
ゼネラルモーターズ傘下のキャデラックは、次世代レギュレーションが導入される2026年からF1に新規参戦を果たす。デビューに向けてマシン開発やインフラ整備などが進む一方、初年度を共にするドライバー2名は発表されていない。
ドライバー候補として考えられているのは、昨年までレッドブルに所属したセルジオ・ペレスや、メルセデスのリザーブドライバーであるバルテリ・ボッタス、フェラーリのリザーブドライバーである周冠宇、元F1ドライバーのミック・シューマッハー、そしてインディカーに参戦しているコルトン・ハータやアレックス・パロウらだ。
では、キャデラックは誰を選ぶのか? 様々な憶測が飛び交う中で、かつてハースF1をチーム代表として率いたギュンター・シュタイナーが、理想的な選択肢を提示した。
シュタイナー元代表自身、2016年に実質的な創設者としてチームオーナーのジーン・ハースと共にF1へ乗り込んだ経験を持つ。
ハースはF1参戦初年度に、ロマン・グロージャンとエステバン・グティエレスのF1経験者ふたりを起用。シュタイナー元代表はチーム在任中にルーキーを起用したこともあったが、結果的にケビン・マグヌッセンやニコ・ヒュルケンベルグといったベテランドライバーに落ち着いた。
そうした経験からシュタイナー元代表は、若くて経験の浅いルーキーよりも、新しいチームを牽引し、成長を促す経験豊富なドライバーをキャデラックは優先するべきだと助言した。
「私がキャデラックの人間なら、経験豊富なドライバーに注目するだろう。理由は以前言っていた通りだ。若いチームでは、経験豊富な人たちからノウハウを得ることが一番で、彼らがチームを牽引し、ルーキーよりも早くチームが進歩するのを手助けしてくれる」
F1 Explainsにシュタイナーはそう語った。
「私にとっての理想的なペアは、ボッタスとペレスだ。私なら、このふたりを連れてくるね」
ペレスはレッドブル首脳陣の厳しいプレッシャー下で、チームメイトのマックス・フェルスタッペンに力及ばず解雇となったものの、プレッシャーの少ない環境であれば成長できるとシュタイナー元代表は考えている。
「おそらく1年契約だろう。オールドルーキーを入れるよりはずっと良い。チェコ(ペレス)にとってはチャンスだ」
GPBlogに対してシュタイナーはそう語った。
「マックスに打ち負かされたことを、1年かけて自分の中で整理し、その衝撃から立ち直る。この機会は、より良い位置に彼を引き上げてくれるかもしれない」
「彼はキャデラックにとって価値があると言える」
ボッタスも2024年シーズン終了後にザウバーのシートを失い、今年は古巣メルセデスでリザーブドライバーとして帯同。ペレスと並んで、過去にコンストラクターズタイトル8連覇の偉業を成し遂げたトップチームの働き方を知っているというのは特に強みだろう。また、周はフェラーリのリザーブドライバーとして、トップチームでの運用を学んでいるところだ。
今年3月にF1参戦が正式承認されたキャデラックは11番目のF1チームとして2026年のグリッドに並ぶ。チーム代表にはグレアム・ロードンが就任し、チーム取締役を1978年のF1世界チャンピオンであるマリオ・アンドレッティが務める。
そのアンドレッティは以前、ハータをはじめ若いアメリカ人ドライバーを起用したいという意向を示していた。
「我々の立場から言えば、最初は経験豊富なドライバーをひとり。国籍は関係ない。そして、もうひとりのドライバーとして、若く才能のあるアメリカ人を起用することが現時点での目標だ」
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