
マックス・フェルスタッペンの”分身”であるフランツ・ヘルマンが大きな波紋を呼んでいる。
フェルスタッペンはF1の合間に、注目を避けるために偽名を使ってNLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)のテストに参加し、フェラーリ296 GT3をドライブした。
その後、F1エミリア・ロマーニャGPでメディアの取材に応えたフェルスタッペンは、「フランツは今、たくさんの契約オファーを受けている」と語った。
フェルスタッペンは”ヘルマン”を巡る軽快な議論を楽しんでいたが、契約については冗談ではなかったかもしれない。
フェルスタッペンはドイツが誇るニュルブルクリンク、そして象徴的なノルドシュライフェを走る上で、ファンやメディアからの注目を最小限に抑えるためにこの偽名を作った。「偽名を求められたから、できるだけドイツっぽい名前にしようと思ったんだ」と彼はつぶやいた。
そのおかげでフェルスタッペンは少なくとも数時間、テストに没頭することができた。そのテストはNLSのラップレコードを更新するという信じられないような成功を収めたのだ。
「楽しんで、ただ周回を重ねるために行ったんだ。学ぶためにね」
現役F1ドライバーがノルドシュライフェを”襲撃”し、非公式ながらラップレコードを更新した……そんな状況を受けて、他のドライバーはフェルスタッペンが条件の緩いDTM用のBoP(性能調整)を適用して走っていたのではないかとも噂していた。
しかしフェルスタッペンを起用したエミール・フライ・レーシングのロレンツ・フライ-ヒルティ代表はこれを否定している。
フェルスタッペンも「他のドライバーは攻撃されていると感じているようだ。僕はただ楽しんでいるだけなのに、そんな不必要なコメントが来るなんて、まったく無意味なことだと思う」と一蹴した。
フェルスタッペンは”ヘルマン”が生んだビッグウェーブを楽しんでいるようで、彼のウェブページで新たなアイテムが販売された。
ディープブルーのグラフィックでフランツ・ヘルマンの名前と彼がドライブしたフェラーリ296 GT3が描かれたTシャツとフーディーは、それぞれ39.95ユーロ(約6475円)、59.95ユーロ(約9716円)だったが、即完売となったのは驚くことではないだろう。
フェルスタッペンのファンは、この限定アイテムの再入荷と、近い将来に”ヘルマン”のさらなる活躍が見られることを願っているだろう。