
5月13日、第109回インディ500に向けたプラクティスがスタート。初日は天候の影響もあってセッション開始がディレイとなったが、最終的にチーム・ペンスキーのウィル・パワーが最速となった。
伝統のインディ500、今季のレースはこの日の走行を皮切りにプラクティスを重ね、17~18日に予選、25日に決勝レースが行なわれる予定となっている。
正午からスタートするはずだった初日のプラクティスは長い雨によるディレイの後、現地時間午後2時半過ぎにようやく開始。ドライバーたちは約3時間のプラクティスをこなした。
このディレイの間、マクラーレンのパトリシオ・オワードはインディ500用のヘルメットが届かず、配送業者のUPSと40分以上も電話でやり取りするという珍しいシーンが見られた。なお、この問題は無事に解決されたようだ。
大きなアクシデントもなく終了した3時間のセッションで、トップとなったパワーは、73周走行したうちの61周目に227.026mph(約365.363km/h)を記録。チームメイトのジョセフ・ニューガーデンをわずかに上回り、セッションのトップとなった。
ホンダ勢のトップは、現在ポイントリーダーのチップ・ガナッシ・レーシングのアレックス・パロウで226.673mph(約364.795km/h)をマークして3番手となっている。
「僕たちはかなりいいベースラインを持っていると思う」
そうパワーは語った。
「チームメイトもかなりいい感じだ。彼らから学んだこともある。(インディ500は)それ自体がほとんどチャンピオンシップなんだ。自分の弱点を探して改善しなければならない」
スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)とスコット・マクログリン(ペンスキー)も続き、ペンスキーとチップ・ガナッシがトップ5を分け合う形となった。
前人未到となる5度目のインディ500制覇を目指すエリオ・カストロネベス(メイヤー・シャンク)は6番手となった。
プレマ・レーシングのマシンはコースインがやや遅れ、ロバート・シュバルツマンが33番手、カラム・アイロットが34番手で最後尾と、苦しい状態でセッションを終えた。
トウ(スリップストリーム)なしのスピードでは、カイル・カークウッド(アンドレッティ)が219.497mph(約353.246km/h)でトップ。これにニューガーデンが続いた。
インディ500の3勝目を目指し、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからスポット参戦する佐藤琢磨は31番手。4月のオープンテストでは初日に3番手、2日目も午前中に232.565mph(約374.429km/h)を記録していたが、94Gもの衝撃を受ける大クラッシュを喫した。
13日のプラクティスは、ゼロから組み上げられた75号車の実質的なシェイクダウンとなり、チェックを重ねながらの走行となった。
「始めに、チームと75号車アマダのクルーに改めてお礼を申し上げます。通常は2ヵ月かかる作業を彼らは2週間で終わらせたのですから、とても感慨深いです」
そう佐藤はチームのプレスリリースにコメントを寄せた。
「マシンは美しくて、真新しくて、光り輝いています。今日は、走り始めの段階で些細な技術的問題が発生したため、予定していたプログラムを中断することになりました。結果的に、今日はマシンをシェイクダウンするだけとなりましたが、明日はテストプログラムをフルに実施する予定で、今から楽しみにしているところです。インディアナポリス・モーター・スピードウェイに戻ってこられて嬉しいです。気分も上々です」
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