことを避けるため、重点的な作業対象となっていることだ。彼らはこの領域で妥協を許さず自信を持って2025年のレースに臨んでいる。
「ジョーカーアップデートは許可されていて、そのニュアンスが純粋に信頼性のためなのか、パフォーマンスのためなのかが重要だ」
シノーはmotorsport.comにそう語った。
「しかし良く知られているように、信頼性の改善はパフォーマンスの改善にも繋がりうる。そのため規制当局の解釈次第ではある。我々はジョーカーを使い、そして状況は改善された」
「我々は常に問題をすぐに特定し、そこに尻込みすることはなかったと強調したい。信頼性に関しては、本当に瞬時に対応が行なわれた。チームが適切な対応をとって、問題を除去・解決するための適切な手順を実行していく能力には感銘を受けた」
シノーによると、ル・マン24時間レースに向けたエンジンの信頼性には不安は無く、ここで問題が出るなら「不公平」だというレベルのようだ。
「安心しているよ。我々はやるべきことを実行してきた」
「実際のサーキットでの状況と、テストベンチでの両方で耐久テストを実施してきた。問題には遭遇していないし、正直に言えば我々の努力の量を考えれば、なにか問題が発生すれば本当に不公平というものだ」
なおル・マン24時間レースに向けたBoPの調整では、アルピーヌは昨年よりも10kW高い最高出力となっている。この点は注目に値する箇所であり、他にも今週半ばには気温30度を越えるコンディションになることもあった。
ただそうした点に関しても心配はしていないという。
「シミュレーションテストでは常にフルパワーで走らせていたし、ベンチでもそれは同じだった」
「変動する要素を取り除こうとしていたんだ。最悪の状況に耐えることができるならば、残りの状況には対処できるということだ。少なくとも我々はそう願っている!」
「パワートレインとブレーキの両方の信頼性を高めるためには、もう少し気温が低いほうが都合が良いのはそうだ。理想を言えば20度に保たれればいいが、現実としてそうはならない。それでも、我々のハードウェアはそういった状況に対処できるように設計されている」
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