
サルト・サーキットで行なわれたル・マンのテストデーでは、TOYOTA GAZOO Racingの8号車GR010ハイブリッドに乗るブレンドン・ハートレーがトップタイムとなる3分26秒246を記録した。
トヨタ陣営のペース改善は際立っていたが、6月14日(土)から6月15日(日)にかけて行なわれる本戦に自信を持って臨むためには、まだ多くの課題が残されていると考えている。
テストデーでのタイムについて尋ねられたトヨタのテクニカルディレクター、デビッド・フローリーは「それは全く関係ない」と答え、次のように続けた。
「重要なのは1週間後、つまり来週の日曜日に前にいることであって、今日じゃない」
「今は無傷のマシンが2台ある。それは既に良いことだ。レース週末を前にしたこういう日の最初の目標はそこにある。ラップタイムは現時点では重要じゃないし、そこにフォーカスしていたわけでもない」
「セーフティカーやフルコースイエロー、レッドフラッグも多く、決して楽なセッションではなかった。予定していたことを全て実行することはできなかったが、それはピットレーンにいる全員に言えることだと思う。これから数日間、やるべきことはまだ沢山あるし、今週末はずっと忙しくなると思う」
■2025年大会は史上最速のル・マンになる?
結果を見てみると、昨年からテストデーのベンチマークタイムが破られ、勢力図も拮抗しているように見える。これは今回の性能調整(バランス・オブ・パフォーマンス/BoP)によって各メーカーが出力を引き上げた結果であり、路面コンディションも昨年に比べて良好だった。
「我々は2024年よりもパワーアップした状態で走っている。これは予想できたことだ」とフローリーは言う。
「コースは、アルナージュからポルシェカープ最初の左コーナーにかけて再舗装が行なわれ、バンピーさが軽減された。今日はリジェ・カップのようなサポートレースもあり、路面が綺麗になったし、路面にラバーがのっていた」
今年のル・マンを前に勢力図が明らかになりつつあるが、フローリーは慎重な姿勢を崩さない。しかし自信がないわけではない。
「タイトで素晴らしいレース、本当のバトルになるだろう」とフローリーは言う。
「もっと詳しく分析する必要があるので、まだ何とも言えないが、フェラーリはとても強そうだ。彼らの後ろにはキャデラックやポルシェ、アルピーヌ、BMW、そして我々がいて、みんな接近している。真剣勝負になるだろうね」
「全ての領域で取り組んでいく必要がある。特に今週の予報ではセッションがドライコンディションになる保証はない。そうなれば、準備の時間が短くなるかもしれない」
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