
4度のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルが、学問の世界で新たな一歩を踏み出した。彼はハーバード・ビジネススクールにおいて『エンターテインメント、メディア、スポーツのビジネス』に関するコースを修了したことが明らかとなった。
ベッテルは2022年シーズン限りでF1を引退して以降、様々な活動に取り組んでいる。ドイツのSailGPチームへの出資、持続可能燃料の推進、そしてモータースポーツ業界で若い女性を支援する『Race4Women』イベントの開催などだ。
現在37歳となったベッテルは、学問の世界にも足を踏み入れている。彼はハーバード・ビジネススクールの4日間で修了できるコースを修了した。これはエンターテインメント、メディア、スポーツのビジネスに関するもので、受講料は約9,400ポンド(約185万円)とされている。
ベッテルは昨年11月にドイツのRTLのインタビューに対し、自身が現在どのような分野を学んでいるかについてこう語っていた。
「僕は学校に通っていて、農業について学んでいる」
「ただし、実践的な内容を凝縮した形のコースだけどね。その後は自分で事業を運営できるようになる。農業の未来にはすごく魅力を感じているんだ」
「この分野は本当に面白いと思う。もちろんフルタイムではない。3人の子どももいるし、やることはたくさんある。でも以前と比べればずっと静かで、もうあちこちを飛び回るような生活ではないんだ」
その一方でベッテルは最近、F1の世界に戻ってくるのではないかと噂されている。特にレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが高齢であるため、彼が引退した際にその後任に指名される可能性が取り沙汰されている。
しかしベッテル自身は、マルコがこの先しばらく現役を続けるだろうと考えている。
「彼はこれまでにも何度か辞めると言っていたけど、今も現役で活動しているしね。できればずっと元気でいてほしい。僕は彼と良い関係を築いているし、連絡も取り合っている」
「後任に関しては、まだ深く踏み込んだ話はしていない。でも将来的に何らかの形で関わる可能性はあると思う。いずれは避けられないことだし、マルコ自身もそれはわかっていると思う」
「彼は恐ろしいほどに現実主義者で、物事をとても冷静かつ誠実に判断できる人だ。自分にとって適切なタイミングをきっと見極められると思う。僕自身も、あの立場についてはかつて非常に近いところで見てきたから、理解しているつもりだ」
「ただ正直に言えば、ここ数年は彼とそこまで密接に関わっていたわけじゃない。でも、どういう形になるにせよ、彼から学べることはまだまだたくさんあるし、そのポジションは今後も違った形で受け継がれていくはずだ。というのも、彼がいなくなった穴を完全な形で埋めることは不可能だと思うんだ」
「彼は唯一無二の存在だからね。それに尽きるよ! 彼は本当に特別な人物であり、2005年以降、チームの成功に多大な貢献をしてきた」
「誰が後を継ぐにせよ、彼の注いできた努力が引き継がれることを願っている」