2025.5.30

角田裕毅、日本人F1ドライバー最多出走記録更新へ。スペインGP決勝を走れば片山右京抜き単独トップに

Red Bull Content Pool

 2025年F1第9戦スペインGPでは、日本人F1ドライバーに関するとある記録が塗り替えられようとしている。それが歴代最多出走記録だ。

 これまでは片山右京の持つ95戦出走が最多であったが、先日のモナコGPで角田裕毅が出走95戦目に到達。連戦となるスペインで無事決勝スタートを迎えられれば、単独トップの96戦となる。

 1992年にベンチュリ・ラルースからF1デビューを果たした片山は、ティレル、ミナルディと渡り歩き、1997年まで参戦した。その6年間全てでフル参戦し、97戦にエントリー。2度の予選落ち(予備予選落ち)があるため、グランプリへの出走回数自体は95回となっている。

 一方2021年F1デビューの角田は、レッドブルの姉妹チーム(アルファタウリ→RB→レーシングブルズ)で4シーズンと少しを過ごし、今季第3戦日本GPからトップチームのレッドブルに昇格。まだ5シーズン目の前半を戦っている段階ではあるが、片山が参戦していた1990年代と比べて年間のグランプリ開催数が1.5倍ほどに膨れ上がっていることもあり、出走数で偉大な先輩(日大三高の先輩でもある)の記録に既に肩を並べることになった。

 なお角田はモナコGP終了時点で98戦にエントリー。ただ2021年イタリアGP、2022年サウジアラビアGP、2023年イタリアGPはいずれも決勝前のトラブルによりレーススタートを迎えられていないため、出走数は3戦少ない95戦だ。

 その他、角田と片山に匹敵する日本人3位の90戦に出走しているのが佐藤琢磨。2002年にジョーダンからデビューすると、その後はBAR、スーパーアグリに所属し、2008年までの7シーズンF1で走った。ただBAR時代の2003年は代役で日本GPのみの出走、2008年はスーパーアグリの撤退により4戦しか出場していないため、事実上は実働5シーズンと言える。ただ佐藤は2005年に病欠、出場停止(2戦)、悪名高きインディゲート(ミシュランゲート)での棄権により4戦に出走できておらず、これも出走数に響いている。

 佐藤に続いて出走数が多いのは、75戦の小林可夢偉。小林は2009年の終盤にトヨタからデビューを果たすと、2010年〜2012年にはザウバー、2014年にはケータハムから参戦し、実働4年。1レース差の74戦で5位となっているのが日本人フルタイムF1ドライバーのパイオニアである中嶋悟で、1987年〜1991年にかけてロータス、ティレルで活躍した。

 鈴木亜久里はエントリー数が88と多く、日本人最長となる8シーズン(1988年〜1995年)に渡ってF1で活躍したが、出走数自体は64で日本人ドライバーでは6位となっている。

 まず参戦期間の割に鈴木のエントリーが少ないのは、スポット参戦に終わったシーズンが多いから。1988年は日本GPのみローラから出走、1994年は代役でジョーダンを1戦のみドライブ、1995年もリジェのシートをマーティン・ブランドルとシェアという形だった。

 さらにエントリー数と出走数に大きく開きがあるのは、予選落ち/予備予選落ちの回数の多さ。鈴木が参戦していた1980年代後半〜1990年代前半はエントリー台数も多く、その中で鈴木自身が戦闘力のあるチームに恵まれない時期が長かったことも影響した。1989年のザクスピード時代は、全戦で予備予選不通過に終わり、予選にすら進むことができなかった。

出典: https://jp.motorsport.com/f1/news/tsunoda-will-brake-the-record-for-most-gp-starts-by-japanese-driver/10727898/
この記事を書いた人 motorsport.com 日本版

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