
ホンダ陣営を引っ張る存在となっているヨハン・ザルコは、来季以降に向けた契約交渉が順調だと話している。
2025年シーズンは開幕から5戦が終了。近年ホンダは苦戦が続いていたが、2025年は改善傾向を示しており、マニュファクチャラーランキングでもドゥカティに次ぐ2番手をヤマハ、KTM、アプリリアと争っている。
そのホンダの復調を引っ張ってきたのはファクトリーチームではなく、サテライトチームであるLCR所属のヨハン・ザルコだった。彼はその好調さもあり、2026年に向けてファクトリーチームのシートを狙っている意向を隠していない。
ホンダはジョアン・ミルとの契約が2026年までとなっている一方で、ルカ・マリーニは2025年までの契約となっている。現在マリーニのシートがどうなるかは憶測の的となっており、ザルコが昇格するという線も説得力のあるモノのひとつだ。
ザルコは母国戦となるフランスGPを前に、ホンダとの交渉が順調に進んでいることを明らかにした。
「ホンダとの話し合いはとても、とてもポジティブだよ」とザルコは言う。
「それにルーチョ(チェッキネロ/LCR代表)とこんなに包み隠さずに話せていることも、とても嬉しい。100%正直に話せている。彼はライダーにとってファクトリーチームへの昇格チャンスがすごく重要なことだと理解してくれている」
第5戦まででザルコは43ポイントを獲得。ファクトリーチームのマリーニの11ポイント、ミルの32ポイントを上回るものだ。ここまでのザルコのハイライトとなる場面は、アルゼンチンGP予選でフロントロウに並んだこと、カタールGPで4位となったことだ。
「ホンダの速いライダーとして、ナンバーワンライダーになるのは興味深いことだし、僕としてもぜひそのステップを踏み出したい」
ザルコはそう続けている。
「僕らはよく話し合って、何が最善なのかを理解しようとしている。ここ(LCR)では凄く良いサポートをしてもらっていることはわかっているし、ホンダからもフルサポートを受けているのはわかっている」
「ただファクトリーチームの名誉あるシートが、僕に本当に必要なのかを見極める必要はあるんだ。僕が望んでいるのはそういうこと……でも同時にルーチョにとってそれがどうなのかも見ていく必要がある。とはいえルーチョ、僕そしてホンダの間で率直に話し合えるのは凄く嬉しいことだ」
ザルコのファクトリーチーム昇格の噂が強まる中、マリーニも契約について言及。フランスGPの木曜日には、イタリアメディアに対してホンダとの交渉が初期段階だが始まっていると話した。彼らの交渉ではマリーニがLCRへ入れ替わりで加わるという可能性も含まれる可能性がある。
ホンダとLCRは緊密な協力関係にあるが、序列もある。ヘレス公式テストで試されたばかりの新型エンジンは、今週末フランスGPで投入される予定だが、ザルコはまだ使用することができない状態となる。
「僕は新エンジンをまだ試すことができていない。ファクトリーチームが作業を進めていて、僕らはLCRで他のことに取り組んでいたからね」
「ファクトリーチームはこのエンジンをかなり気に入っているようだった。だから今週末も開発を続けるんだと思うよ」
「でも僕らも良いパフォーマンスを出すための改善は十分見られているんだ」
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