
アルピーヌF1チームは今季第7戦より、ジャック・ドゥーハンに代わってフランコ・コラピントを起用している。シーズン中にドライバーが入れ替えられるこの状況について、F1チャンピオン経験者のジェンソン・バトンは規則を変更すべきだと主張した。
当該の発言があったのは、Sky Sports F1の中継での一幕。実況のデビッド・クロフト、そして解説で元F1ドライバーのカルン・チャンドックと共に、バトンはアルピーヌのドライバー事情について語っていた。
アルピーヌは今季、ピエール・ガスリーのチームメイトにルーキーのドゥーハンを起用した。しかしながらドゥーハンはわずか6戦でリザーブに降格となってしまい、第7戦エミリア・ロマーニャGPからは年初にテスト兼リザーブドライバーとして契約していたコラピントがレギュラーシートを手にした。
番組の中でチャンドックはこの動きについて、ドゥーハンにとっては厳しい判断だと指摘し、こう語った。
「イモラでのパフォーマンスを見る限り、コラピントがドゥーハンより明確に上回っていたという印象はなかったと思う」
「ある意味でジャックには厳しいものだったと思うね。確かに何度かクラッシュもあったけど、速さはあったし、タイミングやイエローフラッグの影響で不運だった部分もある。ガスリーと同等のペースを見せた時もあったし、商業的な事情を抜きにすれば、これは本当に厳しい判断だよ」
これに対してクロフトも「このドライバー交代に関しては、商業的な理由以外は見当たらない」とコメント。バトンも同調し、契約下にあるドライバーがシーズンを通して走るべきだと語った。
「コラピントが昨年ウイリアムズに乗ったときは本当に速かったし、すぐに好成績を出したのも理解している」
「だから彼がテストドライバーとして起用されて、そこで何かあった時のために準備万端で待機しているというのは理解できる。でも数戦しか経っていない段階で交代するのはあまりにも酷だ」
「シーズン中にドライバーを変えてはいけないというルールがあってもいい。つまり契約をしているのなら、最後まで走らせるべきだ」
またそのコメントについて、クロフトもこう補足した。
「怪我などで走れないとか、そういう特別な理由がない限りね。ちなみに今季のドゥーハンの平均予選順位は15.5位。コラピントがウイリアムズで出走した9戦の平均は16位だ」
なおコラピントの今後の処遇については、未だ不透明な部分がある。当初のアルピーヌの発表では、「次の5レース」でコラピントがレギュラーとして参戦するとされていたが、オリバー・オークスの辞任に伴い現在チーム代表の職務も代行するアドバイザーのフラビオ・ブリアトーレは、コラピントの起用に明確な期限はないと発言していた。
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