
F1スペインGP決勝では、コース外からメルセデスのジョージ・ラッセルを追い抜いたレッドブルのマックス・フェルスタッペンがポジションを譲る際に“体当たり”。この行動にメルセデスのトト・ウルフ代表は不思議に思っているようだ。
「彼を抜かせるようマックスは指示されたと聞いたのだが?」
スペインGP終了後、ウルフ代表は率直にそう語った。
フェルスタッペンはレース終盤にラッセルと4番手を争ったが、ターン1でインを刺されたことでランオフエリアを通り、ライバルの前でコースに合流。レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼから、ペナルティを回避するためにポジションを明け渡すよう指示を受けたが、フェルスタッペンは自身が前を走る権利があると主張した。
フェルスタッペンはその後、スローダウンしてポジションを譲るかと思われたが、再びアクセルを開けてラッセルと接触。レース後には10秒のタイム加算ペナルティとペナルティポイント3点が科された。
「分からないよ」とウルフ代表は言う。
「レース中、彼はマシンに問題を抱えていて、それがターン4出口の加速が遅れた理由だと考えていた。仮にあれがロードレイジなら……あまりに露骨だったので想像できないが、それは良くないことだ」
「しかし、彼が何を狙ったのか分からない。ジョージを前に出した後すぐに抜き返したり、かつてのDRS勝負に持ち込むため正しい方法で抜かさせたかったのか、それとも……私には理解できない」
「繰り返しになるが、動機が何だったのか正確にはわからないし、トピックに飛びついて『ロードレイジだ』などとは言いたくない。彼の言い分を聞いてみよう」
メディアラウンドテーブルでフェルスタッペンは、この件に関する質問に短い返答しかせず、反論を展開することはなかった。その中でViaplayから接触を避けることができたかと尋ねられた際、フェルスタッペンは「その通りだ」と答えた。
いずれにせよ、ウルフ代表はフェルスタッペンの行動に驚いており、ここ数年は“暴れん坊”ぶりが影を潜めていたと示唆した。
「モータースポーツであれ、他のスポーツであれ、偉大なアスリートたちは世界を敵に回して、可能な限り最高のパフォーマンスを発揮するというパターンがある」とウルフ代表は言う。
「だからこそ偉大なアスリートたちは世界が自身を敵視していると認識せず、自分がミスをしたり、失敗したりしただけだと考えている。我々は何年も、マックスのこういう瞬間を見ていなかった。2021年にそういうことがあったのを知っているが、どこから現れたのか分からない」
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