2025.6.2

フェルスタッペン、出場停止までペナルティポイントあと”1”。ラッセルとの接触に対する罰則に納得せず「あれが問題なのか?」

Sam Bagnall / Motorsport Images via Getty Images

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1スペインGP決勝レース終盤に起きた、メルセデスのジョージ・ラッセルとの接触について、詳細を語ることは避けた。

 フェルスタッペンはスペインGPの決勝レース終盤、ラッセルと接触したことの責任を問われ、10秒のタイム加算ペナルティを受けた。

 レース終盤に出動したセーフティカー(SC)中に、ライバルが比較的新しいソフトタイヤに履き替える中、レッドブルは「これが唯一の選択肢なんだ」とフェルスタッペンにハードタイヤを履かせた。ソフトタイヤとハードタイヤのパフォーマンス差は如何ともしがたく、フェルスタッペンはSC解除直後にフェラーリのシャルル・ルクレールに抜かれ、その直後にはターン1でラッセルの攻撃を受けた。この時フェルスタッペンはコース外に逃れてポジションをキープする形になってしまったため、チームはフェルスタッペンに対して、ラッセルを先行させるよう指示をした。

 フェルスタッペンはこのチームからの指示に素直に従うような格好で、ターン5の入口で減速。ラッセルが先行しようとした。しかしフェルスタッペンはここで急加速し、ラッセルと接触。両者に大きなダメージはなく、いずれもチェッカーまで走り切ったものの、レーススチュワードはこの接触についてフェルスタッペンに10秒のタイム加算ペナルティを科した。

 しかもフェルスタッペンはそれだけでなく、ペナルティポイント3も科されることになった。これでフェルスタッペンの直近12ヵ月での累積ペナルティポイントは11となり、出場停止となる12ポイントまであと1と、王手がかかる状態となってしまった。

 フェルスタッペンはレース後、ラッセルとの接触について振り返ろうとはせず、レース全体振り返るに留めた。

「それは問題なのかい?」

 フェルスタッペンはスカイスポーツF1にラッセルとの接触について尋ねられると、そう語った。

「うん、素晴らしいね。とにかく僕は、ある瞬間だけを語るよりも、レース全体について話したいんだ」

「僕は3ストップ戦略を試みて、かなりうまくいったと思う。かなり際どい戦略だったけど、タイヤのデグラデーションがかなり進んでいたから、そうする必要があったんだ。だから、良い戦略だったと思う」

「残念ながらレース終盤にSCが出て、僕らにはもうタイヤが残ってなかった。ハードタイヤは、明らかにその時適切なタイヤではなかったよ。残り6周だったから、(ソフトタイヤでも)誰もが全開で走れるからね」

「ハードタイヤでは、グリップが著しく制限されていた」

 フェルスタッペンが最後にハードタイヤを履いた理由について、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は「ソフトタイヤは、7周履いたモノしか残っていなかったから」と説明している。

 フェルスタッペンは予選で3周使ったソフトタイヤを3セット持っていたが、そのうち2セットを決勝で使用。残った1セットは、予選+スターティンググリッドに向かうレコノサンスラップで使用履歴が嵩んだと思われる。そのため、レース終盤に使うことを避けたのだろう。

 ただハードタイヤを履いたことで、SC解除直後のメインストレートでルクレールに抜かれ、その際に若干接触したことで、ラッセルに攻める隙を与えてしまった。

「ストレートで既に追い込まれ、さらにターン1でも追い込まれた、チームはポジションを戻せと僕に言ってきた」

 そうフェルスタッペンは言う。

「でも正直に言って、僕らが抱えている最大の問題は、レースにおける基準だと思う。何が許され、何が許されないかは、あまり自然なモノではない。非常に苛立たしいことだ」

「時にはそれが有利に働くし、時には不利に働くこともある。今回は僕にとっては不利に働いたね」

 なおラッセルに体当たりしたことについて、2016年のF1王者であるニコ・ロズベルグは、フェルスタッペンを失格にするべきだと、スカイスポーツでの解説の際に語った。このロズベルグの発言について尋ねられたフェルスタッペンは、次のように語った。

「ああ、それは彼の意見だ。誰もが、自分の意見を持つべきだと思うよ」

 またフェルスタッペンは今回の接触について、ラッセルと話し合うつもりはないとも語っている。

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出典: https://jp.motorsport.com/f1/news/verstappen-shuts-down-russell-clash-questions-does-it-matter/10728908/
この記事を書いた人 Haydn Cobb, Cihangir Perperik

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