
これまで数多くのF1ドライバーを発掘してきたレッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコ。自身の理想的な後任候補として4度のF1世界王者であるセバスチャン・ベッテルの名前を挙げていたが、バトンを引き継ぐための真剣な話し合いは行なわれていないようだ。
元F1ドライバーで1971年ル・マン覇者であるマルコは、モータースポーツアドバイザーとしてレッドブルの若手ドライバー育成ドライバーを率い、ベッテルやダニエル・リカルド、カルロス・サインツJr.やマックス・フェルスタッペン、角田裕毅など数々のスタードライバーを世に送り出してきた。2005年からF1に参戦を開始したレッドブル・レーシングでも、亡きディートリッヒ・マテシッツの腹心として重要な役割を果たしてきた。
今もパドックで元気な姿を見せるマルコだが、今年の4月27日で82歳。自身もアドバイザーとしてのキャリアは長くないと考えており、幼少期から目にかけてきた“最高傑作”のひとりであるベッテルが若手ドライバーを預けるに相応しい存在だとの考えを示していた。
「彼は理想的な後継者候補だと思う」とマルコはSky Germanyに対してそう語った。
「年齢的な問題だけでなく、ある時点で私がこれ(相談役)ができなくなるのは明らかだ。この旅は並大抵ではない労力がいるからね」
「もちろん、セバスチャンのような人が後を継いでくれたら最高だ。彼は既にサウジアラビアのゴーカートで女の子たちと取り組みを行なっていて、ジュニア育成の側面も知っている。一方で、もちろんF1チームでは素晴らしい戦略的なリーダーシップがある」
ベッテルがアドバイザーの仕事に慣れるまで“2レース”あれば十分だとも語っていたマルコだが、まだ本格的な話し合いはしておらず、ベッテル以外にも候補者はいるという。
ただ同時にマルコは、2026年までの契約を全うするとしつつも、あまり多くの時間は残されていないとも強調した。
「私はもう若くない。それは確かだ」とServusTVにマルコは語った。
「もちろん、将来のことは考えなければならない。状況的に彼の名前が出てきて、私は彼が理想的な候補者だと言った」
「しかし突っ込んだ話はしていない。たくさんの名前、たくさんの候補者がいる。実際、驚くほどね。ただ今のところ、私はまだ比較的健康だから、急ぐ必要はないんだ」
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